土壌還元消毒の手順
土壌還元消毒をする手順は、畑に有機物を混入させて湛水(たんすい)をします。堪水とは畑に水を張ることです。有機物としてはフスマや米ぬかなどを利用します。その上で太陽熱消毒と同じようにビニールマルチで全体を覆って完了です。
有機物を使う理由
堪水や有機物の混入が済んだら、ビニールをぴったり隙間がないように被せることがポイントです。微生物がフスマや米ぬかなどの有機物をエサにして増殖し始め、活動量とともに酸素の消費も増やすようにします。しかしビニールマルチで覆っている土壌の中なので限られた酸素しか共有できず、やがて窒息して死滅します。時期は6〜9月ごろに行い、気温20℃以上で晴れ続きの日を狙いましょう。
手順①有機物を混入する
土壌還元消毒の手順も太陽熱消毒の手順とほぼ同じです。ただし最初に畑へ有機物を入れるところからスタートします。米ぬかやフスマといった分解されやすい有機物をまんべんなく畑に撒いておきましょう。
手順②水を張る
有機物を混入させたら畑全体へ水を張りましょう。これも太陽熱消毒と同じように、まんべんなくすっかり水浸しになるよう灌水させるというのがポイントになります。少しやり過ぎかなと思うくらいがちょうどいいくらいです。
手順③ビニールマルチで覆う
水を張り終えたら、ビニールマルチを畑全体へ覆えば完了です。この場合も、しっかり隙間を与えないように張ることがポイントに。空気が入ってしまうとせっかくの土壌消毒が台無しになってしまいますので、ビニール張りは慎重に行うようにしましょう。
土壌消毒剤による手順
農業用の薬剤による土壌消毒を行うには、目的に合わせた薬剤選びをすることが手順の一歩です。特に土壌消毒剤は、土壌の中でガス化することから、人体への影響も多少考えられます。薬剤使用に関する注意事項を把握した上で行うように心がけるようにしましょう。
病害虫や雑草の駆除
一般的なカビ(糸状菌)を主体とした病原菌、害虫、雑草への対策としては「クロルピクリン」という薬剤が最もポピュラーです。他にもバスアミド微粒剤、ガスタード微粒剤、 ダブルストッパーといった種類の薬剤が市販されています。どれを選んでも効果が期待できますが、やはり事前に取り扱い方をよく理解したうえで活用することが大切です。
センチュウ類や雑草の駆除
土壌消毒でセンチュウ類を駆除してくれる薬剤は、最も品種が多くバスアミド微粒剤、ガスタード微粒剤のほかにも、「D-D」「テロン」といったものも効果的です。刺激や臭いなども低い設定で安全性を考慮しています。ただし最大要水量60%以上の水量と耕起が必要になってきます。
手順①薬剤注入
太陽熱消毒や土壌還元消毒とやや異なるのが薬剤を投与する方法です。手順としては、畑の約30cm間隔くらいで、15cm程度の深さまで1穴あたり1.5~5mL目安で薬剤を注入します。
手順②ビニールマルチで覆う
畑全体へ薬剤を撒いたら、ビニールマルチで全体を覆います。この場合もビニールに穴が開いていないことを確認しておきましょう。万が一開いたままでは、薬剤の効果が落ちたり不要なガスが漏れてしまうので注意が必要です。
手順③ガス抜きを行う
土壌消毒後に所定の日数が経過したら、必ず不要になったガス抜きのために、まんべんなく耕うんを行っておきましょう。この段階では、もう薬剤のガスは必要なくなります。
まとめ
農作物の生産にて、連作障害はなかなか最新技術でも完全に避けられない課題となっています。同じ作物を同じ畑で作り続けることのリスクも考えながら、定期的な頻度で土壌消毒をしていくことが大切です。コスト面や管理の手間などのこともあります。いくつかの方法の中で、どれが一番自分にとってやり易いのかを考慮しておくようにしましょう。