かぼちゃの葉っぱが白いのはうどんこ病
かぼちゃは、病気や害虫の被害が少なく、家庭菜園でも育てやすい野菜です。しかし、栽培の過程で葉っぱに白い斑点がついているのを見かけることもあるでしょう。白い斑点は「うどんこ病」と呼ばれる病気が原因の可能性があり、放っておくと植物は枯れてしまいます。早期対処が、うどんこ病の拡散を防ぐポイントです。
うどんこ病とは?
うどんこ病は糸状菌とよばれるカビが原因の病気で、小麦粉をかぶったように白くなることが特徴です。土の中や落ち葉などに隠れていることが多く、風に乗って菌を拡散していきます。うどんこ病は、かぼちゃに限らずさまざまな植物に発生しうる病気のひとつです。
うどんこ病にかかりやすい植物の例
野菜 | トマト、ナス、キュウリなど |
花 | バラ、ヒマワリ、サルスベリなど |
果樹 | リンゴ、モモ、ブドウなど |
ボタニ子
ボタ爺
それぞれ症状は似ているけれど、植物によってタイプの違ううどんこ病にかかってしまうんだよ。
うどんこ病の特徴
うどんこ病は、まず葉の表面に小さな白い斑点のように現れます。それが次第に広がっていき、やがて葉全体が白い粉で覆われ、葉は縮れて黄色くなります。葉が縮れたり黄色くなってしまうと、手の施しようがありません。うどんこ病は年間を通して発症しやすく、花が枯れる、果実が大きく成長しないなど発育を妨げます。斑点が小さいうちに原因を突き止めて対処しましょう。
うどんこ病になる原因
原因①空気が乾燥している
1年のなかでも、長雨の後の乾燥した日が続くとうどん粉病は発症しやすく、とくに昼と夜の寒暖差が激しい春や秋に症状が出ます。高温が続く夏場は発症しにくいでしょう。
原因②風通しが悪い
うどんこ病は、風通しと日当たりが悪い環境でも発症しやす傾向があります。葉同士が重なりあって蒸れるためです。間引きや剪定をして、風通しと日当たりのよい環境をつくりましょう。
原因③土壌汚染
うどんこ病にかかった植物を栽培していた土には、菌が残っているおそれがあり、その土をそのまま使うと次に植え付けた植物もうどんこ病にかかるリスクがあります。
原因④風に乗って菌が飛んできた
うどんこ病は、風に乗って菌を拡散させます。すでにうどんこ病にかかっているウリ科の植物が近くにあると、かぼちゃにも付着します。しかし、うどんこ病は同じ科目同士の植物にしかつかず、バラからかぼちゃなど異種同士では感染しません。
かぼちゃの葉っぱが病気になったときの対処法
対処法①葉っぱを水で洗う
うどんこ病を発見した場合は、まずは菌を洗い流しましょう。被害が小範囲なら、ウエットティッシュでふき取るのも効果的です。泥はねもうどんこ病を引き起こす要因になるため、水圧には気をつけましょう。
対処法②薬剤をまく
うどんこ病の被害が深刻なときは、農薬を使いましょう。家庭菜園などの小規模な畑には、スプレータイプのものが便利です。農薬にもさまざまな種類があるため、かぼちゃに効くものを確認して選んでください。同じ殺菌効果を持った農薬を、数種類使いまわすことでより効果が得られますよ。
薬剤は手作りできる?
農薬に頼らずに栽培したい人には、薬剤のハンドメイドがおすすめです。重曹や酢など、家庭にある身近なもので作れます。しかし、濃度が濃いと植物が枯れるおそれがあるので、配合には気をつけましょう。
ボタニ子
くわしい作り方は、以下の記事をチェックしてね!
対処法③葉っぱを取り除く
病気が進行してしまい対処できない状態になってしまった葉っぱは、病気の拡散を防ぐためにも取り除きましょう。取り除いた葉っぱはすみやかに処分して、作業に使用した道具は水洗いと消毒をしてください。
かぼちゃの葉っぱが病気にならないための予防法
予防法①乾燥させない
かぼちゃは、乾燥を嫌う植物です。栽培中は水切れしないように管理してください。露地栽培は降雨のみでも大丈夫ですが、日照りが続く場合は、ホースなどで水やりしましょう。
水やりで気をつけることは?
水やりは土だけでなく、葉全体にも水がかかるように行いましょう。かぼちゃを定植させたら、マルチングやわらを敷いておくと水による泥はねを防止できます。
予防法②適切な株間をあける
適切な間隔をあけて栽培することは、株の密集を防ぎ、日当たりと通気性をよくすることにもなります。かぼちゃの栽培に適した株間は、約90cmです。適切な株間を確保して、かぼちゃを栽培しましょう。
剪定も大切
葉っぱ同士が重なりあっていたり実がついていない枝を見つけたりしたら、適宜剪定してください。日当たりと風通しがよくなるほか、光合成を促す効果も得られます。株元に近い雌花は実つきが悪い傾向があるため、これも摘み取りましょう。
予防法③肥料の量に気をつける
かぼちゃに与える肥料は窒素系の肥料ですが、この肥料の量が多いとうどんこ病にかかりやすくなります。10㎡あたり30gを目安に、適正量を使用しましょう。
予防法④連作しない
かぼちゃは連作障害に強い植物ですが、うどんこ病にかかったウリ科の植物を育てていた場合は、同じ土を使って栽培するのは避けましょう。菌が土の中に残っている可能性があり、かぼちゃにまで病気が広がります。土を殺菌したり入れ替えたりするなどして、清潔な土壌を作ってください。
かぼちゃの葉っぱをこまめにチェックしよう
うどんこ病を早く見つけるためには、葉っぱをこまめにチェックすることが大切です。早めに手を打つことで被害は最小限に抑えられるので、うどんこ病になったからといって栽培を諦めないでくださいね。
え、うどんこ病って花や果物にも発症するの?