アオツヅラフジは成長とともにつるを伸ばすため、栽培にはつるが絡まっても大丈夫な場所を選ぶ必要があります。病気や害虫の被害が少なく初心者にも育てやすいですが、暑さ・寒さが苦手です。うまく夏越しや冬越しさせることが栽培のポイントです。
園芸部類 | 広葉樹 |
形態 | つる性の落葉木 |
樹高・草丈 | 2m以上 |
花の色 | 淡い黄色またはクリーム色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | やや弱い |
特性・用途 | 漢方や殺虫剤に使われる |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
日本を含む東アジアが原産のアオツヅラフジは、葉が12cmほどと大きく、灰色の産毛が生えており、晩秋には落葉します。花は淡い黄色またはクリーム色で、夏頃に開花しますが、葉の大きさに比べると小さくて目立ちません。雌雄異株なので、果実をつけるためには、雄と雌それぞれの株が必要です。
アオツヅラフジの実はブドウに似ているため、一見するとおいしそうですが、アルカロイドという自然由来の毒素を含んでいます。アオツヅラフジは鎮痛の効果があり漢方薬として用いられています。医師や専門家の指示のもと服用しましょう。
アオツヅラフジの名前は、全体が青々としていて美しいこと、つるをつづら(カゴのような入れ物)を作る材料として用いていたことが由来です。別名のカミエビは、「カミ」はブドウの古い呼び方、「エビ」はカビの意味があります。ブドウに似た実についた白い粉がカビに見えたことが由来です。
オオツヅラフジは枝の長さが10cm、葉の大きさも15cmとアオツヅラフジよりも大きく、産毛が生えていないのが特徴的です。アオツヅラフジ同様、つるでつづらを作ったり漢方に利用したりします。
植え付け時期 | 3~4月 |
実がなる時期 | 9~11月 |
肥料を与える時期 | 4~6月、9~10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 7月頃 |
アオツヅラフジの植え付け時期は?
アオツヅラフジは春(3~4月)に植え付けてください。夏の暑さや冬の寒さに弱いためです。秋は気温の低下がはじまる時期でもあるため、植え付けはおすすめしません。
アオツヅラフジの開花時期は?
アオツヅラフジアオツヅラフジは夏に開花します。実をつけるためには、花を咲かせることが大切なのでつぼみを落とさないように育ててください。
アオツヅラフジの栽培適期は、生育期を迎える春~夏にかけてです。しかし、夏の暑さや冬の寒さなど、極端な温度変化が苦手なので、これらの時期をうまく乗り切るのが栽培のポイントでしょう。
アオツヅラフジの栽培は、地植えや鉢植え、盆栽に仕立てて楽しめます。鉢植えや盆栽で育てる場合は、1年に1回植え替えをしてください。
アオツヅラフジは夏の直射日光や、冬の寒風が苦手なため風通しがよい明るい日陰で栽培してください。鉢植えや盆栽なら軒下など日陰になる場所を選びましょう。
アオツヅラフジは、鉢植えや盆栽なら屋内でも管理できます。屋内管理の場合は、窓際など日当たりと風通しがよい場所に置いてください。しかし、夏の間はレースのカーテンなどで遮光を、冬はつい立をして窓から入る冷気よけの対策を行いましょう。
アオツヅラフジは、水持ちと水はけがよく、肥えた土質を好みます。通気性がよいことも大切です。用土は赤玉土と腐葉土を7:3の割合で配合して作るか、市販の草花用の培養土を利用してください。
地植えの場合は降雨のみで大丈夫ですが、何日も雨が降らない場合には水やりをしてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥してきたら、たっぷりと水やりしましょう。とくに夏は土が乾きやすいので朝と夕の1日2回、水やりをするのがおすすめです。盆栽の場合は、コケが乾燥しないように気をつけて水やりをしてください。
肥料は、油かすまたは緩効性のものを春と秋に株から少し離れたところに施します。株のすぐ近くだと肥料焼けを起こして、枯れてしまう可能性があるためです。夏や冬の間は、肥料は施しません。
アオツヅラフジにつきやすい害虫は、「アブラムシ」や「ハダニ」です。これらの害虫は、葉や茎などから養分を吸い取って枯らしたり、病気を媒介したりするので、早めに駆除してください。また、日当たりが悪すぎると「ヤガ」がつく可能性があります。ヤガの幼虫は葉を食べてしまうため、こちらも見つけ次第すぐに駆除しましょう。
アオツヅラフジは病気に強い面を持っていますので特に心配いりません。しかし、葉焼けを起こす可能性があります。葉焼けは病気ではありませんが、植物が枯れてしまうため気をつけて管理しましょう。
アオツヅラフジは7月頃に開花し、2~3か月後に果実をつけます。葉を観賞するのが目的の場合は花がしおれてきたら、美しさをキープするために摘み取ってください。果実も楽しみたい場合は、開花後は摘み取らずにおきましょう。
種まきは、暖かくなる3月頃に行いましょう。用土に種をまいたら軽く土をかぶせて、乾燥しないように水やりをしてください。種は盆栽の種子を扱う専門店で入手できるほか、果実から取り出す方法があります。
アオツヅラフジの苗は、茎がしっかりした太さで葉の色が鮮やかなものを選んでください。元気がなくヒョロヒョロしていたり、色あせたりしているものは株が弱っている可能性があるので避けましょう。
アオツヅラフジは成長が早く根詰まりを起こしやすいため、鉢植えや盆栽で育てる場合は、1年に1回を目安に植え替えをしてください。傷んだり枯れたりしている根を取り除いたら、植え付けのときと同じ土に植えましょう。
アオツヅラフジは、つるを伸ばしながら2m以上に成長します。気にならない場合はそのままでもかまいませんが、住環境やコンパクトに楽しみたい場合には剪定をしてください。剪定は、春または秋の涼しい時期に行うのがベストです。
夏は、直射日光を避けることと水切れを起こさないことが管理のポイントです。水やりは朝と夕の1日2回行いましょう。夏は葉がしおれやすいので、葉水も効果的です。
冬は、霜や寒風から守る対策をしてください。鉢植えならば、屋内へ取り込むのもよいでしょう。土が凍るのも枯れる原因になるので、バークチップを敷くなどの工夫が必要です。
アオツヅラフジの増やし方は、種まきのほかに「根伏せ」と「株分け」があります。株分けは、植え替えと同時に行うとよいでしょう。根伏せは挿し木に似た方法で、不要な部分の根を切ったら少しだけ頭が出るように土に埋めてください。どちらも簡単なので、初心者でも挑戦しやすいですよ。
アオツヅラフジ
参考価格: 5,280円
盆栽に仕立てられたアオツヅラフジは、手元に届いたらすぐに栽培が楽しめます。自分用はもちろん、父の日などの贈り物にもおすすめです。室内管理の場合は、エアコンが直接当たらないように気をつけてください。
育てやすさ | 初心者向け |
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樹高 | 約10cm |
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横幅 | 約18cm |
鉢の大きさ | 約7cm |
出典:写真AC