アピオス(ほど芋)の概要
アピオスは北米原産のマメ科の野菜です。地下で育つ小芋を食します。栄養価が高く、南米アンデス原産のヤーコン、北米原産の菊芋(キクイモ)と共に「世界三大健康野菜」と呼ばれています。原産地である北アメリカでは、古くから栄養価の高さが知られており、当地の先住民族は、アピオスを戦闘食として食べていました。ちなみに日本では、おもに東北地方で生産されています。
国内有数のアピオスの生産地・青森県下北半島では「下北アピオス」という名前のブランド野菜になっているんですよ。
青森県ではアピオスを、昔から自生している「ほど芋」と区別して「アメリカほど芋」と呼んでいるんだ。
アピオスの基本データ
学名 | Apios americana |
科名 | マメ科 |
属名 | ホドイモ属 |
草丈・樹高 | 150cm~250cm |
収穫期 | 10月中旬~11月中旬(地域により異なる) |
アピオスの歴史
前にも触れたように、原産地では古くから栄養価の高い野菜として知られており、先住民族にとっては貴重なエネルギー源とされていました。そんなアピオアスが日本に伝来したのは、偶然の出来事がきっかけでした。明治時代、青森のとあるリンゴ農家が北アメリカからリンゴの苗木を輸入した際、苗木についていた土にアピオスの種芋が混じっていたことから広まったと伝わっています。
現在でも青森県は、国内におけるアピオスの主要生産地です。
アピオスの特徴
特徴①サイズは小さい
食べすぎに注意
地下の塊茎が食用する部分です。直径2cm~8cmほどの小さな小芋が、根にたくさんつくので、それを料理して食べます。ジャガイモとサトイモの中間のような食感で、味は栗のような、ほんのりとした甘味と評されています。サイズが小さいので、どんどん食べられそうですが栄養価が高いので、食べすぎに注意しましょう。
小さいけど栄養価もカロリーも高いから、食べすぎると逆に体調を崩してしまう可能性があるんだよ。
個人差はありますが、1日2個~4個くらいが適量とされています。食べすぎにはくれぐれも注意しましょう。
特徴②つる性植物である
グリーンカーテンに利用可能
アピオスはつる性植物です。地上部のつるはよく伸び、2.5mにまで成長します。また、丈夫で育てやすく、無農薬栽培も可能なことからグリーンカーテンにも利用されています。芋を収穫できることももちろんですが、開花時期にあたる6月~8月に見られる紫色の花も魅力的ですよ。
無農薬栽培が可能なアピオスは、グリーンカーテンにもピッタリな野菜なんだよ。
特徴③花には独特の芳香がある
アピオスは夏に花を咲かせます。紫がかった濃いピンクと、薄いピンクの花びらが重なりあう、かなり特徴的な花姿です。この特徴的な花には独特の香りがあります。「スミレに似た香り」と評されていますが、濃厚な香りのため、「人によって好き嫌いがわかれる」とも評されています。
ただし芋を肥やすために、花はできるだけ早く摘み取ったほうがよいとされています。
それとアピオスの花には、カナブンがよってくるんだよ。カナブンに食害される恐れがあるから、花を早めに摘む必要があるんだ。
特徴④花も食べられる
特徴的な花姿と芳香を持つアピオスの花には、じつは食用可能という大きな特徴があります。食べ方は乾燥させて花茶として用いるのが一般的です。アピオスの花は、芋を肥やすために早めに摘みとる必要があるので、摘み取った花を乾燥させれば効率的に摂取できますよ。乾燥させた花をそのまま用いてもOKですが、軽く煎ると青臭さが消えて、さらに飲みやすくなります。
アピオスの花には、血糖値を抑制する効能があるといわれているんだよ。
花だけではなく、アピオスの実には素晴らしい栄養成分や効能があります。詳しくは次ページの「アピオスの栄養と効能」をご覧くださいね。
出典:写真AC