ギンバイカの育て方!剪定など庭の生垣として上手に管理するコツを解説!

ギンバイカの育て方!剪定など庭の生垣として上手に管理するコツを解説!

香り高い葉や、フルーティーな黒い実をつけるギンバイカは、結婚式などにも使われる縁起のよい植物です。育て方も簡単で、生垣や庭木として利用されています。そんなギンバイカの育て方や剪定などの管理のコツを紹介しまう。コツを押さえて、ギンバイカを元気に育てましょう。

記事の目次

  1. 1.ギンバイカとは
  2. 2.ギンバイカの育て方
  3. 3.ギンバイカの剪定
  4. 4.ギンバイカの増やし方
  5. 5.ギンバイカの利用法
  6. 6.まとめ

ギンバイカとは

出典:写真AC

基本情報

科名 フトモモ科
属名 ギンバイカ属
学名 Myrtus communis
英名 Myrtle
和名 銀梅花(ギンバイカ)
別名 マートル
イワイノキ
ギンコウバイ
ギンコウボク
形態 常緑性低木
原産地 地中海沿岸
樹高 1~3m
開花期 5~6月

ギンバイカは、別名「イワイノキ」とも呼ばれ、結婚式などのお祝いの場で用いられる縁起物の植物です。海外でも「マートル」「ミルテ」「ミルタス」などとも呼ばれ、花嫁のブーケに取り入れられていますよ。

音楽家シューマンの作品「ミルテの花」は、1840年シューマンが結婚式に妻のクララに捧げた曲として知られています。

ギンバイカの特徴

ギンバイカの葉は、小さな楕円形で先端が尖っています。揉んだり叩いたりすると、油腺からフルーティーな香りが漂います。5~6月ごろに咲く白い花は、細長い雄しべが特徴的です。雄しべからは甘い香りがしますよ。10~11月にかけて収穫できる黒いオリーブのような実は、苦みがありますが食べることも可能です。

花言葉

ギンバイカは「高貴な美しさ」「愛くるしさ」「快楽」など多くの花言葉をもちます。どの言葉も花の美しさや、実や葉の香り高さに由来するものです。愛や純潔を象徴する花言葉は縁起がよいとされ、花嫁のブーケにも使われます。

ギンバイカの育て方

栽培スケジュール

作業 適期
追肥 2月(地植え)/3月(鉢植え)
種まき 3月上旬~4月
植え付け 4月下旬~5月
開花 5~7月
挿し木 7月
剪定 6月~7月中旬
収穫/種の採取 10~11月

育て方①日当たりと温度

ギンバイカは日当たりのよい場所を好みます。日光を十分に浴びると花も多く咲き、実のつきもよくなります。明るい日陰でも十分に生育は可能です。寒さには強いのですが、霜にあたらないよう十分注意してください。冬場に-5℃を下回る地域では鉢植えで育て、寒くなったら室内に取り込めるようにしておきましょう。

育て方②用土

ギンバイカの原産は地中海沿岸のため、乾燥した気候と水はけのよい土質を好み、湿った環境を苦手とします。地植えでも鉢植えでも生育は可能ですが、鉢植えの場合は植物用培養土や小粒の赤玉土に川砂や腐葉土を混ぜ込んで、水はけをよくする工夫が必要です。

育て方③植え付け・植え替え

植え付け時期

ギンバイカの植え付けの適期は、4月下旬~5月です。水はけのよい用土に有機肥料を元肥として混ぜ込みましょう。苗を植え付ける場合は、葉にツヤがあり、幹がしっかりと安定しているものを選び、枝が伸びすぎているものは避けます。水やりは植え付けた苗や苗木がしっかりと根付くまではこまめに、根付いた後は控えめにを心掛けましょう。

生け垣の植え付け方

ギンバイカは成長が早いので、生け垣を作るのに適した樹木です。生垣を作るためには苗を30cm間隔で植えていきます。間隔をしっかりとることで根がしっかり張れます。離れすぎると空間ができてしまい、見た目が貧弱な生垣に見えてしまうかもしれません。適切な株間をとりましょう。

鉢の植え替え

鉢植えのギンバイカの植え替えは、気温が高くなる5月に行います。1~2年に1回、一回り大きな鉢に植え替えましょう。根詰まりを起こすと枯れてしまうことがあるため、定期的に植え替えるのがおすすめです。

育て方④水やり

地植え、鉢植え共にギンバイカを植え付けてから2年間は、土の表面が乾いたら水をたっぷり与えます。地植えでは根がしっかりつけば雨水のみで十分で、その後の水やりは必要ありません。鉢植えなら土の表面が乾いたら水やりをします。

