【剤形別】使い方・選び方・散布方法
使い方・選び方・散布方法は、除草剤の剤形によっても変わります。そこでここからは剤形別にそれぞれのポイントを解説します。
粒剤系の使い方・選び方・散布方法
土壌タイプの製品に多い粒剤系は、ドリフトしにくいのが特徴です。そのため農耕地用には粒剤系の製品が多く、業務用もあります。
粒剤系の選び方
「時間がかかってもきちんと駆除したい」「できるだけ使用頻度を減らしたい」という場合は、粒剤系の製品を選ぶのがおすすめです。
粒剤系の使い方
粒剤系の場合は、土に撒いて使います。ただし草丈が30cm以上ある場合は、除草剤を撒く前に草丈が30cm以下になるよう草刈りをします。
粒剤系の散布方法
土に撒き根から成分を吸収させて枯らす粒剤は、土に水分が多く含まれた状態で散布します。晴れた日でも水まき後なら散布してもよいですが、雨の日や雨上がりのタイミングで行うと水まきの手間がかからないため効率的です。
液剤系の使い方・選び方・散布方法
使いやすく即効性がある液剤系製品は、家庭用製品に多いです。ただしそのまま使う「ストレートタイプ」と水で薄める「希釈タイプ」があり、それぞれで選び方・使い方が変わります。
液剤系の選び方
液剤系の場合は、ストレートタイプと希釈タイプのどちらを選ぶかがポイントです。ちなみに狭い範囲の除草ではストレートタイプ、広い面積に使う場合は希釈タイプがおすすめです。
液剤系の使い方
ストレートタイプ・希釈タイプともに雑草へ直接液剤を付着させる必要があるため、散布中に液剤がドリフトしやすいです。そのため除草予定のない場所には、あらかじめカバーをかけるなどの対策をするのがポイントです。
液剤系の散布方法
葉や茎に直接液剤を付着させないと除草の効果が出ない液剤系製品は、晴れた日に散布するのがポイントです。なお雑草が雨でぬれていると液剤がつかないため、雨の日は避けましょう。
顆粒系の使い方・選び方・散布方法
粒剤系と液剤系のいいとこどりをしているのが、顆粒系の特徴です。液剤よりもドリフトしにくく、粒剤系より効果が速いので、業務用・家庭用ともにおすすめです。
顆粒系の選び方
顆粒系製品は粒剤系と液剤系の中間のような存在なので、「液剤系のドリフト対策がめんどう」「粒剤系よりも効果が速いものが欲しい」という場合におすすめです。
顆粒系の使い方
基本的な使い方は粒剤系とほぼ同じです。ただし粒のサイズが小さい分、強風だと風にあおられドリフトする場合があります。そのため作物にカバーをかけるなど、事前対策をしておくのがおすすめです。
顆粒系の散布方法
散布方法も基本的には粒剤系と同じです。ただし粒が小さい分、粒剤系よりも効果が速く表れます。また草丈が30cmを超える場合は、あらかじめ草刈りをしてから散布するようにしましょう。
除草剤のコストを見直すには?
定期的に使用することで効果の持続が期待できる除草剤ですが、使い続ける前提で考えれば製品を購入するコストが気になります。そこでコストカットのポイントをまとめました。
ジェネリック製品を使う
病院で処方される医薬品にジェネリックがあるのと同じように、除草剤にもジェネリック商品があります。正しくは除草剤に含まれる薬剤のジェネリックのことなのですが、価格はジェネリックの方が先発品より安いです。
ジェネリックの成分や残効は?
ジェネリックで使われる農薬の成分は、先発品の成分と同じです。ジェネリックは後発品ですが成分そのものは先発品と同じなので、除草の効果も残効も先発品と変わりません。
液剤系を希釈タイプに換える
狭い範囲の除草が多い家庭用製品は使いやすいストレートタイプが多いですが、除草の面積が広い場合は希釈タイプの方がコストがかかりません。また希釈タイプは薄める水の量を調整することでスギナやギスギスなどにも対応できるので、非農耕地専用の製品も人気です。
登録なし製品を検討する
農耕地・非農耕地用にかかわらず、農林水産省へ農薬登録をしている登録済み製品は価格が高い傾向があります。登録までにかかる研究費や登録料が価格に上乗せされるのが原因なので、登録なし製品を使えば上乗せ分がないため価格も安いです。
登録なしでも安全なの?
「登録なし=農薬の登録がない製品」ということなので、農薬を使うリスクと比べれば安全です。ただし非農耕地用には登録なしもありますが、農耕地用には農薬が使われるため、登録なし製品はありません。そのため登録なし製品は非農耕地用であることを理解しておきましょう。
まとめ
除草剤には成分や種類だけでなく、使い方・使える場所・価格等もすべて製品によって違います。もちろん初心者にも安心して使える家庭用製品もありますが、どのタイプを選ぶ場合も製品説明をよく読み正しく使うことが、除草の効果を高めるポイントです。