バターナッツ(かぼちゃ)とは
バターナッツかぼちゃは、黄褐色の皮のひょうたん型が特徴的な、バターやナッツのように甘い味がするかぼちゃです。見た目もかわいらしく家庭菜園でも人気で、さまざまな料理に使えるバターナッツかぼちゃ。そんなバターナッツかぼちゃの育て方や、収穫方法をご紹介します。
バターナッツ(かぼちゃ)の基本情報
科名 | ウリ科 |
属名 | カボチャ属 |
種名 | ニホンカボチャ |
原産地 | 南アメリカ |
分類 | 冬カボチャ |
水やり | ほとんど必要ない |
バターナッツ(かぼちゃ)の栄養素
食物繊維 | 2g |
ビタミンC | 21mg |
鉄 | 0.7mg |
カルシウム | 48mg |
マグネシウム | 34mg |
ナトリウム | 4mg |
カリウム | 352mg |
炭水化物 | 12g |
タンパク質 | 1g |
バターナッツ(かぼちゃ)の特徴
バターナッツかぼちゃは雌花が多く、1つのツルにたくさん実がなるのが特徴です。受粉後に早ければ1カ月程度で収穫できる利点もあります。また、収穫したバターナッツかぼちゃはとても保存性が高く、半年ほど保存可能なところも魅力です。保存しておけば、さまざまな料理に使えます。
バターナッツ(かぼちゃ)の名前の由来
バターナッツかぼちゃは、その味の特徴から名前がついたといわれています。まるでバターやナッツのように甘くて濃厚な味がするかぼちゃだからです。かぼちゃのポタージュや、オーブン焼きなどかぼちゃの甘みを楽しむ料理によく合います。
バターナッツ(かぼちゃ)の仲間
バターナッツかぼちゃは北海道での栽培が盛んです。他にも北海道ではたくさんのかぼちゃが栽培されているのをご存知ですか?バターナッツかぼちゃだけでなく、他にも有名なかぼちゃや、人気のかぼちゃをご紹介します。
えびす
北海道のかぼちゃといえば、まずえびすかぼちゃが思い浮かびます。えびすかぼちゃは、ホクホクとした食感が特徴で、かぼちゃの煮物を作るときなどにぴったりな品種です。北海道での作付け面積が広く、日本で一番生産されています。
プッチィーニ
プッチィーニという名前の通り、小さな手のひらサイズのかぼちゃです。皮がきれいなところが人気で、黄色とオレンジのしま模様がかわいらしく、中身をくり抜いて料理のお皿として利用されることもあります。こちらもホクホクとした食感が楽しめる品種です。
おばけかぼちゃ
ハロウィンのときなどに活躍するおばけかぼちゃは、他のかぼちゃと比べてとても大きいのが特徴です。中身をくり抜き、火を灯し「ジャック・オ・ランタン」というかぼちゃの顔を作るときによく使われます。中身に水分を多く含んでいるかぼちゃです。
バターナッツ(かぼちゃ)の栽培方法
バターナッツかぼちゃの育て方はポイントをおさえれば簡単です。水やりもあまり必要としませんし、交配も放っておいてもミツバチなどが受粉をしてくれます。しかし、摘心や追肥などは欠かせない作業です。バターナッツかぼちゃの育て方をご紹介します。
用土
バターナッツを育てるときの土は、苦土石灰と化学肥料を同じぐらいの量で混ぜあわせたものに、推肥を加えた土です。ホームセンターなどに売っている野菜の栽培用の土を使っても、おいしいバターナッツを育てられます。
種まき
バターナッツかぼちゃの種まき時期は、2月から4月が適期です。ポリポットに1つずつ種をまいていきます。種をまいてからの注意点は水やりです。バターナッツかぼちゃはあまり水やりを必要としませんが、適度に土が湿っていないと発芽しないためしっかりと水やりをします。
苗植え
種まきをして、芽が出てきたら早めに苗植えをすることが大切です。バターナッツかぼちゃの葉が、3枚から4枚になった状態が定植にむいています。だいたいの発芽の目安は、種をまいてたあと、1週間から10日の間です。
プランターで栽培する場合
