大島桜の育て方
大島桜は、暖かな沿岸部に自生する樹木のため、潮風に強く丈夫で育てやすい品種です。街路樹や公園樹に用いられることが多いですが、自宅で育てることもできます。地植えもできますが、特に管理しやすい「盆栽」がおすすめです。桜を枯らさないために植え方に注意し、害虫対策をしっかり行いましょう。大島桜の育て方のポイントを解説します。
育て方①植え方
苗木の植え付けは11~12上旬、または2月下旬~3月上旬に行いましょう。霜や冷たい風に当たると株が弱ってしまうため、寒い時期を避けて植え付けます。地植えする場合は、深さ50cm程度の植え穴を掘って根についている土を崩さないように植えます。植え方のポイントは、生長したときのことを考え広いスペースのある場所を選ぶことです。鉢植えの場合は、苗木より1周り以上大きい鉢に植え付けます。
育て方②用土
自宅の庭に地植えする場合は、植え付ける2週間ほど前に植え穴を掘って、腐葉土や堆肥を土に混ぜておきましょう。鉢植えの場合は、小粒赤玉土4:腐葉土3:黒土3程度の割合がおすすめです。排水性と保水性もあるバランスのよい肥沃な土を好みます。
育て方③水やり・肥料
地植えは、降雨のみで水やりの必要はありません。鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。特に5~7月の生育期は水を多く必要とするため、土の状態をよく見て朝のうちに水やりを行います。また、肥料は植え付けの際に緩効性化成肥料を堆肥に混ぜておくとよいでしょう。花後に緩効性化成肥料を施し、2~3月に油カスなど有機質肥料を施すと翌年の花つきがよくなります。
育て方④剪定
大島桜は、地面近くから細い枝がほうきのように生える性質があります。もともと日本原産の桜は剪定に弱い樹木です。剪定し過ぎると弱ってしまうため、株元の細い枝や不要な枝を切る程度でよいです。剪定は、葉が落ちている12~3月上旬の休眠期に行います。太い枝を切ったときは、切り口から病原菌が入らないように融合剤や接ぎロウを塗るようにしましょう。
育て方⑤病気・害虫
大島桜を栽培する際には「でんぐ巣病」と「アメリカシロヒトリ」に注意が必要です。でんぐ巣病は、枝の一部がコブのように膨れる伝染病です。一度かかると回復が難しく、他の樹木にも被害を及ぼすことがあるため枝を根元から切り落としましょう。また、アメリカシロヒトリの幼虫が枝に巣をつくると葉を食べてしまいます。1週間おきにオルトランなどの薬剤を散布して駆除しましょう。
害虫対策は、桜を上手に育てるために欠かせない作業です。幼虫を見つけたらすぐに駆除しましょう。
まとめ
桜の咲く季節は、心が弾むような明るい気持ちになりませんか?大島桜は「見る・香り・食べる」の3つの楽しみ方ができ、春の息吹を全身で感じられる桜です。桜餅を味わいながら、太い幹に純白の花を咲かせる大島桜を眺めてみましょう。
鉢植えは、根詰まりを起さないように2~3年に1回植え替えをしましょう。12~2月に1周り大きい鉢に移します。