セラミスとは
セラミスの特徴
セラミスとは、粘土を焼成して作られた「セラミス・グラニュー」というドイツ製の顆粒状粘土です。無菌・無臭で、通気性・保水性・水はけに優れており、非常に清潔な室内園芸用土です。部屋の中に土を持ち込みたくない方でも、気軽に室内園芸を楽しめます。
セラミス栽培に向いている植物
①観葉植物
テーブルに置く小ぶりなものから大型の植木鉢まで、さまざまなサイズの観葉植物を育てることができます。鉢底に穴の開いていない鉢を使うのが主流ですが、鉢底から水が抜けるようになっている一般的な植木鉢でも、コツを押さえればセラミスで育てることができます。
穴の開いた鉢を使うには
鉢が少し軽いと感じたら、水をためたバケツなどに鉢ごと沈め、十分に吸水するとよいでしょう。穴の開いた鉢でセラミス栽培をするときは、鉢内が乾燥しやすくなるので、水切れを起こしやすくなります。たくさんの水が必要なポトスなどの観葉植物には不向きかもしれません。
②多肉植物
セラミスは外栽培で使用すると乾燥しやすく、水切れを起こすことがあります。しかし、大抵の多肉植物は用土が渇ききってもすぐに枯れたりしませんので、セラミス栽培にぴったりです。初心者が失敗しやすい夏や冬の多肉の管理がラクになりますよ。
セラミスの使い方
植物を植える
セラミスで植え替える際は、根に付いていた土を完全に落とさなくても大丈夫です。根を崩したくない花苗などもそのままセラミスで植えこむことができます。植え替えの際、少量のゼオライトを鉢内に入れておくと、根腐れ防止効果が期待できますよ。
マルチングとしての使い方
本来の長所である高い吸水性の効果は発揮されませんが、通常の用土の上にマルチングとして使うこともできます。バーグ材やウッドチップの代わりに用土の上に敷き詰めて使います。セラミスは腐敗の心配もないので、清潔感を演出できますね。
セラミスにおすすめの肥料
セラミス用の液体肥料がおすすめです。セラミスは一般の土と違い肥料分を含みません。そのため、必ず肥料をやりましょう。水1Lに対してキャップ1杯が目安です。ハイポネックスなど他の種類の液肥でも代替可能です。多肉植物には濃度は薄めにしてご使用ください。
要注意!セラミスにカビが生えたときは
セラミスは季節によっては乾燥しやすいため、ついつい水をやりすぎ、表面に白いカビが生えることがあります。カビだけを取り除いても、水やりの一連の流れを変えない限り、再び同じ現象が起こります。カビが生えたときは思い切ってリセットしましょう。新しい給水システムを作って植え替えるのがおすすめです。
ハイドロボールは似て非なるもの
ハイドロボールの特徴
100円ショップなどでも販売されているハイドロボールは、ハイドロカルチャー用の植え込み材です。「水耕栽培」といわれるのは、セラミス栽培ではなく、こちらのハイドロボールの育て方が近いでしょう。植込み材の間違った使い方をしていないか、一度おさらいしてみましょう。
セラミスとハイドロボールの違い
セラミスを使った育て方 | ハイドロボールを使った育て方 | |
吸水性 | セラミス>ハイドロボール | |
植え替え時 | 苗の根についた土は、残して植え込んでもよい | 苗は水耕栽培用のものを使うか、土がついている場合は水できれいに洗い流す |
使用する鉢 |
鉢底に穴の開いていないもの |
|
水やり | 鉢底に水がたまらないように管理する | 鉢底に水が必ず残るように管理する、潅水時の排水が不要 |
水量の管理 | インジケーター(水分感知器) | 水位計 |
インジケーター(水分感知器)の使い方
大きな鉢などでは、セラミスの表面しか見えないため鉢内の水分チェックが難しくなります。そんなときは、セラミス・インジケーターを使用します。水やり後3~5時間で、インジケーターの色が赤から青に変わります。次の水やりは、インジケーターが完全に赤になってから行いましょう。
水位計の使い方
一方、ハイドロカルチャーに用いるのは水位計です。いろいろな種類や大きさがあります。ガラス容器の場合は目視できるので水位計は必要ありませんが、不透明な鉢を使う場合は水量がわかりませんので、必ず水位計が必要になります。水位計内のボールの上下で水量を確認しましょう。
セラミスに類似した種類の用土
セラキュート スター
見た目は、セラミスのような色をしていますが、使用方法を読むとどうやらハイドロボールのような商品です。星形が可愛いですね。
セラキュート スター LBR 6mm 星形のハイドロカルチャー 鉢植え飾りに 水耕栽培や鉢植えのマルチングに インテリア飾りにも 睡蓮鉢の飾りにも 室内園芸用土 可愛らしい形が特徴の室内園芸の土です 鉢植えのデコレーションにもピッタリ
参考価格: 99円
ウォーターサンド
松下電工が住宅用壁面素材にと研究・開発したセラミックで作られた用土で、使用方法はセラミスと同じです。ただ、セラミスと比較するとちょっとお値段が…。機会があれば、使ってみたいものです。
ウォーターサンド1.5kg【松下電工(株)特許商品】【 水を飲む粒 ハイドロカルチャー 観葉植物】【中粒 小粒 インテリアグリーン ウォーターサンド】
参考価格: 4,510円
セラミス配合のラン専用土
SERAMIS(セラミス・グラニュー)と小粒のバークチップを混合した、ラン専用土です。スリット鉢など穴の開いた鉢で使用します。セラミスのみの用土と違い、支柱が立てやすいです。
まとめ
セラミスについて、ハイドロボールの育て方と比較しながらご紹介しました。給水後に用土が素早く乾燥するという、一連の特徴をうまく利用した栽培システムです。最近では、「セラミスグラニュー」という商品名ではない類似商品も多く見かけるようになりました。今回ご紹介したセラミスやハイドロボールの特徴を踏まえて、いろいろな種類の植込み材を試してみるのも楽しいですね。