バターナッツかぼちゃはプランターで手軽に育てることが可能です。苗をプランターの真ん中に植え、支柱を立てて上へと成長させることで、狭いスペースでもしっかりと実をつけ収穫もできます。気軽にプランター栽培できるのが家庭菜園で人気の理由です。
地植えで栽培する場合
あたたかくなってきた5月ごろ、80cmほど株の間をあけて苗植えをするのが最適です。また、バターナッツかぼちゃを地植えする場合に、気をつけなければならないのは「霜」です。バターナッツかぼちゃは湿気を嫌うため、霜がおりると枯れてしまう恐れがあります。
水やり
バターナッツかぼちゃは乾燥に強く、あまり水やりをする必要はありません。また、湿度を嫌うため、水の与えすぎは枯れてしまう原因にもなります。地植えの場合は水やりの必要はなく、プランターの場合も土が割れるほど乾燥しない限りは、水を与えなくても大丈夫です。
肥料
バターナッツかぼちゃを植える前に、栽培する予定の場所全体に肥料をまきます。そのあとは、化成肥料を2週間に1度の割合で、1株に目安としてひとにぎりほどの追肥が必要です。バターナッツかぼちゃが成長してきたら、ツルの先に肥料を与えます。
摘心
苗植えをしてから1週間後を目安に行う摘心は、バターナッツかぼちゃを育てるうえで大切な作業です。実を少なくすることで栄養が行き渡り、おいしいバターナッツかぼちゃになります。親づるを5節ほどで摘心し、子づるは残して成長させるやり方です。
交配
バターナッツかぼちゃは、春の時期にはミツバチなどに任せても自然と交配しますが、確実に交配させたい場合には人工的に受粉を行います。雄花と雌花の見分けかたは簡単です。花の根元に実がついているものが雌花です。雄花の花粉を雌花につけて受粉をさせます。
収穫
バターナッツかぼちゃが濃い肌色になったら収穫可能です。少し桃色がかっていると、一番収穫に向いています。バターナッツの黄色い花が咲いたあと、さらに1カ月ほど経つと収穫時期の目安です。実の部分から2cmほど上をハサミで切って収穫します。
バターナッツ(かぼちゃ)の活用方法
バターナッツかぼちゃにはいろいろな活用方法があります。栽培するときに場所を考えて植えると、緑のカーテンとして利用できます。また、収穫したバターナッツかぼちゃは、さまざまな料理にもよく合うのでおすすめです。そんなバターナッツかぼちゃの活用方法をご紹介します。
バターナッツ(かぼちゃ)栽培で作る緑のカーテン
ネットや麻紐などを使って、気軽に緑のカーテンを作ることも可能です。ネットをつたって上へ上へとツルを伸ばし、大きな葉がカーテンの役割もしてくれます。家庭菜園で栽培するときに、窓や縁側の近くで育てると、目隠しや日よけの役割もしてくれるためおすすめです。
バターナッツ(かぼちゃ)を使った料理
かぼちゃといえばホクホクしているイメージですが、バターナッツかぼちゃは粘り気が強く、煮物料理よりもポタージュなどがよく合います。バターナッツかぼちゃは、繊維質が少ないため、しっとりとした食感が特徴です。その特徴を生かした料理をご紹介します。
バターナッツかぼちゃのポタージュ
濃厚な味のバターナッツかぼちゃは、ポタージュにして食べるととてもおいしいためおすすめです。適当な大きさに切ってコンソメと煮込み、柔らかくなったら牛乳を加えます。ブレンダーで潰して完成です。甘くておいしいバターナッツかぼちゃポタージュをぜひ試してみてください。
バターナッツかぼちゃのオーブン焼き
バターナッツかぼちゃ本来の味を楽しめるオーブン焼きは、作り方も簡単な料理です。バターナッツかぼちゃを半分に切り、5mmほどの厚さにスライスします。オーブンシートにのせて、300℃で20分焼けば完成です。
まとめ
バターナッツかぼちゃの育て方や収穫方法をご紹介しました。家庭菜園で簡単に育てられるバターナッツかぼちゃ。収穫した実は、たくさんのおいしい料理に使えます。ぜひ魅力がいっぱいのバターナッツかぼちゃを、自宅で育ててみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC