観葉植物の土に白い粒がある!
白絹病かもしれない!
観葉植物を育てているとさまざまな病害虫の被害にあうことがありますが、土の中に白いつぶつぶを見つけた場合は「白絹病(しらきぬびょう)」の可能性が高いです。放っておくとその植物だけでなく周りの植物にも悪影響を与える恐れがある厄介な病気です。発病時に焦らないためにも、白絹病の特徴や対策方法をしっかりと把握しておきましょう。
白絹病とは
特徴は白い粒
白絹病とはカビが原因で引き起こされる病気のことです。初期症状としては土表面や株元に白くて細い糸のようなものが現れ、次に白絹病かどうかの見分け方のポイントともなる「白い粒」が現れます。土表面や土の中、根に付着するこの白い卵のようなつぶつぶは「菌核」と呼ばれるもので、やがて淡褐色に変色します。
ボタニ子
ボタ爺
菌核の中には菌や養分がギュッと詰まっておるんじゃ。放置すると菌核の中で菌が養分を食べて長生きするから、早めに取り除くんじゃぞ!
白絹病にかかったときの植物の様子
白絹病にかかると下葉から黄色く変色していき、菌核が形成されると株は水に浸したように軟らかくなりやがて腐り始めます。さらに症状が進んでいくと根元の茎がしおれ、株全体が枯れてしまいます。また地上部は問題なく見えても根元が病原菌に侵されていることがあり、気が付かないうちに枯れることもあり注意が必要です。
白絹病の見分け方
植物に何かしらの「白い症状」が現れると病気の可能性が高く、白絹病以外の病気の場合もあるため見分け方を知っておきましょう。白絹病は「白い絹状の糸」や「白い卵のようなつぶつぶ」が代表的な症状として現れ分わりやすいです。ちなみに植物に白い粉が見られるときは「うどん粉病」、白い綿のようなものが見られる場合は「コナカイガラムシ」の可能性が高いです。
ボタ爺
初期段階だと症状がわかりにくいこともあるんじゃ。「葉がしおれている」「株が元気ない」など普段と様子が違ったら要注意じゃぞ!
ボタニ子
白い粉が現れたら白さび病の場合もあるよ!白さび病の見分け方は葉の裏が乳白色に盛り上がっているかどうかで判断してね!
発生しやすい時期
白絹病の発病適温は25℃~35℃と高めで、5月~10月にかけての暑い時期に発生しやすいです。特に30℃を越える環境下や多湿状態を好むことから、中でも梅雨の時期である7月~残暑が続く9月ごろは特に注意が必要です。乾燥気味な年には発症が少なくなりますが、雨が多い年は多発する傾向があります。
観葉植物以外にかかりやすい植物
白絹病にかかりやすい植物の代表的なものは「ナス」「ネギ」「タマネギ」「キュウリ」「トマト」「ニンジン」「ピーマン」「スイカ」「イチゴ」「かぼちゃ」「落花生」「ジンチョウゲ」「イロハモミジ」「キク」「フジバカマ」などです。白絹病はナス科やウリ科などあわせて約160種類以上の植物がかかるといわれており、どの植物を育てる場合でも注意が必要といえます。
白絹病の原因
白い粒の正体はカビ菌
白絹病の原因となるカビ菌は「糸状菌」「ロルフシ」「スクレロチウム」などさまざまです。罹患すると茎の地際や球根に光沢のある白いカビが広がっていきます。腐敗が進むとカビの中に白いつぶつぶ(菌核)が現れやがて淡褐色になり、稀ではありますがひどい場合は黒く変色します。菌核の大きさ1~2mmほどで肉眼でしっかり確認ができるため、見分け方は意外に簡単です。
高温多湿の環境で繁殖しやすい
原因がカビであることからわかるように、温度と湿度が高い環境下で繁殖しやすくなります。梅雨や夏場に気をつけるのはもちろんですが、気候に限らず排水不良の土を使ったり通気性の悪い場所で育てたりすると、白絹病にかかりやすくなってしまいます。
白い粒が増えることで土壌伝染する
白絹病が進行すると現れる白いつぶつぶ(菌核)は土の中で越冬し伝染源となります。罹患した植物をせっかく取り除いても土壌に菌核を落としてしまえば、新たに植えた植物は再度白絹病を発症する可能性が高いです。菌核は土壌の浅いところで5~6年生きられ、対処しなければ植物を植えるたびに白絹病を繰り返す恐れが強まります。
ボタニ子
次は、観葉植物や野菜が白絹病にかかってしまった場合の対応方法について説明していくよ!
初期症状の白い糸のようなものが絹糸に似ていることから「白絹病」と名付けられたんだって。