薬剤消毒
安定性がありコスト面からも一般的なのが、消毒剤や農薬を使用した土壌消毒です。元々はメチルを主流にした薬剤を投与していましたが、国際的な締結により撤廃の機運が高まり、日本国内でも廃止となりました。その後、臭化メチル代替技術が普及され現在の主流となっています。
エタノールによる土壌消毒
今注目なのが低コストな土壌消毒です。「エタノール」という薬品を利用し土壌を殺菌する方法があります。一般的には医療用での使用頻度が高い薬品とされていますが、その成分は土壌への高い消毒効果も期待でき、しかも濃度1%程度にまで薄めたとしても、十分な消毒効果がうかがえるメリットも備えているのです。低エタノールの土壌消毒後は、農業用ビニールシートで土壌を覆い、2週間の期間はそのままにしておきましょう。
生物での消毒
他にも生物による土壌消毒という方法もあります。これはとくにセンチュウと呼ばれる害虫を駆除するために効果が期待できるとされ、センチュウの対抗作物される植物を、あえて植え付けるという方法です。主な対抗作物としてはイネ科、マメ科、キク科の属する種をまいて育てます。ただし品種によってはセンチュウ減少に差があるため、選定する場合には事前によくリサーチしておくようにしましょう。
土壌消毒の手順
土壌消毒にいくつかの種類があることは先述しましたが、では、それらは具体的にどのような方法で行うのでしょうか?ここでは、土壌消毒の各種方法についてご紹介していきます。
太陽熱消毒による手順
太陽熱消毒をする手順は、土壌に農業用のビニールマルチを準備します。畑を全体を覆うビニールマルチは、隙間がなるべくできないようにびっちりと張ることがポイントです。そこへ自然と太陽熱が集まることによって土壌を50℃以上の状態にし殺菌します。
太陽熱消毒を行う時期と期間
太陽熱による土壌消毒は、病原菌の他に虫、センチュウ類、雑草の種子も抑制してくれます。コスパも高いのでポピュラーな方法です。時期としては、7月中旬~8月下旬くらいがベストでしょう。年間で最も暑い頃が適しています。期間は20〜30日間を目安にします。
手順①施肥・畝立て
太陽熱消毒の手順、その第一歩は全体をよく耕しながら、次作に向けた「畝立て」をします。畝立ては畑の土を細長く盛り上げ水はけをよくします。その際は石灰窒素も施用すれば、畑の地熱が1~2℃ほど上昇することが期待できます。
手順②水分を含ませる
畝立てと施用が済んだら、地中へ熱伝導を効率よくするために、畑全体へ十分な水を貼っていきます。水はけの悪い土壌でもなるべく水をいきわたらせるようにしましょう。湛水する際は畝が沈む程度に入れておきます。
手順③ビニールマルチをかぶせる
畑に水を張ったら、ビニールマルチで地表面を覆います。なるべくなら真新しいマルチが望ましいのですが、使い古しを再利用するようなら破れ目を必ずふさいでおきましょう。ポイントは、畑全体をびっちりと隙間なく張り詰めることです。酸素が入ると効果が落ちてしまいます。