ラウンドアップ（除草剤）の特長・種類と使い方！グリホサートの効果や毒性は？

（2019年9月時点の）日本国内において、ラウンドアップの種類としては、水に溶かして使う希釈タイプの「ラウンドアップマックスロード」と、そのまま製品のノズルから散布するシャワータイプの「ラウンドアップマックスロードALシリーズ」があります。これらの製品の種類についてまとめてみました。

まず、水で薄めて使うタイプのラウンドアップですが、家庭だけでなく農業分野や公園などの緑地管理分野において広く利用されています。希釈タイプラウンドアップの種類は「ラウンドアップマックスロード」のみとなっていますが、規格（サイズ）が様々な大きさで販売されていますので、ホームセンターなどで買えるものをまとめてみました。

希釈ライプラウンドアップの使い方は、水に規定量を薄めて使うのですが、原液に水を加えると泡立ちが激しいので、あらかじめ水を半分ほど入れてから薬剤を入れ、さらに残りの水を加えるとよいです。散布方法は、原液を直接葉に塗ったり、スプレーで吹きかけたり、動噴器で散布したりします。生産者の方は、ブームスプレイヤーという巨大な動噴器をトラクターでけん引して散布しています。

ラウンドアップは非選択制除草剤ですので、ほとんどの雑草に対して効果があります。一年生や多年生の雑草だけでなく、ササやススキのような頑固な雑草にも効果があります。散布の目安としては小さな雑草のときは200倍希釈、25cmを超えたものは100倍希釈、ツユクサやササ、オオバコなどしつこい多年生雑草には50倍希釈です。そして地下茎のしつこい雑草の代表格であるスギナには25倍希釈で散布すれば、根まで枯らすことができる効果を発揮します。

ラウンドアップの販売会社の日産化学株式会社の安全データシートでは以下のとおりです。

AL剤とはapplicable liquid剤の略で、そのまま使用できる濃度の薬液で製品化されたものです。シャワータイプとも呼ばれており、希釈タイプとは異なり、あらかじめ原液が希釈された状態で販売されており、商品の蓋を開けると、注ぎ口がシャワー状になっているのも特徴です。ラウンドアップマックスロードALシリーズとしてⅠ、Ⅱ、Ⅲと3種類の商品が発売されています。

すでに紹介の通り、シャワータイプラウンドアップは2ℓサイズと4.5ℓサイズがあり、Ⅰのみ1.2ℓサイズがあります。こちらも、㎡あたりの単価をまとめてみました。

シャワータイプラウンドアップの使用方法は、さっとそのまま植物にかけるだけです。ⅠやⅡについては、草むしり前に散布すると、簡単に抜けるようになったり、取り切れなかった根も枯れてしまうので除草効果が高まります。ⅡとⅢのタイプは使用する際に変色やシミの原因になる恐れがあるため、機械や構築物などにかからないように散布時は注意しましょう。

なお、シャワータイプのラウンドアップマックスロードALⅢには速やかに長期で雑草を枯らす効果がありますが、今生えている雑草を枯らすには、葉を濡らすだけで充分です。植物に水を与える感覚で根本まで散布しても効果はあがりませんので注意してください。（ただ、後から生えてくる雑草を抑制するためには、地面に丁寧にかける必要があります。）

シャワータイプラウンドアップのラウンドアップマックスロードALⅠは希釈タイプのラウンドアップマックスロードと同様にゆるやかに雑草を枯らしていきます。しかし、ラウンドアップマックスロードALⅡとⅢは散布の翌日には雑草が黄色くなりだすなど即効性があります。ただ、それぞれ2週間もあれば枯らすのには充分ですので、いつまでに枯らしたいか決めてから商品を選ぶようにしましょう。

シャワータイプのⅠとⅡは希釈タイプのラウンドアップマックスロードと同様に土に落ちた成分は速やかに不活化します。しかし、ラウンドアップマックスロードⅢから土に落ちた成分は土壌表面に薬剤の膜をはり、これから生えてくる雑草の実生にも効果があるため芽が出るまで待つ必要がありません。この効果は散布後「約4カ月」の長期の期間持続し雑草の抑制効果に働きます。

シャワータイプラウンドアップもほとんどの一年生雑草と多年生雑草に対して除草効果があります。また、Ⅱについてはイシクラゲなどのコケ類にも効果がありますので、用途ごとに使いわけましょう。スギナやツル植物のようなしつこい雑草を枯らしたいときは、丁寧に葉にかけるようにするとよいです。

ラウンドアップマックスロードALⅢの安全データシートは以下のとおりになっています。