二十日大根はラディッシュとも呼ばれる、手のひらサイズのダイコンです。夏や冬など、極端な温度変化は苦手ですが、春~秋までほぼ1年を通して栽培が楽しめます。栽培難易度が低く、家庭菜園初心者にも育てやすい野菜です。
園芸部類 | 野菜 |
形態 | 一年草 |
樹高 | 15cm |
花の色 | 黄色 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや弱い |
耐陰性 | 弱い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
二十日大根は種まきから収穫を迎えるまでの期間が20日程度と短く、管理がしやすい特徴があります。収穫せずに放っておくと、やがてとう立ちして白い花が咲きます。収穫時期を逃さないのが管理のコツですが、花を咲かせてみるのもよいですね。
日本名である「二十日大根」は、種をまいてから20日で収穫できるダイコンの仲間に由来します。英語名の「ラディッシュ」は、根という意味を持つラテン語「radix(ラディクス)」が由来です。
ニューコメット
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コメットは、赤くて丸いフォルムが特徴的な二十日大根です。葉が広がりにくくプランターなどの狭い場所でも栽培が楽しめます。種をまいてからおよそ20日後、2cmほどの直径になったら収穫してください。
雪小町
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雪小町は、長さが10cmほどと、二十日大根の中では大きめサイズが特徴的です。直径が2cmほどに成長したら収穫しましょう。収穫までの目安は暖地では20日前後ですが、寒冷地では50日前後と栽培地域により異なるので注意してください。
種まきの時期 | 3~5月、9~10月 |
収穫時期 | 4~11月頃 |
二十日大根は温暖な地域であれば年間を通して栽培できますが、発芽に必要な温度は15~25℃で、比較的涼しい気候のときが栽培に適しています。二十日大根は、気候が安定しやすい春または秋に種まきを行うのがよいでしょう。
二十日大根はプランター栽培が可能です。その際は、深さが15cm以上で長方形のプランターを用意しましょう。プランター栽培はベランダや室内でも場所を取らずに楽しめます。
畑を作って栽培する場合は、種をまく3週間前からたい肥や石灰を入れて土づくりをはじめましょう。土の酸度は5.5~6.5が望ましいです。しっかり耕して、種まきの1週間前に元肥を加えて畝立てをしてください。
二十日大根は、室内・屋外ともによく日が当たる場所で栽培管理を行います。プランターに種をまいた直後も、日当たりと風通しがよいところで管理しましょう。
二十日大根を同じ場所で栽培し続けると、病気の発症や大きく育たないなどの連作障害を引き起こす可能性があります。同じ場所での作づけは、2年以上あけてから行うようにしましょう。
二十日大根の栽培には高さが約10cm、幅は約40cmの畝を作ります。種をまく1週間前に畝立てをしてください。水はけがよくなり、よりおいしい二十日大根が育てられますよ。
用土を自分で作る場合は、赤玉土とバーミキュライトと砂を6:3:1の割合で配合します。これに化学肥料と石灰を10Lに対して10gあわせて用土を作りましょう。土作りを行う2週間ほど前に、苦土石灰やたい肥をまいて土壌を改善してください。初心者やプランターで栽培を行う場合は、販売されている野菜用の培養土がおすすめです。
二十日大根が発芽して双葉ができたら、1cmほど間隔があくように間引きます。葉の数が3枚くらいに増えてきたら、3~5cmほどの間隔があくように再び間引きをしてください。間引きした後は土を寄せて、苗を安定させましょう。
二十日大根は種をまいてから収穫までの期間が短いため、発芽してすぐに栄養を補えるようにしっかり元肥を施してから作づけしましょう。追肥がなくても育ちますが、肥料が足りないと葉の色が悪くなったり、生育不良になったりします。生育が悪いと感じたら、液体肥料を1週間に1回施してください。
