アオツヅラフジとは
アオツヅラフジとはつる性植物の在来種で、草原や低山地、町中などわりとどこにでも生えているあまり目立たない植物です。北海道から四国九州、沖縄まで日本全国どこででも目にすることができます。つる植物なので、他の木や電柱など自立しているものにからんで上へと成長し、春に花を咲かせて秋に実をつけ、実は放置しておくとしぼんで冬には落ちてしまいます。
基本情報
学名 | cocculus trilobus(oribiculatus) |
科属 | ツヅラフジ科、アオツヅラフジ属 |
形態 | つる性落葉樹、多年草 |
分布 | 北海道~沖縄 |
別名 | カミエビ |
生薬名 | 木防己(モクボウイ) |
漢字名 | 青葛藤 |
アオツヅラフジの語源
アオツヅラフジのアオとは、茎や葉が緑色をしているところが語源になりました。別名カミエビのカミとはぶどうの古名で、実がぶどうの房のようになるところから由来し、実の周りに白い粉がふくことからカビ(エビ)が生えたと間違えてつけられた名前です。つるがとても丈夫なことからツヅラ、今でいうカゴを編んで活用されたことからツヅラフジの名前がつきました。
アオツヅラフジの特徴
アオツヅラフジはつる性の植物で、左巻きに伸びるのが特徴です。フェンスや他の木など、自立したものに頼って上へ成長します。枝分かれが多く5m~10mほど伸び、雄株と雌株に別れる特徴があります。実が落ちたあと中から現れる種子には横に細かいシワがあり、くるっとまるまってアンモナイトの化石に似ているのも特徴です。英語ではカタツムリの種子と言われます。
葉
アオツヅラフジの葉は基本的には卵型か広卵方型で長細いで形ですが、3つ前後の裂けめが入ることもあります。互生しており不規則に葉の形が変わるのもアオツヅラフジの葉の特徴です。幅は2cm~10cm、長さは3cm~12cmで葉茎が短く、葉や茎に細かい毛が多く生えており触るとフェルト生地のような感触です。先が丸いものと尖っているものがあります。
花
アオツヅラフジの花は実に比べると、控えめで目立ちません。葉の付け根に淡い黄色やクリーム色の小さな花を房状に咲かせます。花言葉は「目立たないが存在感がある」です。花は目立たずとも、あとになる実や種子に存在感があるということでしょう。開花時期は7月~9月で雄株が雄花を、雌株が雌花をそれぞれ茎の付け根に咲かせ、花弁は6枚で先が浅く切れ込んでいます。
実
アオツヅラフジの実は花が咲いた後、雌株の枝の付け根になります。なり始めは鮮やかな緑色をしていますが、徐々に青く変化し、最終的には黒紫色のブルーベリーのような色になります。5mm~8mmの実はぶどうの房のようになり、緑色の頃は艶やかですが成熟すると表面に白い粉がふくのが特徴です。実がなるのは秋で9月~11月です。つぶすと黒紫色の汁がでます。
ボタニ子
次ページからアオツヅラフジに似た植物について紹介します。
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