タデ科・ココロバ属に分類されるシーグレープは「ハマベブドウ」とも呼ばれています。丸みを帯びたかわいらしい葉と、房状の実をつけるのが特徴です。ピンク色の葉脈がアクセントになっており、花壇や室内におしゃれな印象を与えてくれます。
園芸部類 | 観葉植物 |
形態 | 高木 |
樹高・草丈 | 50cm〜200cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 耐陰性がある、常緑性、まれに斑入り品種がある |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
シーグレープは7月〜9月にかけて、かわいらしい白色の花を咲かせるのが特徴です。花後は房状の実をつけ、はじめは黄緑色をしていますが、熟すと紫色に色付いていきます。実の中には種子があり、種で増やすことも可能です。シーグレープは緑色の葉にピンク色の葉脈が入っている品種がほとんどですが、まれにクリーム色の斑入り品種も販売されています。
シーグレープの実は、真っ赤に熟したものならば食用にできます。しかし、酸味が強いため生色ではなく、ジャムやゼリーなどに加工してから食べるのが一般的です。
名前の由来は?
シーグレープは、原産地でもある北アメリカやカリブ海などでは、浜辺沿いに自生している植物です。そのため「ハマベブドウ」とも呼ばれています。海の近くに自生し、実の形がぶどうに似ているため「シーグレープ」と名付けられたのが由来です。
「海ぶどう」ではない?
シーグレープの英名は「Sea grape」ですが、「海ぶどう」ではなく「浜辺ぶどう」です。海ぶどうは沖縄が名産の海藻で「クビレズタ」とも呼ばれています。
植え付け時期 | 5月〜6月 |
植え替え時期 | 5月〜6月 |
肥料の時期 | 4月〜9月 |
剪定の時期 | 4月〜9月 |
花が咲く時期/開花時期 | 7月〜9月 |
シーグレープは寒さにやや弱く、日本の環境では地植え栽培は難しいといわれています。基本的には鉢植えで育て、季節ごとに場所を移動できるようにしましょう。根が長く伸びるため、深さのある鉢を使用してください。また、成長すると2mほどにまで高くなるので、倒れないように重みのある鉢を使用しましょう。
シーグレープは、春〜秋にかけて屋外での栽培が可能です。玄関やベランダなど、適度に日陰になるような場所においてください。耐寒性が弱いため、冬は室内に取り込みましょう。
シーグレープは耐陰性があり、ほかの植物が育たないような半日陰でも育てられます。しかし、日光がまったく当たらないと茎だけが間延びして、花つきが悪くなるので注意してください。葉が密に茂るため風通しのよい場所で管理して、病害虫被害を予防しましょう。
葉が落ちる原因は?
日当たりが悪いと花つきが悪くなるだけでなく、葉が黄色く変色したり葉が落ちたりします。日光不足の可能性があるため、半日以上は日光が当たる場所に移動させましょう。
シーグレープは排水性の高い用土を使用して育てます。市販されている「花木用培養土」や「観葉植物用培養土」を使用してもかまいません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒に鹿沼土を加えた用土を使用してください。
室内で育てる場合の用土は?
室内で観葉植物やインテリアグリーンとして栽培する場合は、土の表面を化粧砂やウッドチップでおおうとコバエの発生を予防できます。
シーグレープは、季節ごとに水やりの方法が異なります。春〜秋にかけては、土の表面が乾燥したら、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水を与えてください、夏は用土が乾燥しやすくなるため、朝と夕方の2回水やりをしてもかまいません。冬は成長速度が緩やかになり、水をあまり吸わなくなります。水やりを控えめにして、やや乾燥気味に管理するのがポイントです。
室内で育てる場合の水やりのコツは?
シーグレープを観葉植物として育てる場合は、エアコンの風による「葉の表面の乾燥」に注意が必要です。株元に水やりをするだけでなく、霧吹きなどを使用して定期的に葉水を行い、葉をみずみずしく保ちましょう。
シーグレープは原産地では自生しているほど丈夫な植物のため、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし、成長が滞っていたり株を大きくしたりする場合は、4月〜9月にかけて緩効性の化成肥料や起き肥を与えてください。有機肥料を使用すると、肥料独特の臭いが気になる恐れがあるので、化成肥料を使用するのがおすすめです。
カイガラムシは、名前のとおり貝殻のように硬い甲羅をまとっている害虫です。甲羅に守られているため殺虫剤が効きにくく、歯ブラシでなどを使用して払い落とすように駆除します。集団で寄生し、シーグレープの成長に必要な栄養分を吸汁するため、早めの駆除が必要です。
ハダニは、やや乾燥している時期に発生しやすい害虫です。葉の裏側などの見つけにく場所に寄生するのが特徴で、発見が遅れると大量発生している恐れがあります。水が苦手な性質を利用して、こまめに葉水を行いハダニの発生を予防しましょう。
灰色カビ病は、雨が続いてジメジメしていると発生しやすいカビが原因の病気です。感染した部分が、灰色の楕円形状に変色するのが特徴で、放置すると腐敗が始まり悪臭を放つようになります。灰色カビ病に感染した部分は、薬剤を散布しても治せません。ほかの部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分しましょう。
シーグレープを苗木の状態で購入する場合は、葉につやがあり、花芽のたくさんついている苗を選びましょう。葉の裏側までしっかりとチェックして、病害虫被害を受けていない苗を購入してください。
シーグレープは根詰まりを防ぐために、2年〜3年に1回は植え替えが必要です。とくに葉が落ちる場合は、根詰まりだけでなく根が腐っている恐れもあるので、植え替えましょう。根を傷つけないように丁寧に掘り起こし、古い用土や腐っている部分を取り除きます。鉢に新しい用土を入れてから植え替え、完全に根付くまでは水切れに注意しながら管理しましょう。
シーグレープの剪定は4月〜9月に行います。枝が伸びすぎた部分や、葉が込み入っている部分を切り戻し、樹形を整えていきましょう。冬がくる前に、樹形の半分程度まで思い切って剪定してもかまいません。日光に当たると葉色が濃く美しくなるので、すべての葉に日光がまんべんなく当たるように剪定するのがポイントです。
耐暑性は強いですが、直射日光に長く当てたり、気温が40℃を超えたりする場合は対策が必要です。屋外で育てている場合は、遮光ネットや寒冷紗などを使用して30%~50%ほどの遮光を行いましょう。葉焼けを起こすと、下葉から枯れ込んでくるため注意してください。
シーグレープは耐寒性が弱く、屋外で冬越しさせるのは難しい植物です。秋の終わり頃に、寒さをしのげる室内へ移動させてから冬越しさせましょう。
シーグレープの挿し木は5月〜6月に行います。若くて健康に育っている部分を選び、15cm〜20cmほどの長さで切り取ってください。下についている余分な葉を切り落とし、赤玉土などの挿し木用の用土に挿していきます。発根するまでは、水切れを起こさないように風通しのよい日陰で管理しましょう。
シーグレープ/110cm前後(8号)
参考価格: 16,200円
シーグレープは暑さに強く耐陰性もあるため、室内のインテリアとしても利用できるおすすめの植物です。まん丸の葉がかわいらしく、新芽は赤みがかった葉脈の色が楽しめます。
樹高 | 110cm |
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おすすめ度 | ★★★★★ |
出典:pinterest