坊ちゃんかぼちゃの育て方【特別な管理】
坊ちゃんかぼちゃの栽培で大切なのが「剪定」「誘引」「仕立て」です。坊ちゃんかぼちゃは、親づる1本を伸ばしていく「1本仕立て」か、子づる2本を伸ばしていく「2本仕立て」がおすすめです。剪定や誘引の仕方が異なるため、それぞれやり方をみていきましょう。
ボタニ子
剪定
1本仕立ての場合
本葉が7~8枚になるくらいまで育ったら、親づる1本を残して脇芽を全て摘み取りましょう。親づるから伸びてくる子づるは、その都度摘心してください。1~8節目までに咲いた雌花は大きくならず、残しておくと株が弱る原因になるため摘み取りましょう。一番果がついて以降は子づるの発生は少なくなるため、摘芯せずに放置して構いません。
2本仕立て場合
親づるの葉が5~6枚になったら、まずは親づるの先端を摘芯しましょう。親づるの摘芯後、子づるが勢いよく伸び始めます。元気で力強い子づるを2本残して、残りは手やハサミを使って摘み取ります。残した2本の子づるから発生するつるに雌花がつき始めたら、1本仕立てのときと同様に8節目までは全て摘み取ってください。
仕立てと誘引
仕立て方はたくさんありますが、鉢植えなら「あんどん仕立て」と地植えなら地面に這わせる「2本仕立て」が簡単でおすすめです。それぞれやり方を見ていきましょう。
あんどん仕立ての場合
つるが伸び始めたら仮支柱を外し、株を囲むようにして90cm以上の支柱を4本立てます。つるがまきつく場所を作るために、支柱どうしをひもでぐるっと囲み固定させます。20~30cmの幅をあけて3カ所ほど固定してください。1週間に1回を目安に伸びたつるをひも部分に巻き付け誘引していきましょう。
ボタ爺
支柱を立てるのが難しく感じるなら、リング付きのあんどん仕立て用支柱を使うと簡単じゃぞ!
2本仕立ての場合
地植えで2本仕立てで育てる場合は、長くて太めの支柱や物干しざおなどを使いましょう。つるを伸ばしていきたい方向に支柱や物干しざおを横に倒して置きます。1週間に1回を目安に、伸びたつるを支柱や物干しざおに巻き付け誘引してください。
坊ちゃんかぼちゃの育て方【開花~保存】
人工授粉
坊ちゃんかぼちゃは人工授粉しないとなかなか結実しません。かぼちゃには「雄花」と「雌花」があり、咲く時期にはばらつきがあるため、タイミングよく風や蜂などが花粉を運ぶのは難しいからです。広い畑にたくさん植える場合を除いて、忘れずに人工授粉しましょう。
人工授粉のやり方
雌花と雄花が咲いたときが人工授粉のタイミングです。雄花を茎から切り取り、雄しべを雌花の中心にある雌しべにこすりつけましょう。9節目以降に果実をつけるとよく育つため、9節目以降の雌花にのみ受粉作業してください。受粉後に気温が上がると成功率が上がります。受粉作業は午前中に済ませるのがポイントです。
ボタ爺
雨だと花粉が流れてうまく受粉できんぞ!気温が高いほうが成功率が高いから、お天気の日に済ませるんじゃよ!
摘果
坊ちゃんかぼちゃがピンポン玉の大きさに成長したころに、成長のよくないものを摘果しましょう。受粉成功率が高くたくさんの果実がなった場合、全てを育てると全体的に生育不良の小さなかぼちゃしか採れません。ひとつのつるに1~2個の果実がなるように調整しながら摘果してください。
収穫のタイミング
坊ちゃんかぼちゃの収穫時期は、受粉後40日~50日経ったころです。ヘタ部分が茶色く枯れ、果実が艶やかな緑色をしているものが成熟しています。収穫が早すぎると甘みが少なく水っぽくなってしまうため、しっかりと見極めて収穫しましょう。
果実の色が部分的に黄色いのですが、収穫してもよいのでしょうか?
坊ちゃんかぼちゃは鮮やかな緑色をしていますが、日があたらなかった部分は黄色やオレンジ色に変色します。果実が大きく育ち、ヘタ部分が枯れていれば収穫して構いません。
収穫の仕方
坊ちゃんかぼちゃの収穫方法はとても簡単で、ヘタ部分をハサミやナイフで切るだけです。中にはとても硬いものもあるため、ケガには十分注意しましょう。
保存方法
坊ちゃんかぼちゃは、収穫後長く保存ができます。採れたてのものはデンプンが多くあまり甘くないため、保存を兼ねて追熟させるのがおすすめです。10℃前後の風通しのよい場所で保管しましょう。1カ月ほど経つとデンプンが糖に変わって甘みが強くなり栄養価もアップします。保存期限は3~4カ月です。
保存していたらヘタ部分が腐ってしまいました。なぜでしょう?
ヘタに水分が多く残っていると保存時に腐ることがあります。収穫後ヘタが水っぽい場合は、風通しのよい日陰に1週間ほど置いて、ヘタを乾燥させてから保存しましょう。
坊ちゃんかぼちゃを育てておいしく食べよう!
坊ちゃんかぼちゃは見た目がかわいいだけでなく、甘くて食べやすい魅力的な野菜です。手間はかかりますが難しい工程はなく、育て方が簡単なのも嬉しいポイントです。坊ちゃんかぼちゃの種や苗が手に入ったら、楽しく育てておいしく食べてみてくださいね。
- 1
- 2
鉢植えで支柱やあんどん仕立てにするなら「1本仕立て」、地植えで地面に這わせるなら「2本仕立て」が手入れしやすくておすすめだよ!