育て方⑤肥料

ギンバイカは、肥料をそれほど必要としません。花のつき方が悪くなってきたと感じたら施す程度で十分です。地植えなら2月ごろに有機肥料を株の根元に施します。鉢植えは、3月に根元に化成肥料を追肥しましょう。

育て方⑥病気と害虫

ギンバイカにはカイガラムシがつきやすいので注意が必要です。薬剤を散布すると食用に利用しづらくなるため、害虫は見つけたらすぐに駆除しましょう。また、さび病を防ぐために、風通しよく乾燥気味の環境を保つよう心がけてください。剪定をしっかりすることが病気や害虫の予防につながります。

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ギンバイカの剪定

剪定が必要な理由

ギンバイカは枝葉の成長が早いですが、幹の成長のスピードは遅めです。そのため枝葉が茂り過ぎると幹に負担がかかりやすくなります。ギンバイカを元気に育てるためにも、こまめな剪定作業が必要です。

剪定の適期

ギンバイカの剪定は、生垣・庭木・鉢植えを問わず、花が咲いた直後の6月~7月に行うのが理想です。8月には翌年に向けて花芽をつけ始めるため、花を楽しみたい場合は花芽がつく前に、しっかり徒長枝を刈り込みましょう。この時期を逃してしまった場合は、花芽の判別が容易になる4月ごろまで待って、樹形に影響のない花芽だけを残して剪定することをおすすめします。

剪定の方法

剪定を始める前に、理想の樹形を思い描きましょう。その形の輪郭からはみ出る枝などの部分から切り落としていきます。次に、枯れてしまった枝や枝のつき方が悪いもの、枝が密集して重そうな枝、風通しを悪くするような部分も切り落としましょう。成長しすぎた部分は思い切って刈り込んで、全体的に小さく仕上げると幹にかかる負担を軽減できます。

剪定後のケア

ギンバイカが理想的な高さにまで生育したら、もっとも太い幹を切り落とします。太い幹を切り落とすことで樹高がそれ以上伸びず、枝が横に広がるように成長できます。枝が次々に伸びるため、美しい形を保つようにこまめに剪定しましょう。

ギンバイカの増やし方

挿し木で増やす

ギンバイカは挿し木で増やせます。挿し木の適期は7月ごろです。その年に伸びた枝を10cmほど切り、培養土に挿しましょう。発根剤を加えた水に枝を数時間浸けてからポットや鉢に挿すと、より根がつきやすくなるでしょう。日当たりと風通しのよい場所で、土が乾いたら水やりをして育てます。

種まきで増やす

種の採取

ギンバイカの種は市販されていることが少ないため、秋から冬に種を採取して、春に種まきをするのがおすすめです。5~6月に花を咲かせた後、黒い実がなり、11月ごろ実が完熟します。採取して中の種を取り出しましょう。水洗いして、乾燥させないようポリ袋に入れて冷蔵庫などで保管します。

種まきの時期

3~4月がギンバイカの種まき時期です。冷暗所で保存しておいた種を取り出し、鉢やポットに1粒ずつまいて薄く土をかけておきます。風通しと日当たりのよい場所に置いて水やりをしていると、数週間~1カ月ほどで発芽します。4~5枚程度の本葉がついたら植え付けの時期です。

ギンバイカの利用法

トピアリーとしての利用法

ギンバイカは刈り込みをしても育ち、生垣だけでなくトピアリーとしての利用に適しています。トピアリーとは、常緑樹や低木を刈り込んで動物や幾何学模様に立体的に仕立てた造形物のことをいいます。庭のおしゃれなアクセントにぴったりですよ。

ハーブとしての利用法

ギンバイカの葉は、肉料理のにおい消しやお酒の香りづけなど、ハーブとして古くから利用されてきました。また黒く熟した実は食べられます。甘い味で、香りもよいです。イタリアのサルデーニャ島、コルシカ島ではギンバイカの果実や葉からミルト(Mirto)というリキュールを作っています。

まとめ

出典:写真AC

ギンバイカは、イワイノキという縁起のよい名前をもつ植物です。剪定をしっかりすれば育て方は簡単で、さまざまな楽しみ方ができます。生垣やトピアリー、ハーブとしても楽しめるギンバイカをぜひ育ててみてください。

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Frankincense
ライター

Frankincense

オーガニックコスメのスキンケアデザイナー。スキンケアは食べることからはじまると考えています。体の内側と外側からのスキンケアに使用する植物について興味があります。

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