マートルの育て方!初心者が注意すべき栽培のポイントとは? | 植物図鑑

学名Myrtus communis
和名ギンバイカ(銀梅花・銀杯花)、ギンコウバイ(銀香梅)
別名マートル、ミルテ、ミルトス、ギンコウバイ、ギンコウボク、イワイノキ
英名Myrtle
科・属名フトモモ科ギンバイカ属
原産地地中海沿岸
花言葉愛のささやき、愛、最愛の人、愛くるしい、もうすぐ結婚します

マートルの特徴

Photo by2017343

基本情報

園芸部類 庭木
形態 常緑樹
樹高・草丈 100~300cm
花の色
耐寒性 強い
耐暑性 強い
特性・用途 鉢植え、庭植え、地植え
栽培難易度 ★☆☆☆☆

特徴

マートルは世界中で栽培されているハーブの一種です。料理のスパイスやハーブティーとして使えます。また、マートルの花は美の女神の象徴ともいわれ、花嫁のブーケや結婚式の装飾、寄せ植えにも人気です。花を観賞するだけでなく、日々の生活に取り入れられる植物です。

マートルの代表品種・種類

マートルは庭木として人気の高い植物ですが、香りがよくハーブとしても活用できるため、鉢植えで栽培する人も増えています。日本では管理がしやすい「バリエガタ」「ヒメギンバイカ」の2種類が主流です。

①バリエガタ

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バリエガタは、葉に斑が入っているのが特徴です。耐寒性・耐暑性ともに非常に強く、気温0℃までなら屋外でも冬越しします。バリエガタの花は初夏に開花しますが、開花時期を過ぎると徐々に全体が枯れるため、水やりの量を控え冬越しの準備をします。

②ヒメギンバイカ

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ヒメギンバイカは細い枝葉が特徴のマートルで、花は5~6月に咲きますが、甘い香りがするためブライダルの装飾やブーケに人気があります。葉は小ぶりで光沢と香りもあり、庭の生け垣やシンボルツリーにもおすすめです。

マートルの育て方①時期

Photo byBuntysmum

植え付けから開花までの時期(目安)

植え付け時期 3月上旬~4月下旬
植え替えの時期 3月上旬~4月下旬
結実の時期 10月上旬~11月下旬
花が咲く時期/開花時期 5~7月頃

栽培スケジュールカレンダー

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
               
開花期間                  
肥料                      
成長期          
休眠期              
○は適期、●は最適期

栽培適期は?

マートルは耐寒性が強いため屋外でも問題なく冬越ししますが、冬越し中は成長せず、気温が上がり始めると若芽が出始めます。そのためマートルは、若芽が出始めてから開花時期が終わるまでが栽培適期です。花後1カ月で翌年の花芽の成長が始まるため、本格的な冬越しは気温が下がる11月以降になります。また、植え付ける時期は2月~4月が適しています。成長を始める春咲がベターでしょう。

マートルの育て方②栽培環境

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マートルは庭木や植木として栽培するだけでなく、ブライダル業界ではブーケや装飾にも人気があるため、花をメインに栽培することもあります。そんなマートルは栽培環境に左右されず成長する丈夫な植物です。初心者でも栽培の基本的なポイントがわかれば簡単に育てられます。

栽培方法

マートルの栽培方法は、鉢植え・庭植えのどちらでもOKです。鉢植えの場合は小さな苗で植え付けすることもありますが、庭木にする場合は庭木専門店で販売される苗を使います。剪定せずにいると樹丈が3mに達することもあるので、コンパクトなサイズで育てるなら、小さめの鉢に苗を植え付けるのがおすすめです。

育てる場所

マートルを育てる場所は、鉢植え・庭植えともに日当たりのよい場所を選びます。マートルは耐暑性が強いので直射日光に当たっても枯れにくく、日当たりのよいほうが若芽の発芽率も高いです。ただし鉢植えでもこまめに剪定して管理しなければボリュームが出てくるので、寄せ植えには組みあわせ方に注意しましょう。

