ミニカボチャとは
ミニカボチャとはカボチャの中でも小さな実のカボチャのことです。カボチャはつるを大きく伸ばす特徴がありますが、手のひらサイズのミニカボチャなら実が軽いため支柱立てして家庭菜園もできます。食べきりサイズであることも魅力的です。
カボチャの基本情報
科名/属名 | ウリ科/カボチャ属 |
原産地 | アメリカ大陸 |
分類 | 一年草、つる草 |
カボチャは野菜の中でもカロテン、カルシウム、ビタミン、鉄分などが含まれており、栄養価が高い野菜です。原産地はアメリカ大陸で、つるを伸ばすという特徴があります。カボチャの品種は日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャの3種類です。
ミニカボチャの品種
日本カボチャ | 西洋カボチャ | ペポカボチャ | |
---|---|---|---|
品種 | 小菊かぼちゃ 日向かぼちゃ |
栗坊、坊ちゃん ほっこり姫 プッチィーニ |
プッチィーニ |
形状 | 凹凸が多い |
凹凸が少ない 丸みがある |
細長い ひょうたん型 |
ミニカボチャの流通している品種は西洋カボチャが多いです。品種により育て方やそれぞれ実の食感や、形状などの特徴が異なります。
凹凸のある日本カボチャ
日本カボチャは凹凸の多い形状が特徴で、食感は水分が多く、甘みは少なめでねっとりとした食感になっています。煮崩れしにくく、煮物や蒸し物にピッタリです。日本カボチャの品種であるミニカボチャの「小菊かぼちゃ」が有名です。
甘みのある西洋カボチャ
西洋カボチャはほくほくとした食感で、丸みのある形と甘みがあるのが特徴です。特に「栗坊」は西洋カボチャの食べ切りやすいミニカボチャで人気があります。同じ西洋カボチャである「坊ちゃん」は、赤色や白色など色が豊富であるのが特徴です。
特徴的な形のペポカボチャ
ペポカボチャはズッキーニの仲間でキュウリのような見た目が特徴です。その見た目から「おもちゃかぼちゃ」とも言われています。味も他のカボチャとは異なっており、青っぽいです。
「プッチィーニ」というミニカボチャは、西洋カボチャとペポカボチャの特徴がある中間種です。変わった見た目ですが、甘みがあり、おいしく食べられます。
ミニカボチャの栽培方法
ミニカボチャは普通のカボチャと比べて狭いスペースでも栽培できます。また手のひらサイズの大きさで実が600~800gと軽く小さいため、空中栽培やグリーンカーテンにもできるのが魅力的です。一方で、寒い地域や植え付け後はトンネル栽培をする必要があります。
栽培方法①空中栽培
本来のカボチャは実が重いため、畑を広く使って栽培しますが、ミニカボチャはつるをネットなどに伸ばして狭いスペースでも栽培できるのが特徴です。上の写真のように空中栽培もできます。空中栽培とは、つるを地面に這わせずにネットや支柱で上へと成長させる栽培方法のことです。
ボタ爺
空中栽培をすることで、風通しがよくなり病害虫の対策にもなります。
グリーンカーテンにもできる
ミニカボチャは空中栽培しながら日差し対策であるグリーンカーテンにもできます。グリーンカーテンを作るにはネットを用意しましょう。日当たりのよい場所を好むミニカボチャはグリーンカーテンにピッタリです。摘心していけばカーテンの幅も広げられます。
栽培方法②トンネル栽培
地植えしたミニカボチャは植え付け後と北関東などの寒い地域では、トンネル栽培をする必要があります。トンネル栽培とは、ビニールなどでトンネル状に覆った中で作物を栽培することです。トンネルは寒さ対策だけでなく、害虫対策や生育も早める効果があります。
トンネルの作り方
トンネルを作る手順は、まずトンネル用の支柱を作物を挟んでアーチ状に挿します。このとき両端の支柱だけは少し斜めに挿しましょう。次に両端にビニールを固定するための杭を打ちます。その後ビニールを被せたら完成です。ビニールを密閉するときは端を土で被せます。
ミニカボチャの基本的な育て方
まずは水やりなど、ミニカボチャの基本的な育て方についてご紹介します。
育て方①水やり
ミニカボチャは土の表面が乾いたらたっぷり水をあたえます。あたえるタイミングは朝です。過湿が苦手なため、水のあげすぎに注意します。夏に強い西日で葉がしおれてしまった場合は、夕方にも水やりをしましょう。
育て方②置き場所
ミニカボチャは日当たりのいい場所に置きましょう。また風通しもよくします。あんどん仕立ての支柱は、果実全体に日があたるようにときどき向きを変えるとよいでしょう。プランターは横に広い標準的なものか、大型のものを選び、一つのプランターに一株で育てます。
育て方③用土
用土は水はけと水持ちのよいものを作ります。畑の場合、植え付けの2週間前ほどに苦土石灰を播いて堆肥を耕します。プランターでは、野菜用の配合土を使用し、赤玉土6、腐葉土3、バーミキュライト1などの割合にします。ミニカボチャは過湿が苦手なため、水はけをよくしましょう。
育て方④肥料
ミニカボチャは元肥には苦土石灰と化成肥料を使用します。つるボケしないように元肥の化成肥料は窒素分が少ないものを用いましょう。窒素分が少ないものを選ぶことで、病気対策になります。またミニカボチャは成長に合わせて追肥が必要です。浅植えのため根を傷つけないようにしましょう。
ボタ爺
つるボケとは、肥料のあたえすぎでつるばかりが伸びすぎてしまい、実つきが悪くなることです。
育て方⑤手入れ
ミニカボチャは比較的病害虫に強いとも言われますが、トンネル栽培後も病害虫対策をします。主な手入れは葉の状態を確認と風通しをよくすることです。
うどんこ病対策をする
ミニカボチャの代表的な病気にうどんこ病があります。うどんこ病は葉にカビがはえて白く病変する病気です。原因としては、風通しの悪さや過湿があげられます。うどんこ病の葉の病変を見つけたら取り除き、葉が茂りすぎている場所はカットして予防しましょう。
ボタ爺
特に梅雨時期は葉の状態を確認するようにします。
育て方⑥増やし方
ミニカボチャは栽培した実の中にできる種を使って増やせます。ミニカボチャを食べるときに、種を取り除き、乾燥後、冷暗所で保管しましょう。
ミニカボチャの育て方
- 水やりは土の表面が乾燥したらたっぷりあたえ、過湿に注意する
- 日当たりと風通しのよい場所を選ぶ
- 肥料は窒素肥料を少なめで、用土に苦土石灰を施す
- 葉の状態を観察して、茂っている部分はカットして風通しをよくする
ボタニ子
このあとからはミニカボチャの植え付けから収穫までの流れを解説します。
出典:写真AC