バーク堆肥の概要
バーク堆肥とは、樹皮を発酵させて作る有機質肥料のことです。名前は原材料と作り方に由来しています。樹皮を英語で「バーク(bark)」といい、樹皮を発酵させて作る有機質肥料であることから「バーク堆肥」と呼ばれるようになりました。有機質肥料といっても肥料成分は少ないため、おもに土壌改良剤として使用されています。
バーク堆肥の特徴と効果
特徴・効果①土に分解されにくい
バーク堆肥は、「リグニン」という有機質成分を多く含んでいます。このリグニンには、土に分解されにくいという特徴があります。この特徴が、土壌の状態が長期間安定する効果を生むのです。分解しにくいバーク堆肥を分解するために、土壌にいる微生物がより多く集まる結果、病原菌などの繁殖が抑制されます。また、堆肥の有効成分も長く土壌に残るため、成分の効果も長期間持続するというわけです。
特徴・効果②微生物の活性化をうながす
前に触れたように、バーク堆肥は土壌分解されにくい特徴を持っています。ゆえに地中のさまざまな微生物が、バーク堆肥を分解するために集まってくるのです。集まった微生物は、バーク堆肥を完全に分解するために盛んに活動します。この結果、土壌の状態がよくなり、しかも安定した状態が長続きするというわけです。
特徴・効果③植物の成長を助ける
バーク堆肥には「フミン酸」という成分が含まれています。フミン酸は腐植質を構成する成分の1種で、日本では腐植酸とも呼びます。フミン酸には土を軟らかくする土壌改良効果や、植物の根に効率よく栄養分を吸収させる作用があるとされ、植物の成長を大いに助ける効果が期待されています。
特徴・効果④生育障害を起こすことがある
土壌改良剤として、メリットばかりのように見えるバーク堆肥ですが、商品の選び方や使い方、使用量をあやまると、植物に悪影響をもたらしてしまいます。バーク堆肥は本来、樹皮を完全発酵させて作るものです。しかし、完全に発酵していない商品が市場に出回ることがあります。完全に発酵していない堆肥を土に混ぜると、貴重な栄養分が堆肥の分解のために無駄に消費されてしまうのです。
分解しにくく、効果が長期間持続するという特徴は、デメリット面でも発揮されてしまいます。
デメリット面での効果が長期間続くと、植物の生育障害にとどまらず、枯れてしまう恐れもあるんだ。商品選びや使い方には注意しようね。
発酵不足によるデメリットは、牛糞など他の堆肥も同じです。使用する前に、完全に発酵しているかどうか確認しましょう。
原材料にも注意
バーク堆肥の原材料は針葉樹や広葉樹の樹皮です。堆肥の原材料に関する規定や制約はないため、どちらの樹皮も使用されていますが、混合比などは商品によって異なります。一般には、植物の成長を阻害する成分は針葉樹のほうに多く含まれているため、広葉樹の樹皮を多く使用したものが良質とされています。
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バーク堆肥は分解されにくいから、フミン酸などの有効成分がもたらす効果も長続きするんだよ。