コナガとは?
コナガとはあまり耳慣れない名前ですが、農家の方や家庭菜園を楽しんでいる方にとって、無視できない害虫です。コナガはほかの多くの害虫と異なる特徴を持つため、対策の難しい害虫でもあります。本記事では、コナガがどのような害虫で、どうやれば被害を防げるのかをご紹介します。
コナガの基本情報
名前 | コナガ(小菜蛾) |
分類 | チョウ目コナガ科コナガ属 |
生息範囲 | 日本全国(西アジア原産) |
活動時期 | 春~秋(暖地では1年中) |
生育サイクル | 16日前後(年10~12回繁殖する) |
成虫の体長 | 10mm前後 |
幼虫の体長 | 老齢幼虫で10mm程 |
コナガの特徴
コナガにはいくつか特徴があります。そしてそんなコナガの特徴が、農家の方や家庭菜園を楽しむ方々にとって、無視できない理由にもなっています。コナガの持つ特徴をご紹介しましょう。
①成虫の移動力の高さ
コナガは西アジアの地中海原産といわれる害虫です。成虫は気流に乗ることで1,000km以上移動できるといわれ、現在では南極を除くすべての大陸で生息しています。まさに全世界で猛威を振るう大害虫の1つになっているのです。
②寒さに弱い
コナガの特徴の1つに寒さに弱いという点があります。そのため東北や北海道では冬を越せません。しかしコナガはその機動力を発揮して、春先早々には北海道まで渡ってくるのです。そのため比較的早い段階から、渡来したと思われる成虫や、すでに孵化(ふか)した幼虫などが確認できるといいます。
③農薬への耐性が強い
コナガのもう1つの特徴は「薬剤への抵抗が高いこと」です。一般的に使用されている農薬の殺虫成分のすべてに対し、抵抗力を持っているといわれています。特に同じ農薬を使い続けるとすぐに耐性を身につけてしまうことから、農家の方々も違う農薬をローテーションで使うようにしているほどです。
コナガがつきやすい野菜
コナガは全ての作物につくわけではありません。多くの害虫と同様に、つく作物とつかない作物があります。ではコナガはどんな作物に卵を産み付け繁殖するのでしょうか?
アブラナ科の野菜につきやすい
コナガはアブラナ科の野菜に卵を産みつけ繁殖します。具体的にいうと、キャベツや白菜、ブロッコリー、カブ、大根など、私たちの生活でもなじみの深い野菜ばかりです。特にキャベツや白菜の被害は常に問題視されるほどで、幼虫に気づかずにいると、葉脈を残して穴だらけになるまで食害されることも珍しくありません。
コナガがアブラナ科の植物につく理由
コナガがキャベツや白菜といったアブラナ科の野菜につく理由は、アブラナ科の植物に含まれている「カラシ油成分」が、コナガの産卵に必要不可欠とされるためです。そのためアブラナ科の植物でも、このカラシ油成分を含む作物のみに産卵します。