プランター栽培の注意点
プランター栽培のコツをチェックした後は、注意しておきたいポイントもおさえておきましょう。今まではなんとなく自己流で育てていた方も、この注意点を読んで一度見直してみることをおすすめします。
注意点①プランターの底板と形状
プラスチック製のプランターには、黒いメッシュ状の底板が付いています。この底板には用土の水切れをよくして、害虫の侵入を防ぐ効果があります。底板がなかったり壊れたりした場合は、鉢底石を入れてから用土を入れましょう。プランターの構造を生かして、上手に病害虫や湿度をコントロールします。
注意点②水のやり方
土の表面が乾いたら水をかけるのではなく、植物の性質に合わせて水やりをしましょう。トマトは乾かし気味に育てた方が、味が濃く香りのよい実になります。キュウリやナスは朝夕の水やりで、曲がりの少ないみずみずしい実が収穫できます。お天気や植物の状態を見ながら、水やりをしましょう。
注意点③肥料の与え方
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野菜の収穫には肥料が欠かせません。プランターに苗を植え付けて1カ月ほどたつと、元肥の効果がなくなってきます。追肥として月に1度肥料を与えましょう。真夏の暑さがピークを迎える時期は、肥料ではなく液肥や活力液を薄めて与えます。バランスよく栄養素が整った、野菜用の肥料を選ぶのもポイントです。
注意点④土の温度変化
コンクリートのベランダなど、壁に囲まれた空間は温度が上昇しやすくなります。プランター栽培では土の温度が上昇すると、根っこへのダメージが避けられません。夏はプランターを壁から離して、下にすのこやレンガなどを敷き、空気の流れる空間を作りましょう。遮光ネットで強い日差しを遮るのも温度・湿度の管理に効果的です。
注意点⑤材質と湿度の関係
土の温度の上昇とともに、植物へのダメージとなる注意点が湿度です。特にプラスチック製プランターは、湿度が高く蒸れやすくなります。水はけのよい用土を使い、夏の水やりを夕方以降にするなどの工夫が必要です。水の抜けが悪い横穴タイプは、水やり後にプランターを傾けて、残った水を排水しましょう。
注意点⑥土のリサイクル方法
庭がない集合住宅では、古い土の処分に困りますよね。そんなときは、土のリサイクル材を活用しましょう。通気性をよくするため、さらに赤玉土をプラスするのもおすすめです。以下で手順を見ていきます。
プランターの土の再生手順
- 使用済みの土をふるって、残った根などを取り除く
- ポリ袋に入れてから、日光に当てて殺菌する
- 2の土の2〜3割りの量のリサイクル材を混ぜる
- 肥料を入れてから、植物を植える
気になるプランター向きの野菜と露地栽培との違いは、次のページへ!
プランター栽培におすすめの野菜やハーブは?
家庭菜園には病害虫に強く、収穫期の長い野菜がおすすめです。初心者の方でもプランターで育てやすい野菜を、春から冬まで植え付ける時期に分けてご紹介していきます。
春植えの夏野菜・ハーブ類
初心者の方にもおすすめの夏野菜
- トマト
- ナス
- キュウリ
- ゴーヤ
- ピーマン
- オクラ
- 枝豆
- インゲン
- シソ
- 青ネギ
初心者の方にもおすすめのハーブ
- バジル
- イタリアンパセリ
- ミント
- タイム
- ルッコラ
- コリアンダー
夏植えの秋野菜
初心者の方にもおすすめの秋野菜
- 春菊茎
- ブロッコリー
- サラダ大根
- ミニ人参
秋植えの冬野菜
初心者の方にもおすすめの冬の葉物野菜
- 水菜
- ホウレン草
- 小松菜
- チンゲン菜
- 春菊
初心者の方にもおすすめの冬の根菜類
- 三寸人参
- ミニ大根
冬植えの野菜・いちご
初心者の方にもおすすめの野菜・イチゴ
- ホウレン草
- 小松菜
- カブ
- エンドウ豆
- ソラ豆
- イチゴ
露地栽培(畑作)との違いは?
土を起こす作業が必要な長ネギ、根が深く伸びる根菜類など、畑向きの野菜もあります。露地栽培との違いは、野菜の種類だけではありません。プランター栽培のメリットともいえる、露地栽培(畑作)との違いをご紹介します。
露地植えとの違い①連作障害が起きない
毎回新しい土を使うプランター栽培では、連作障害は起きません。自根苗でも接木苗でも、簡単に育てられます。連作障害とは同じ場所で同じ植物を育てると、上手く育たず収穫量が減っていくことです。土の中の栄養素が偏ってしまうことが原因といわれています。小さな家庭菜園では、上の商品や接木苗を使うなどの対策が必須です。
自根苗と接木苗の違い
- タネから育てた苗が自根苗、風味豊かで野菜本来の旨味が味わえる
- 台木につけた接木苗、自根苗より価格が高いが、病害虫に強く育てやすい
ボタニ子
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露地植えとの違い②雑草退治が簡単
雑草退治は手間も時間もかかる、とてもやっかいな作業です。畑を耕してウネを作り黒マルチを敷いても、周辺にはあっという間に草が伸びてしまいます。除草剤の散布は、環境や健康への不安もあります。プランター栽培なら、お手入れのついでに雑草を摘んでおくだけで簡単に済むでしょう。
露地植えとの違い③耕さないから簡単
ベランダ菜園なら、梅雨のじきでも濡れずに簡単にお手入れができます。市販の培養土を使えば、手間のかかる土作りやウネを作る重労働もありません。始めるのも維持するのも、初心者の方も簡単にできます。プランター栽培は、食育にもよいでしょう。
まとめ
プランター栽培で野菜を育てるコツと注意点などを、まとめてご紹介しました。真夏と真冬以外の時期なら、いつでも簡単に始められます。ちょっとおしゃれなプランターバッグで、野菜と一緒にハーブや草花を育てる、SNSで話題のポタジェを始めてみましょう。
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出典:写真AC