二十日大根の種をまいてから発芽するまでは、乾燥しないようにしっかり水やりをしてください。その後、露地栽培の場合は降雨に任せますが、何日も乾燥が続く場合はたっぷりと水やりをしましょう。プランター栽培は、土の表面が乾燥してきたらたっぷりと水やりをします。水分量が多いと身割れを起こすので気をつけましょう。
マルチングは必要不可欠ではありませんが、雑草が生えにくくなったり防寒対策ができたりと便利です。マルチングを取り入れる場合は、畝を立てたときに張りましょう。
違う野菜を育てていた場所で二十日大根を栽培する場合は、元肥を控えて追肥を行います。元肥を入れて土を作り栽培を始めた場合は、追肥がなくても大丈夫です。葉の色が悪く元気がない場合に液体肥料を与えましょう。
葉が黄色くなる場合は、肥料やカルシウムの不足などが考えられます。土の酸度が適正かもチェックしましょう。化学肥料や油かすを与えて、様子を見てください。
二十日大根を同じ場所で育て続けると連作障害を引き起こし、実ができないことがあります。栽培環境を見直してみてください。また、真夏の暑さが苦手です。夏に種まきしても実ができないことがあるでしょう。
二十日大根の実が割れてしまう原因は、収穫が遅れてしまったことや株間が狭くて十分に育たなかったことが考えられます。また、水分量が多いことでも実割れを起こします。育て方を見直してみましょう。
立枯病は、カビが原因で起こる病気です。葉が黄色くなり、最終的には枯れてしまいます。病気が広がらないように株を抜き取り、土は薬剤をまいて殺菌してください。
白サビ病は、カビが原因で起こる病気です。株間が狭くて風通しが悪いと起こりやすく、葉の裏側に白いポツポツが、葉の表面には黄色い点ができます。葉を食べても問題ない病気ですが、発見次第すぐに薬剤をまいて対策しましょう。
その他の病気 | |
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軟腐病 | 高温多湿の環境で発生しやすく、異臭を放ちドロドロに溶ける。すぐに抜き取り、土に薬剤をまいて対処。 |
菌核病 | 真っ白な綿状のカビが全体を覆う。すぐに抜き取り薬剤で土を殺菌。病気を引き起こした場所では、連作による栽培は避ける。 |
ダイコンハムシは、おもにダイコン類の野菜につきやすい害虫です。10cm程度の小さい虫で、葉や根を食べてしまいます。見つけたら補殺するか薬剤をまいて退治しましょう。薬剤はあらかじめまいておくことで、防虫効果が期待できますよ。
ネキリムシは植物の根を食べてしまう厄介な害虫です。根が食べられた植物は、たちまち枯れてしまいます。土の中から出てくることが少ないため退治が難しいですが、タイミングを見計らって駆除するか、薬剤をまいて退治しましょう。
その他の害虫 | |
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アブラムシ | 小さな虫が葉やサヤに群生して吸汁加害する。モザイク病を媒介するため注意。 |
コナガ | アブラナ科の植物につきやすい小さな蛾。とくに幼虫は葉に潜り込み、成虫になるまで葉を食べつくすので注意。 |
ヨトウムシ | 夜に葉を食べる習性がある。作づけの際に防虫ネットでトンネルを作り、卵を産めない環境を作るとよい。 |
アオムシ | モンシロチョウの幼虫。放っておくと株全体が食べられ、葉脈だけが残ります。防虫ネットでトンネルを作り、卵を産めない環境を作るとよい。 |
カブラハバチ | アブラナ科の植物につくハチの幼虫。アオムシ同様に株全体を食べる。防虫ネットで卵を産めない環境を作り、発見しだい退治する。 |
種まきは20cmくらいの深さの溝を作り、間隔が20cmはあくようにして条まきします。種をまいたら、ごく薄く土をかぶせて水やりしてください。プランターで栽培する場合も同様に溝を作って種をまきます。水切れに気をつけて、日当たりのよい場所で管理しましょう。
二十日大根の種が発芽するのに必要な温度は15~25℃です。できるだけ暖かい環境を用意してください。種をまいてからおよそ1週間で発芽します。発芽したら定期的に間引きをして、強い苗に育てましょう。
二十日大根は茎が太くてまっすぐ伸びている苗を育てます。間引きの際にはよく見極めて、育ちが悪いものや虫の被害にあっているものを抜き取り、丈夫な苗を育てましょう。