アカツメクサは春の訪れとともに、ポンポンのようなかわいらしい花を咲かせる多年草です。田畑で緑肥として植えたり、庭のグランドカバーとして育てたりと、さまざまな育て方ができます。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 5cm〜10cm |
花の色 | 赤、赤紫、ピンク、紫 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 開花時期が長い、初心者向け、グランドカバー |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
アカツメクサは、ピンク色や赤色、紫色の花を咲かせるのが特徴で「ムラサキツメクサ」とも呼ばれています。開花時期が長く、常緑性のためいつでも美しい葉を楽しめるのが魅力です。花壇の寄せ植えやグランドカバー、室内のインテリアなどにも利用されています。
ベニバナツメクサは、いちごのように真っ赤な花を咲かせる品種です。「ストロベリートーチ」や「ストロベリーキャンドル」という別名もついており、花壇に明るい印象を与えてくれます。
シロツメクサは、原っぱや山野に自生しており「クローバー」という名前でも親しまれています。ほとんどが三つ葉ですが、ごく稀に四つ葉をつける場合もあり、四つ葉のクローバーを探すのも楽しみの1つです。
植え付け時期 | 3月〜5月、9月〜10月 |
植え替え時期 | 3月〜5月、9月〜10月 |
種まきの時期 | 3月〜4月、9月〜10月 |
肥料の時期 | 2月、9月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月〜7月 |
アカツメクサは、地植えでも鉢植えでも育てられます。成長スピードが早く、横に這うように広がっていくため、地植えの場合はブロックで仕切りを作ってから植え付けると増えすぎることがなく安心です。鉢植えの場合は、株間を15cm〜20cmほどあけて植え付けていきましょう。耐寒性は強いですが、雪や霜に当たると株が弱ってしまうため、マルチングをしてから冬越しさせます。
アカツメクサは、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。野原や田畑に自生しているほど丈夫な植物ですが、多湿が苦手なため、ジメジメとした場所で管理すると枯れる恐れがあります。また、日当たりの悪い場所で育てると、葉が黄色く変色したり、花付きが悪くなったりするので避けてください。
アカツメクサは、排水性の高い用土を使用して育てます。市販されている「草花用培養土」や「山野草用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んだ用土を使用してください。地植えにする場所が粘土質の場合は、腐葉土や川砂をすき込んでから植え付けましょう。
地植えでアカツメクサを育てている場合は、降雨のみで十分です。鉢植えの場合は、土の表面が乾ききってから2日〜3日後に水やりをします。受け皿に溜まった水を放置すると、土が常に湿った状態になり、アカツメクサが枯れる恐れがあるので、水は早めに捨ててください。水を与えすぎると、根腐れで枯れる原因となるため、やや乾燥気味に管理するのがポイントです。
アカツメクサは、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし、成長が滞っていたり、大株に育てたりする場合には、2月と9月に液体肥料を規定の分量よりも薄めて、1ヵ月に1回〜2回施してください。
アブラムシは年間を通して発生しやすい害虫で、集団で寄生してアカツメクサの成長に必要な栄養分を吸汁してしまいます。数が少ない場合は、ガムテープなどに貼り付けて駆除しますが、大量発生した場合は殺虫剤を散布しましょう。ハダニは葉の裏側などの見つけにく場所に発生します。水が苦手な性質を利用して、定期的に葉水を行うと予防が可能です。
さび病は、カビの菌糸が原因で発生する病気です。感染した部分が、白色や褐色に変色するのが特徴で、葉の光合成が妨げられます。薬剤を散布しても感染した部分は治せないため、他の部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分してください。
花後はこまめに花がら摘みを行いながら育てます。花がらを放置すると、カビが発生しやすくなるため注意が必要です。
ポット苗の状態でアカツメクサを購入する場合は、葉が黄色く変色していたり、病害虫被害を受けていたりしない苗を選びます。花芽がたくさんついているものや、株元まで葉がしっかりと生えている苗を購入しましょう。
地植えの場合は、植え替えの必要はありません。鉢植えやプランター栽培の場合は、根詰まりを防ぐために2年〜3年に1回は植え替えをしましょう。鉢から優しく取り出し、根についている古い用土を落としてから、ひと回り大きな鉢に植え替えます。
アカツメクサは、気になった時にいつ剪定しても構いません。茎が伸びすぎている部分や、葉が込み入っている部分を切り戻し剪定していきます。剪定で切り落とした茎を利用して、花かんむりを作るのもおすすめですよ。
アカツメクサは繁殖力が強く、放任で育ててもどんどん増えていきます。しかし、自分の思い描く場所に増やしたい場合は、株分けや挿し木で増やしていきましょう。
出典:写真AC