用土

マートルは初心者でも栽培しやすいため、用土の種類にこだわらなくても成長にあまり影響しません。ただしマートルは、通気性のよい用土のほうが大きく育ちます。保水性の高い庭に地植えする場合は、赤玉土などを混ぜて通気をよくすればOKです。鉢植えの場合も、腐葉土などの基本用土に赤玉土を混ぜるとよいでしょう。

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マートルの育て方③管理のポイント

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初心者でも栽培環境が正しく準備できれば、マートルの育て方に失敗することはほとんどありません。寒さにも強く、夏の暑さも耐えられます。そんなマートルは、日々の管理によっては花付きなどに影響することがあります。

水やり

マートルの水やりは「土が乾燥したらたっぷり」が基本です。もともと乾燥した地域で栽培されてきた品種のため、頻繁に水やりをしなくても大きく育ちます。ただし庭木として地植えした場合、植え付けから2年目以降は降雨以外の水やりはNGです。

肥料

マートルは養分をほとんど含まない土でも育つので、一般的に肥料を施さなくても大丈夫です。土に栄養が足りないと感じた場合は、冬越し中の2月に寒肥を施すとよいでしょう。寒肥はマートルにストレスがかかりにくい有機肥料を選び、根元の近い部分に施します。

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害虫対策

マートルは花だけでなく葉にもハーブ特有の香りがあるため、害虫や昆虫を寄せ付けません。地域によっては虫よけとして庭に植えることもあります。しかし、剪定をせずに枝葉が密集すると、まれに蜂が巣を作ることがあります。

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病気対策

マートルは丈夫な植物で、特別な病気の対策も必要ありません。薬草として利用されることもあるマートルは、自らも病気にかかりにくい性質をもっています。耐寒性・耐暑性・生命力が強いため、どのような過酷な状況でも丈夫に育ちます。

花後の管理

マートルの花は、花後にすぐ剪定するのがポイントです。マートルは開花時期が終わり1カ月もすると翌年の花芽が成長し始めます。花芽の成長期間に入ってから剪定すると、翌年に開花する花芽も切り落としてしまいます。そのためマートルの花芽が成長し始める前に剪定しましょう。

マートルの育て方④詳しい栽培方法

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マートルはほとんど手をかけなくても大きく育つ植物ですが、香りのよい花やシルエットの美しさを保つには、植え付けと剪定のタイミングで必ずやるべきコツあります。そうとはいえ、初心者でもすぐにできることばかりです。栽培する前に知識として知っておくとよいでしょう。

植え付け

マートルの植え付けでは、強風対策をすることが重要です。マートルは枝先に多くの葉をつけるので、もともと強風に弱い特性があります。特に植え付け直後は根が定着していないことから倒れやすいです。植え付けする際は「支柱を立てる」「壁に寄せて風よけにする」など風対策をしておきましょう。

剪定

生育期に入るとどんどん枝葉を伸ばすマートルは、定期的な剪定で樹丈をセーブするのがポイントです。鉢植えの場合は、鉢を小さめにすることで樹丈がセーブしやすくなりますが、剪定もセットでしないと予想している以上に樹丈が伸びてしまいます。庭木も剪定せずに枝葉が密集すると、蜂の巣ができる原因になります。

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増やし方

マートルの増やし方は、挿し木がぴったりです。こまめに剪定しなければすぐに大きく成長してしまうので、剪定するタイミングで挿し穂を作れば効率よく増やせます。増やし方には株分けという方法もありますが、株が傷つくと生命力の強いマートルでも枯れてしまいます。よほど経験がない限り挿し木で増やすのが安心です。

冬越し

耐寒性の強いマートルは冬越し中も基本的に寒さ対策がいらない植物ですが、積雪時には注意が必要です。品種によっては葉や茎が太いマートルもありますが、庭木として流通しているマートルの多くは枝葉が細いため、積雪量が多いと雪の重さで枝が折れてしまいます。ひどい場合は根元から折れることもあるので注意しましょう。

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