菊の剪定
菊は普段の手入れが大切な植物です。剪定や切り戻しは姿を整えるためにも、また病害虫の予防のためにも欠かせません。菊の剪定は主に摘心と呼ばれる方法が中心です。剪定で草丈を低く仕立てたり、花数を多くすることが可能です。剪定は花芽が付き始める8月までにします。
菊の剪定方法
本葉の数が6~8枚になったら中央の芽をつまんで取り除き、脇芽の成長を促します。その後、伸びた脇芽にさらに葉が5~6枚付いたところで芽先を摘みとる、この作業を繰り返してください。枝ぶりを調節しながら、イメージどおりに仕立てられます。
菊の切り戻し
菊の切り戻しは、7月ごろと花の後が適期です。伸びすぎてバランスの悪くなった枝を切り戻し、全体のバランスをとるように刈りそろえるとよいでしょう。このとき、芽の上で切るようにするのがコツです。花が終わった後に切り戻しをする場合は、株元から5~10cmほどの位置ですべての枝を刈ってしまいます。春にはまた新しい芽が生えてくるため問題ありません。
菊の増やし方
菊の増やし方には複数の方法がありますが、どれも簡単です。切り戻しや植え替えなどのタイミングにあわせて挿し木や株分けすると、同時に株を増やせます。菊の増やし方を2つ紹介します。
増やし方①挿し木
挿し木は菊の増やし方のなかでも一般的な方法です。切り戻した枝はもちろん、買ってきた菊の花も使えます。挿し木は菊の生育期の5~6月が適期です。長さが5~10cmほどになるように、節と節の間を斜めに切ります。このように切ることで、水の吸い上げがよくなる効果があるのです。1~2時間給水させたら、鹿沼土(細粒)やバーミキュライトなどの土に挿します。
挿し方
挿し木の用土は細かいものがおすすめです。挿し穂が安定して、成功しやすくなります。挿し木をする前に挿し穂の切り口に発根促進剤を塗っておくと、より成功しやすくなるためおすすめです。土にはいきなり挿すのではなく、割りばしなどで先に土に穴をあけておきましょう。発根促進剤が落ちることなく挿せます。
挿し木の注意点
買った菊や貰った菊を挿し木する場合、個人的に楽しむ範囲にとどめましょう。間違っても販売目的での増産をしてはいけません。なぜなら、それらの菊は登録品種の可能性が高く、許可なく生産・販売することは禁止されているからです。
増やし方②株分け
挿し木のほかの増やし方として、株分けがあります。菊は宿根草で株がどんどん大きくなっていきます。植え替えの際にサイズの調節をかねて株分けすると、株分けのために掘りおこす必要がないためおすすめです。生花店で買った鉢の場合、なかには複数株が寄せ植えになっているものもあります。このような鉢を株分けしてもよいでしょう。
出典:写真AC