そうか病とはどんな病気?
そうか病は漢字で「瘡痂病」と書きます。あざ、かさぶた、という字の意味の通り、感染した部位にかさぶたに似た病斑ができる病気です。最初に、そうか病の症状や発生原因、そうか病にかかりやすい作物について見ていきましょう。
そうか病の症状
作物の表面ががさがさして茶色い病斑ができたり、葉や果実にいぼのような病斑ができたり、立体的な病斑ができるのが特徴的な症状です。同じ「そうか病」でも、発生する植物によって、病原菌や発生原因が異なります。ここではじゃがいもに発生する「じゃがいもそうか病」について見ていきます。
そうか病の発生原因
じゃがいもは地下で育つ作物なので、収穫の時期までは被害が目に見えず、知らないうちにそうか病にかかってしまっているかもしれません。そのため、発生する原因を知っておくことが重要です。そうか病の病原菌や、病原菌の発生しやすい環境について見ていきましょう。
放線菌が原因細菌
じゃがいもそうか病は「ストレプトマイセス属」という放線菌が原因細菌です。ストレプトマイセス属は菌糸を放射状に伸ばす放線菌で、土壌中の有機物を栄養としています。土壌中で数年間にわたって生存し続けるので、病気に汚染された土壌に植え付けたり、汚染された土壌が飛散したりすると伝染していきます。
病気が発生しやすい環境は「高温・乾燥・アルカリ性・連作」
じゃがいもそうか病は、いもが形成され、肥大していく6月中旬から7月上中旬にかけて多く発生します。この時期に地温が高かったり、雨が少なかったりと、土壌が乾燥した状態になっていると発生しやすいです。土壌がpH5.6以上のアルカリ性に傾いた状態でも発生しやすくなります。また、同じ作物を続けて植える連作を行っていると、じゃがいもそうか病が発生しやすくなります。
じゃがいもそうか病に似ている「粉状そうか病」とは
粉状そうか病は、原生生物が原因となる病気です。病斑はじゃがいもそうか病よりも小さく、湿潤した土壌で発生しやすい病気です。病気が進んでいくと、病斑の表面が破れ、粉状の胞子が出ることから粉状そうか病と呼ばれています。
そうか病にかかりやすい作物
じゃがいもそうか病は、じゃがいもだけでなく、人参や大根、かぶといった根菜類の作物がかかりやすい病気です。一方で、子嚢菌(しのうきん)という細菌が原因となるそうか病には、みかんなどの柑橘類や落花生がかかりやすいです。子嚢菌が原因となるそうか病は、葉や果実、枝などに発生するため、早期発見し、薬剤を散布することで被害の拡大を防げます。では、じゃがいもそうか病の治療方法はあるのでしょうか?
ボタニ子
次はそんな怖いじゃがいもそうか病の治療方法を見ていきましょう。