除草剤の種類
業務用から家庭用までとなると、除草剤の種類は相当数あります。そのため区別しやすいように、成分・剤形・使い方の違いなどから「接触タイプ」「土壌タイプ」「非選択タイプ」「選択タイプ」「即効タイプ」「遅効タイプ」の6種類に分類されます。
種類①接触タイプ
接触タイプは、薬剤に直接触れた部分にだけ効果が現れます。茎葉系(茎葉用処理剤)の多くは接触タイプで、効果の速さと手軽さが人気です。
種類②土壌タイプ
薬剤を土にまき根から成分を吸収させることで効果を発揮するのが、土壌タイプの特徴です。そのため田んぼや畑に使われる製品には粒剤系が多いです。地中に隠れた雑草の芽や根を駆除するため、田植え前や種まき前の農耕地の使用にも適しています。
種類③非選択タイプ
非選択タイプは家庭用製品に多いです。一般的な多年草雑草などの駆除を目的とした製品なので、初めて使う人におすすめです。
種類④選択タイプ
特定の雑草・植物の駆除に特化しています。そのため一般的な除草剤でも駆除が難しいスギナやギスギスなどには、選択タイプの製品がおすすめです。
種類⑤即効タイプ
即効タイプの製品は、効果が現れるまでの速さを重視するときにおすすめです。接触タイプも即効タイプの1種で、早ければ散布した数時間後に効果が出はじめます。
種類⑥遅効タイプ
即効タイプと対なのが、効果がゆっくりと現れる遅効タイプです。葉や茎から薬剤を吸収させる製品の多くは遅効タイプで、雑草全体に薬剤がいきわたるまでに数日~10日ほど時間がかかります。
除草剤・剤形の種類
散布方法の違いを調べるときに注目してほしいのが、除草剤の剤形です。剤形によって効果・使い方・散布方法に特徴があるので、製品の剤形を確認すれば大まかな製品のイメージができます。
剤形①液剤系
液剤系は、水溶剤と呼ばれる除草剤のことです。水溶性の成分を液体化した製品なので、スプレーやジョーロ、噴霧器などで直接雑草に散布します。なお原液を水で薄める「希釈タイプ」と、あらかじめ水で薄めた薬剤を専用のボトルや噴霧器に入れて販売する「ストレートタイプ」があります。
剤形②粒剤系
粒剤系の製品は、粒の大きさによって粒剤・微粒剤・微粒剤Fに分類されます。粒剤系は、液剤系製品で起こりやすいドリフト(漂流飛散)を抑えるために開発されました。なお粒剤系のなかには水に溶けやすい製品もあり、田んぼへの利用にもおすすめです。
粒剤系には顆粒タイプもある
基本的な粒剤系の直径は0.3mm~1.7mmですが、さらに直径が小さいのが微粒剤・微粒剤Fで、一般的には顆粒タイプと呼びます。顆粒タイプは粒剤系と粉末系の中間サイズとして開発され、両方のいいとこどりをしているのが特徴です。なお土壌タイプによく使われるため、田んぼや畑などの利用におすすめです。
粒剤系除草剤の特徴
粒剤系の製品は、家庭用より業務用の方が種類は豊富です。さらに効果が長持ちする点も粒剤系の特徴です。そのため農耕地や空き地など面積の広い場所の除草に適しています。
ドリフトしにくい
田んぼや畑など農耕地では作物の栽培をしているため、誤って作物に薬剤が付着し枯れてしまうと大問題です。その点粒剤系製品はドリフトしにくいため、農耕地への利用におすすめです。
液剤系除草剤の特徴
直接雑草に散布する液剤系製品は、庭やコンクリートの隙間に生えた雑草など、限られたスペースに使うときにおすすめです。容器もコンパクトで使いやすく、価格も手ごろなので、家庭用としてもよく使われます。
茎葉タイプが多い
粒剤系は土壌に散布し根から成分を吸収し雑草を枯らすのですが、液剤系は雑草に直接散布し、葉や茎から成分を吸収させます。そのため液剤系製品は茎葉タイプ(茎葉用除去剤)に多いです。
次のページでは、除草剤の選び方や適用表の見るべきポイントなどを解説します。