ズッキーニは、1980年頃に日本で普及した比較的新しい野菜です。味にクセがなく幅広い系統の味付けによく合い、家庭菜園で育てられる夏野菜として人気があります。
園芸部類 | 野菜 |
形態 | 一年草 |
樹高 | 50cm~2m |
花の色 | 黄色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | やや強い |
耐陰性 | 弱い |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
ズッキーニは緑色で細長く、イボのないキュウリを一回り太くしたような外見をしています。ズッキーニの旬は6月~9月で、大きくなりすぎると食感が悪くなるため、未熟な状態で実を収穫して食べる野菜です。
ズッキーニ(Zucchini)はイタリア語で、意味は「小さなカボチャ」です。一見キュウリのような見た目をしていますが、ズッキーニは日本の金糸瓜と同じカボチャの仲間です。
グリーントスカは一般的なキュウリ型で、緑色のズッキーニです。つるが伸びないので場所を取らず、丈夫で育てやすい品種です。家庭菜園におすすめです。
緑色のズッキーニは熟すと黄色になりますが、オーラムは未熟なときから黄色のズッキーニです。緑色のズッキーニに比べて味が淡白で、皮が薄めで柔らかい品種です。
ゴールディーは丸型のズッキーニで、光沢のある黄色をしています。柔らかくクセのない味です。病気に強く、育てやすい品種です。
グリーンエッグは、薄緑色の丸型ズッキーニです。丸型ズッキーニの中でも豊作種でたくさん実がなります。
植え付け時期 | 4月~5月(一般地) |
花が咲く時期 | 5月~8月 |
実がなる時期 | 6月~8月 |
収穫時期 | 6月頃から育ったものを順次収穫 |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け 植え替え |
○ | ● | ● | ○ | ||||||||
開花期間 | ○ | ● | ● | ○ | ||||||||
肥料 | ○ | ● | ● | ● | ○ | |||||||
成長期 | ○ | ● | ● | ● | ● | ○ | ||||||
休眠期 |
ズッキーニは日本全国で栽培が可能ですが、寒さに弱いので植え付けと収穫の時期は地域によって異なります。
地域(平地基準) | 植え付け | 収穫 |
寒冷地(北海道、東北) | 5月~6月 | 7月~9月 |
一般地(関東、中部) | 4月~5月 | 6月~8月 |
暖地(西日本以西) | 3月~4月 | 5月~7月 |
ズッキーニは、露地栽培でもプランターや10号くらいの植木鉢でも育てられます。プランターなどで栽培する場合は1苗ずつ植えますが、複数の株を一緒に育てたほうが容易に受粉します。
ズッキーニは日向で風通しのよい場所を好みます。半日陰でも大丈夫ですが、西日だけが当たるような場所では日照が足りなくなる可能性があるので避けましょう。
ズッキーニはウリ科の野菜の中では、比較的連作障害が出にくい品種す。しかし毎年栽培した場合は、同じ場所での植え付けは、1年は空けたほうがよいでしょう。ズッキーニでなくても、同じウリ科の野菜を1年以上育てていない土を使用してください。
露地栽培の場合は畝(うね)を作って水はけをよくするのがおすすめです。また、ズッキーニはつるは長く伸びませんが、葉が大きいので畝の間隔も広めにとります。畝の高さは15cm~20cmほど、畝幅は100cm~120cmのものを作りましょう。
ズッキーニには、弱酸性の土が適しています。プランターや植木鉢の場合は市販の野菜用培養土で問題ありません。露地栽培の場合は植え付けの2週間前に石灰を混ぜ込み、よく耕しておきましょう。植え付けの1週間前には堆肥や野菜用の肥料を混ぜ込みます。
ズッキーニは葉が大きく育つので株間は80cm~100cmで1列で植えます。
ズッキーニを種から育苗して植え付ける場合は、育苗用のポットなどに種をまきます。育苗してから定植するタイミングは、本葉が5枚程度になったときです。種まきから30日前後が目安です。
ズッキーニを直まきで育てる場合は、苗を植え付けるよりも早めに種をまく必要があります。寒冷地では4月~6月、一般地と暖地では4月~5月が適期です。発芽温度は25℃以上なので、直まきすると収穫期は後ろにずれ込みます。
ズッキーニの株間は70cm~100cmで、種の数は4個~5個ずつまきます。
ズッキーニを直まきする場合は、まいたあとで土をかぶせて軽く押さえて水を与えます。そのあと、ホットキャップをかぶせておくとよいでしょう。3日~5日ほどで発芽するので、本葉が1枚~2枚になったら2本に間引きます。その後、3枚程度になったら1本だけ残して間引きます。
ズッキーニは育成の初期に肥料が多いと病害虫の原因になったり、葉ばかりが育ってしまったりするので、元肥は控えめにしましょう。
ズッキーニは、収穫期に入る前は土が乾いたらしっかり水やりをして、与え過ぎには注意しましょう。収穫最盛期になるとズッキーニはそれまでより水を必要とするので、土の様子を毎日観察して水やりします。
ズッキーニの株は、茎や葉を横に広げながら上へ成長するので、風や果実の重さで途中で折れることがあります。それを防ぐために、株元に太くてある程度の強度がある50cmほどの支柱を立てておくとよいでしょう。
ズッキーニを植え付けた後には、マルチングや敷き藁(わら)をすると雨の跳ね返りによる病害虫の被害を予防になり、乾燥も防げます。
ズッキーニの追肥は、収穫期の一番果(最初の実)の収穫から開始します。2週間に1回程度の間隔で粒状肥料を与えます。
ズッキーニは基本的にミツバチが花粉を運んでくれますが、ミツバチがいないような環境では人工授粉をしましょう。時間は朝9時~10時の間には済ませましょう。開花して間もなくのほうが、花が新鮮で授粉能力が高いため、結実の確率が高まります。手順は以下のとおりです。
ズッキーニは特に剪定というほどのことは必要ありません。風通しよく管理するために古い葉や病気の葉は早めに取り除きましょう。また、ズッキーニの実を収穫したらその実の下についている葉を取るという方法もあります。
ズッキーニの実がつかなくなるのは肥料切れが原因であることが多いです。収穫期に入ったら2週間に1回は肥料を与えましょう。また、収穫できるようになった実をきちんと収穫し、栄養分をほかの実にいきわたらせることも大切です。
受粉がきちんとできてない可能性があります。確実に受粉させるには人工授粉がおすすめです。
モザイク病は、葉や実にモザイク模様や奇形がでる病気です。5月~8月に発生しやすいです。虫が媒介する病気なので、害虫対策をすることで予防できます。
葉や実に白い粉状のカビがつく病気です。6月~8月に発生しやすく、発生したらその部位を取り除きます。過湿を避けて風通しのよい場所で管理することで予防できます。
その他の病気 | |
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軟腐病 | 葉や実が褐色に変色して腐るので、発生したら部位を取り除き畑の外で処分します。マルチングをすることが予防になります。また、害虫が媒介するので害虫予防をしましょう。 |
葉を食べる体長8mm程度の茶色い甲虫です。ズッキーニの育成初期に寒冷紗をかけておくと予防になります。
ガの幼虫であるイモムシが葉を食べます。育成初期に寒冷紗をかけることで卵の産みつけを防ぎましょう。
その他の害虫 | |
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アブラムシ | 小さな虫が葉やサヤに群生して吸汁加害、モザイク病を媒介する |