園芸部類 | 野菜 |
形態 | 一年草 |
樹高 | 80~100cm |
花の色 | 紫 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | やや強い |
耐陰性 | やや弱い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ナスの名前の由来には諸説ありますが、夏にとれる野菜「夏の実」から「なすび」になったという説が有力といわれています。
ナスはインド原産の野菜で、気温の高い気候を好み、長期間連続して収穫できます。根は乾燥に弱く水を好みますが、多湿も嫌うため水やりには注意が必要です。また肥料を多く必要とする野菜なので、定期的な追肥が必要です。
ナスの中で最も代表的な品種は千両ナスです。環境適応力が高いためさまざまな地域・環境で育ち、果皮が柔らかいため炒め物や天ぷら、煮物など幅広く料理に使用できます。
筑陽(ちくよう)は長ナスの一種で、耐暑性に優れ、長期にわたって収穫できることが特徴です。長ナスといわれるように細長い形をしており、千両ナスと同様に幅広く調理ができます。
植え付け時期 | 4月下旬~5月 |
花が咲く時期 | 6月~10月 |
実がなる時期 | 6月~11月 |
収穫時期 | 6月~11月 |
ナスは暖かい地域が原産の野菜なので、霜が降りなくなる5月に植え付けをします。植え付け後は肥料を切らさないように、2~3週間おきに追肥しましょう。また、ナスを育てるときは整枝をすることもポイントです。一番花が咲いてから整枝をすることで、実の付き方がよくなります。収穫のタイミングは花が咲いてから2~3週間で、時期は6月~11月と長期にわたります。
ナスはプランター栽培でも露地栽培でも育てられます。ただし、プランター栽培の場合は露地栽培に比べて土が乾燥しやすく肥料切れを起こしやすいため、ていねいな管理が必要です。
ナスは基本的に屋外で育てますが、水耕栽培をすれば室内でも育ちます。ただし室内だと日当たりが弱いためLEDライトが必須で、成長スピードも遅くなります。
ナスは日当たりがよく風通しのいい場所を好みます。日当たりが弱い場所だと光合成が弱まり、実がうまく育ちません。また室外機など不自然な風に当たると弱ってしまうので、ベランダで栽培する場合は注意が必要です。
ナスは連作障害が発生しやすい野菜なので、同じ場所での栽培間隔を4~5年開けるようにしましょう。もし同じ場所で連続して育てる場合は、接木苗を利用しましょう。
ナス栽培では高さ10~30cmの畝を立てます。畝の幅は、1列に植える場合は60cm、2列で植える場合は120cmとしましょう。
ナスはpHが6~7で、保水力のある土を好みます。また長期間にわたって実をつけるため、元肥を与え養分豊富なふかふかの土を作っておくのがよいでしょう。
定植は霜の降りなくなった5月に行います。ポットから苗を取り出し、周りの土より少し高くなるように植え付けます。植え付け後はたっぷりと水を与えましょう。
株間の間隔は50cmが目安です。ナスの苗は茎が細く風で折れやすいため、定植直後に支柱を立てて支えます。
ナスは肥料をたくさん必要とする野菜なので、元肥は必須です。植え付けの2~3週間前に、ボカシ肥料を施肥します。元肥は苗が畑に根付くまでの間の栄養分です。ナスは元肥が切れてからも、定期的な追肥が必要です。
ナスは多くの水を必要とします。植え付け直後はやりすぎると弱ってしまいますが、苗が根付いてからは朝にたっぷり水をあげましょう。水を切らすと生育や実の付き方が悪くなってしまうので、水切れに注意が必要です。
ナス栽培では支柱が必須です。2本の支柱をクロスさせて主枝と側枝を誘引する「2本仕立て」が基本です。2本仕立てをする際は、主枝と側枝を残して残りの枝は剪定します。他にも、主枝と2本の側枝を伸ばす「3本仕立て」という方法もあります。
ナスは地温が低いと弱ってしまいます。苗を植え付ける時期は気温は高くなっていますが、万が一朝晩の気温が下がってしまうといけないので、マルチングをするといいでしょう。直播きの場合は、マルチングは必須です。
ナスは肥料をたくさん必要とするため、肥料切れに注意が必要です。6月に入ったら2~3週間に1回の間隔でボカシ肥料や有機肥料などで追肥しましょう。
株が充分に育っていないと発生します。原因は日照不足、水不足、肥料不足のいずれかなので、当てはまるものを調べてみましょう。
実が大きく育たない場合は、2つの原因が考えられます。株が小さく葉も小さくて黄色っぽい場合は肥料不足です。反対に、株が充分に生育している場合は気温が低いことが原因です。
水不足が原因なので、土を乾燥させないように水を与えましょう。
モザイク病は、葉がモザイク模様になったり株全体が委縮したりする病気です。ウイルスが原因なので、ウイルスを媒介するアブラムシを防除します。発症した場合は、その株を抜き取り処分しましょう。
うどんこ病は、葉や茎に白い粉のようなカビが発生する病気です。対策方法は剪定などで風通しをよくすることで、発生した場合は株を抜き取り処分します。
その他の病気 | |
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青枯れ病 | ある程度の大きさまで育ったときに、葉や茎が急にしおれて枯れる |
褐色腐敗病 | カビが原因で、葉や茎、果実に褐色の小さな斑点ができる |
新芽や葉の裏にくっついて汁を吸います。モザイク病の原因となるウイルスを媒介するため、見つけたら払い落としましょう。
葉の裏に群生して汁を吸います。乾燥すると発生しやすく、被害を受けた葉はかすれたようになります。水やりのときに、時々葉の裏まで水をかけるようにして対策しましょう。
その他の害虫 | |
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ヨトウムシ | 夜間に活動し、葉を食い荒らす |
アザミウマ | 葉や果皮を食害して傷をつけるので、畑周辺の除草や銀白色のフィルムでマルチングして予防 |
ニジュウヤホシテントウ | 葉や果皮を食害し、波状の痕を残す |
ホソヘリカメムシ | 植物の汁を吸うので、見つけしだい捕殺する |
ナスは種からでも育てられます。種から育てる場合は地温を暖かく保つことが重要です。
ナスを直播きする場合、深さ1cmの溝に5mmほどの間隔で種をすじまきします。種の間隔が狭いため、発芽して成長するにつれて間引きが必要です。
ナスを種から育てるときに最も大切なことが地温の管理です。ナスの発芽適温は20℃ですが、ナスの種まきの適期は3月中旬~4月上旬です。しかし、この時期はまだ朝晩が寒いため、ナスのタネが発芽しません。そのため室内に入れるなどして地温を保ちましょう。また、直播きの場合はマルチングをして地温を保ちます。
セルトレイに培養土を入れ、たっぷり水を与えてから播種します。播種から約1か月後、本葉4~5枚になったら植え付けます。