ギボウシ(擬宝珠)は東アジアを原産とする多年草で、日本にも複数の野生種が分布しています。ギボウシの野生種は、低地~亜高山地帯もしくは湿原~岸壁と、品種によって生息する環境が異なっているのが大きな特徴です。このため品種によって性質が大きく異なっています。花も葉も美しく、育てやすい品種が多いことから、古来から観賞用植物として栽培されてきました。
園芸部類 | 草花、山野草 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 15cm~200cm |
花の色 | 白、紫 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 落葉性、カラーリーフ、耐陰性が強い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ギボウシは耐陰性が強く葉が美しいことから、グランドカバーや下草にもよく利用されます。ただし、ギボウシは冬になると地上部が枯れてしまうので、ほかの常緑性の植物をいっしょに植えましょう。
ギボウシ(擬宝珠)の名前は、ギボウシのつぼみや若い花序が苞葉に包まれている様子が、神社仏閣を飾る擬宝珠(ギボシ)に似ていることから名づけられました。学名のホスタは、オーストラリアの植物学者N.T.host氏と、J.host氏の両名にあやかった名前です。
ホスタ「サガエ」 5号(15cm)ポット(ギボウシ)
参考価格: 918円
サガエ(寒河江)は日本生まれの園芸品種で、ギボウシのなかでは中型~大型に属しています。山形県寒河江市で生まれたことから「サガエ(寒河江)」と名づけられました。波打つ大きな葉、青みがかった葉色と黄色い斑模様のコントラストが美しく、欧米でも人気が高い品種です。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
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サイズ | 5号(15cm)ポット苗 |
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ギボウシ(ホスタ)‘ゴールデン ティアラ’
参考価格: 660円
ゴールデンティアラはギボウシの小型品種です。黄緑に黄色い斑模様の明るい葉色と、旺盛な繁殖力から、グランドカバーによく利用されています。欧米ではギボウシの小型種の定番として、高い人気を誇る品種です。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
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サイズ | 9cm~10.5cmポット苗 |
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ギボウシ(ホスタ)‘ジューン’
参考価格: 880円
ジューンは春~秋の生育期の間、葉色が変化していく特徴を持つ品種です。薄紫色の花も美しく、季節ごとの変化を楽しめます。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
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サイズ | 9cm~10.5cmポット苗 |
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植え付け時期 | 2月~3月(種まき) 2月~3月、9月~10月(苗植え) |
植え替えの時期 | 2月~3月 |
肥料の時期 | 3月、9月 |
花が咲く時期/開花時期 | 7月~8月頃 |
ギボウシの植え付け時期は?
ギボウシの植え付けは種まきの場合は2月~3月、苗植えの場合は2月~3月と9月~10月です。ただし種まきは開花までに時間がかかるうえに、ギボウシは雑種化しやすいため、受粉~種まきまで管理する必要があります。
ギボウシの植え付けの適期は2月~3月です。苗植えの場合は9月~10月も植え付けできます。しかし休眠期でダメージを受けにくく、作業しやすいことや、植え替え作業も同時に行えることを考えると、ギボウシの植え付けは2月~3月が最適期でしょう。
ギボウシは鉢植えでも地植えでも育ちます。品種によって草丈が異なるので、鉢植えは大きくならない小型種がおすすめです。中型種~大型種は地植えにすると見栄えがよいでしょう。鉢植えは苗よりも一回り大きな鉢に植え付けます。地植えで複数の株を育てる場合は苗同士の間隔を、苗の2倍くらいの距離をあけて植え付けていきましょう。
ギボウシは耐陰性はありますが光合成を行うため、栽培環境は明るめの半日陰が理想です。もしくは午前中は日が当たり、午後は日陰となる場所がよいでしょう。ギボウシは葉焼けしやすい品種が多いです。葉焼けを起こすと枯れてしまう恐れがあります。特に地植えする場合は、直射日光が当たる場所や、乾燥がひどい場所は避けましょう。
ギボウシが理想とする用土は、水はけも水もちもよく、適度に湿り気を持った土壌です。鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂2の割合で土を作ります。市販の草花用培養土でも問題ありません。地植えの場合は、植え付ける前に庭土を耕し、腐葉土や川砂を3割ほど混ぜ込んでおきます。
ギボウシは鉢植えと地植えで、水やりの管理が少し異なります。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたところで、鉢底から水が染み出すくらいの水を与えるのが基本です。地植えの場合は、株が根付くまでの期間と、乾燥がひどい時期にだけ水やりします。
ギボウシは肥料をそれほど必要とする植物ではありません。3月に芽出し肥として、固形油粕を少量、開花後の9月にお礼肥として固形油粕か、粒状肥料を少量施せば十分です。
ギボウシの栽培で注意すべき害虫はアブラムシです。アブラムシは株の養分を吸い取ってしまうだけでなく、病気の媒介となる恐れがあります。こまめな観察や定期的な薬剤散布で予防し、発見したら早急に駆除しましょう。
ギボウシの栽培で、注意すべき病気は白絹病など、カビや病原菌によって引き起こされる病気です。白絹病にかかると治療は不可能なので注意しましょう。病気で枯れた株を放っておくと、ほかの植物にも感染してしまいます。枯れた株は引き抜いて土ごと処分しましょう。
ギボウシの花がすべて咲き終わったら、花茎を付け根から切ります。放っておくと種を作るためにエネルギーを消費し、株が弱ってしまうからです。ただし種を採取したい場合は、結実するまで花茎はそのままにしておきます。
ギボウシの種は市販されていません。種まきしたい場合は、栽培している株から採取します。採取する時期は秋です。ただし、ギボウシは雑種化しやすい植物です。このため親と同じ種類にしたい場合は、開花後の受粉から管理する必要があります。
ギボウシの苗は、葉色が鮮やかで傷んでおらず、虫がついていないものを選びましょう。ポット苗の場合は、根が詰まり過ぎていないことも苗選びの重要なポイントです。
ギボウシの植え替えの適期は、植え付け時期と同じ2月~3月です。鉢植えは1年~2年に1回、地植えは3年~4年に1回のペースで植え替えます。根の状態を見て、傷んだ根があれば除去しましょう。
ギボウシの剪定作業は、花後剪定と古い葉の整理の2種類です。花後剪定は、花がすべて咲き終わったら、花茎を根元から切り戻します。ギボウシは生育期間中、葉がどんどん茂る植物です。古い葉や傷んでいる葉が出てきたら、根元から切り取って株を整理しましょう。
ギボウシは寒さに強い植物ですが、土が凍るような寒冷地での戸外の冬越しは厳しいです。寒冷地では鉢植え栽培で、冬の間は霜や寒風を避けて管理しましょう。
植物の増やし方には挿し木や種まきなど、さまざまな方法があります。ギボウシの場合、種まきと株分けの2種類がありますが、一般的には株分けが用いられています。適期は2月~3月です。1株につき、2つ~3つの芽がつくように根茎を切り分け、植え付けていきます。
ホスタ(ギボウシ) 選べる10種 1株 シェードガーデン 日陰 丈夫で増える
参考価格: 980円
ギボウシは品種によって、見た目や性質が異なります。好みや栽培環境に応じて選びましょう。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
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サイズ | 9cmポット苗 |
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出典:写真AC