サマーエンジェルとは？すもも品種としての特徴や保存の仕方・食べ方まで！

サマーエンジェルは夏の暑い時期に食べごろを迎えるすもも（李）です。真っ赤な果実と甘くみずみずしい果肉が魅力的で、人気の品種になっています。そこで、サマーエンジェルとはどのような果物なのか？すもも品種としての特徴や栄養、収穫時期や食べごろ、保存の仕方や上手な食べ方を詳しく解説します。

サマーエンジェルは山梨県が独自に開発したすもも品種です。すもも品種のうち、濃い紅色の果肉が特徴の「ソルダム」と大玉で黄緑色の皮が特徴の「ケルシー」が交配され誕生しました。2005年（平成17年）に品種登録された、まだ新しいすももです。長野県や山形県でも栽培されるようになりましたが、主に山梨県で栽培されています。

ソルダムは、100年以上前にアメリカから渡来してきた品種です。日本では「大石早生」に次ぐ第2位の生産量があり、食べやすく育てやすい品種のため人気があります。皮は黄緑色から赤に斑（まだら）が混じった色合いをしていて、熟すと果肉が濃い紅色になります。酸味が強めですが、完熟すると柔らかくみずみずしい食感を楽しむことができます。

ケルシーは重さが150g～200gもある大玉でハートのような形をしているため、他の品種とはっきり見分けがつきます。黄緑色をした見た目から酸っぱそうに思えますが、酸味は少なめで甘いです。果肉は少し硬めで、さわやかな風味を楽しむことができます。元は日本古来の品種で、栽培の難しさから「幻のプラム」と呼ばれ一般にはあまり流通していません。

サマーエンジェルの果実は丸く大玉です。重さは150gもあり、ケルシーの特徴が強く表れています。皮は濃い紅色、果肉は淡い黄色をしています。他の品種に比べると香りが弱いですが、ほんのりとした優しい香りを嗅ぐことができます。

サマーエンジェルの糖度は15～17度です。日本で栽培されている代表的な品種「大石早生」は糖度9～11度、「ソルダム」は糖度11～14度といわれていることを考えると、サマーエンジェルは高い糖度をもった品種といえますね。

皮の部分には酸味がありますが、これが果肉の甘さと絡み合いおいしさを高めてくれます。皮にはポリフェノールなど栄養がたくさん含まれているため、皮のまま食べるとよいでしょう。また、皮の表面についている白い粉は「ブルーム」といい、果実から自然に分泌される天然物質です。食べても問題はありませんが、気になる場合は軽く水洗いするとよいです。

果肉にリンゴ酸やクエン酸が多く含まれているため、疲れた体を回復させる効果が期待できます。また、ペクチンなど水溶性食物繊維が胃腸を整えてくれ、体の中をすっきりさせてくれるでしょう。夏バテをしている時など、積極的に食べるようにするとよいですね。

サマーエンジェルの収穫時期は、7月中旬～８月中旬ごろになります。子供達の夏休み期間中が食べごろと覚えるとよいでしょう。果実が紅く色づき左右対称に丸くなっていて、手に持ったとき重みと張りのあるものが食べごろです。また、熟していると甘くよい香りがします。香りのチェックも選び方のポイントになりますよ。

サマーエンジェルは水洗いして、くし型に切って食べるのが一般的です。冷蔵庫で1～2時間ほど冷やしておくと更にうま味が感じられます。酸味が気になる方は皮を剥くとよいでしょう。熟し過ぎると包丁で切ることが難しくなります。少し硬めのほうが切りやすいです。

1. 果実の中心にある種に当るまで包丁を入れます。
2. 種に当ったら、種に沿ってグルっと切ります。
3. 手で果実を左右にひねって半分に割ります。
4. 種を取り除きます。
5. 半分に割った果実をくし形に切ります。

サマーエンジェルは、みずみずしい果実を生のまま食べるのがよいです。酸味と甘味がしっかり感じられ、旬の味を楽しむことができます。また、熟し過ぎて果肉が柔らかくなったものは、タルトやジャム、ドリンクなどにアレンジすると違う楽しみ方ができますよ。いくつかサマーエンジェルのおもしろい食べ方をご紹介します。

サマーエンジェルを小さく切り冷凍庫で凍らせます。完熟したものが使いやすいです。少し柔らかさが残る程度に凍ったものを、スプーンで潰すとシャーベットができあがります。夏の暑さにぴったりなデザートですよ。

薄くスライスしたサマーエンジェルを焼き菓子に使ってみましょう。生のまま焼いてもよく、ハチミツ漬けにして焼いてもいいですね。やさしい甘みのある素敵なデザートを楽しむことができます。

紅茶の中にスライスしたサマーエンジェルを入れてみましょう。紅茶の中にサマーエンジェルの甘みが溶けてまろやかなお茶を楽しめますよ。香りも一緒に楽しめる一品です。