カレンジュラの育て方
ここからは、カレンジュラの育て方と、重要ポイントを紹介します。カレンジュラは丈夫で、よほどのことがない限り失敗しない植物ですが、育て方のポイントをしっかり抑えておけば、より美しく健やかに育てられますよ。
カレンジュラの一年間の管理スケジュール
行う作業 | 適期 |
開花時期 | 12月~5月 |
植え付け・植え替え | 9月下旬~4月 |
肥料(鉢植え) | 9月下旬~4月 |
種まき | 9月~10月/3月~4月上旬 |
上の表はカレンジュラの栽培で、一年間に行う主な作業をまとめたものです。ただし、実際はその年の気象状況や地域の気候条件などで、適期がズレてしまうことが多いので、あくまでも目安程度に考えてくださいね。上記の作業の他にも、植え付け場所の条件や用土の質、剪定や病気対策など、いろいろな作業があります。それらについては、下記をご覧ください。
カレンジュラの育て方のポイントその①:栽培環境
まずは栽培環境を整えることから始めましょう。好ましい環境を整えれば、後の作業もグッと楽になりますよ。日当たりや風通し、用土の性質など、カレンジュラの好みに合った環境を整えてあげましょう。
栽培環境①:日当たりと風通し
カレンジュラには日が当たると花を開き、日が当たらない曇りや雨の日は花を閉じる性質があります。よって日当たりのよい場所であることは絶対条件です。日陰だと花つきも悪くなってしまうので注意しましょう。湿気も嫌うので風通しのよい場所であることも重要です。
カレンジュラは連作障害を起こしやすい植物です。地植えの場合、去年植えた場所には植えないようにしましょう。1年間隔を空ければ大丈夫ですよ。
栽培環境②:用土
用土は水はけと水もちのよい物を用意しましょう。鉢植えやプランター栽培なら、市販の草花用の培養土でOKです。自分で作りたい場合は赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で作りましょう。また、カレンジュラは酸性の土壌が苦手です。地植えの場合は植え付ける一週間前までに、苦土石灰を3割ほど土に混ぜて中和させましょう。
カレンジュラの育て方のポイントその②:植え付け・植え替え
苗植えがおすすめ
カレンジュラの植え付けは、種と苗の2種類がありますが、初心者は苗植えがおすすめです。株を複数植える場合、株同士の間隔は矮小品種は15cm~20cm、高性品種は25cm~30cmほど空けておきましょう。プランターに植え付ける場合は、65cmプランターに4株~5株が目安です。カレンジュラは移植を嫌うので、植え付けの際は根に触らないように注意しましょう。
カレンジュラは一年草の品種が多いから、植え替えや鉢替えは基本的に不要だよ。
適期は地域によって異なる
耐暑性は低く、耐寒性はあるけれど霜や寒風にあたると葉が傷んだり、土が凍ると枯れたりするカレンジュラは、地域によって植え付けや開花の時期が異なります。詳しくは下記の表をご覧ください。
地域 | 苗植えの適期 | 開花時期 |
暖地(霜が降りない) | 9月~10月 | 12月~4月 |
中間地(霜は降りるが土は凍らない) | 10月 | 12月~5月 |
寒冷地(雪深い、または土が凍る) | 5月 | 6月~8月 |
カレンジュラの育て方のポイントその③:水やり
鉢植えやプランター栽培のカレンジュラは、土の表面が乾いたら水やりするのが基本です。カレンジュラは乾燥には強いのですが湿気に弱く、土が湿った状態が続くと根腐れを起こして枯れてしまいます。水のやり過ぎに注意しましょう。地植えの場合、根付いた後は基本的に不要です。乾燥のひどい時期が続いた時にだけ、水やりしましょう。
カレンジュラの育て方のポイントその④:肥料
カレンジュラは、あまり肥料を必要とする植物ではありません。地植えの場合は植え付け時に元肥として、堆肥や緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおけばOKです。追肥の必要はありません。一方、鉢植えやプランター栽培の場合、市販の培養土を使用しているなら元肥は不要です。生育期の間は追肥として、月に1回のペースで液肥を与えましょう。
カレンジュラの育て方のポイントその⑤:剪定
本格的な剪定は不要
カレンジュラは基本的には一年草なので、本格的な剪定作業は必要ありません。花後の花がら摘みで十分です。枯れた花を放置していると、種ができて株が弱ってしまいます。種を採取する目的がない限りは、早急に花を切り取ってくださいね。
カレンジュラの育て方のポイントその⑥:病気・害虫対策
気温が高くなると、うどんこ病や炭疽病が発生しやすいです。見つけたらすぐに病気にかかった箇所を除去し、殺菌剤を散布しましょう。湿気も発生原因となるので、風通しをよくすることも重要です。害虫はアブラムシやヨトウムシに注意しましょう。見つけ次第捕殺し、殺虫剤で対処してくださいね。
カレンジュラの育て方のポイントその⑦:冬越し・夏越し対策
寒さには強いが霜・寒風対策は必要
品種によって差はありますが、カレンジュラは基本的に寒さに強い植物です。暖地なら地植えでも問題ありません。ただし、霜や寒風に当たると葉が傷んで株が弱ってしまうので、霜・寒風対策が必要でしょう。カレンジュラの中でも寒さに強い「冬知らず」は霜に当たっても傷みませんが、過信は禁物です。一方、カレンジュラは夏前に枯れてしまう品種が多いので、夏越し対策を考える必要はありません。
カレンジュラの増やし方
種の採取方法
ここからは、カレンジュラの増やし方を紹介しましょう。植物の増やし方には種まきや挿し木、株分けなどいろいろな方法がありますが、カレンジュラの場合は種まきで増やすのが基本です。まずは種を確保しましょう。カレンジュラは花後に種をつけますが、種をつけた株は弱ってしまうので、種を採取する株はあらかじめ決めておきましょう。
- 花の中心部にできた種を、ピンセットで採取する。採取した種は時間をかけて乾燥させておく。
- 水を入れた器を用意し、乾燥させた種を浮かべる。
- 沈んだ種のみ確保する。
種まきの仕方
種まきの適期は9月~11月です。ただし、カレンジュラの発芽温度は15℃~20℃なので、寒冷地の場合は温室を利用するか、少し時期を遅らせたほうがよいでしょう。
- トレーなどに土を入れて種をまく。種をまく際には土に埋め込み過ぎず、種が隠れる程度に土を軽くかけておく。
- 芽が出始めたら、生育の悪い株を間引いていく。本葉が3枚ほどついたら、ポットに移し替える。その後は鉢や花壇などに植え付けていく。
まとめ
カレンジュラは初心者にも育てやすく、色彩に乏しい冬の花壇を鮮やかに彩ってくれる貴重な植物です。上手に育てて、冬の花壇を明るく華やかに演出しましょうね。
- 1
- 2
耐寒性はあるけど、霜や寒風にあたると葉が傷んでしまう品種もあるから、地植えの場合は霜対策も考えようね。