ミニカボチャの植え付けから収穫まで
種まき | 4~5月 |
植え付け・追肥 | 5~6月 |
支柱立て・摘心 | 6~8月 |
人工授粉・追肥 | 6~8月 |
収穫 | 8月 |
次にミニカボチャの基本的な種まきから収穫までの流れをご紹介します。ミニカボチャは病害虫対策と摘心や実を作るための人工授粉などの手入れが大切です。また品種や地域によって栽培時期が異なります。栽培するミニカボチャの品種と育てる環境を確認しましょう。
植え付けから収穫まで①種まき
ミニカボチャを種まきから育てる場合は、直植えかポット苗を育てる方法の2通りです。一か所に2~5粒の種を植え、1~2cmほど覆土してからたっぷり水をあたえます。植える場所に深さ1cm、直径5cmほどの穴をを作って覆土してもよいでしょう。
発芽までは温度管理が大切
発芽まで | 3~5日 |
発芽気温 | 25~30℃ |
ミニカボチャは発芽する適温は、25~30℃程度の暖かい気温とされています。おすすめはポットで育ててから植え替える方法ですが、直播の場合は発芽までトンネル、もしくはホットキャップを使用して保温しましょう。発芽までは3~5日ほどです。発芽後に1本になるように間引きします。
ボタニ子
ホットキャップは、植え付け後の苗をビニールで覆うことです。トンネルよりも範囲が狭くなっています。
植え付けから収穫まで②植え付け・1回目の追肥
直植えでの株間 | 1m |
空中栽培での株間 | 60cm |
種まき後1ヵ月程度で本葉が3~4枚になったら苗の植え付け時期です。植え付けは、根鉢よりも大きめの植穴を掘ります。根鉢の表面と用土が同じ高さになるように植え、株元を押さえて水をあたえましょう。表面の根が見える程度の浅植えにします。
地植えではトンネル栽培をする
畑の場合は植え付け後よりトンネル栽培をします。苗は害虫被害にあうとその後の成長が悪いです。トンネルは害虫対策の他に保温効果もあるので、温かくなる5月頃まではトンネルがあるとよいでしょう。プランターの場合はトンネルは不要です。
ボタ爺
上の写真の虫がミニカボチャの葉につくウリ科の野菜の葉を食べる害虫、ウリハムシです。
敷きわらでさらに害虫対策をする
植え付け後は、トンネルと一緒に上の写真のように株もとに敷きわらもしましょう。敷きわらをすることで、伸びたつるが土に付着するのを防ぎ、害虫による葉の食害対策ができます。
葉と子づるがそろい始めたら追肥する
葉と子づるが増えたタイミングで1回目の追肥をします。葉が生い茂っている場合、このタイミングでの追肥は少量で問題ないです。
植え付けから収穫まで③支柱立て・摘心
ミニカボチャは病害虫対策もできる空中栽培がおすすめです。つるが伸びてきたら、上の写真のようなオベリスクやあんどんで支柱立てしましょう。あんどん型の支柱やオベリスクを立てたら親づる1本を伸ばします。実が重くなるので、1mほどのしっかりしたオベリスクを立てましょう。一株に対して一つの支柱が必要です。
親づるだけを伸ばして誘引する
ミニカボチャは摘心が大切ですが、親づるだけは摘心してはいけません。親づるから伸びてくる子づると孫づるを摘心して、親づるだけは伸ばしましょう。また巻きひげが出ますが、自分では這いあがれません。1週間に1回は親づるを支柱へ巻きつけて誘引します。
ボタ爺
巻きひげとは、茎や葉が変形して細いつる状になったものです。巻きついて植物を支える働きがあります。
本葉が7~8枚でつるの先端を摘心する
ミニカボチャのつるは摘心して手入れしないと成長が盛んで実も大きくなりません。親づる以外の子づる、孫づるは7~8枚まで本葉が増えたら、そのつるの先端を摘心しましょう。またわき芽と下の方に咲いた雌花は、よい実がならないので摘心します。
植え付けから収穫まで④人工授粉・2回目の追肥
花が咲いたら人工授粉をします。親づるの1番花を結実させるとつるや葉の茂りすぎを抑えられるので、一番花に人工授粉をしましょう。時間は午前中で9時頃までに済ませると受粉しやすいです。実ができてから2回目の追肥をします。
雌花の根元は膨らんでいる
実をつけるためには花を見分けることが大切です。花の根元が丸く膨らんでいるのが雌花です。雌花は残しておき、膨らみのない雄花を摘んで人工授粉させます。人工授粉は、雄花を摘んだら花弁を取り除き、雄花の花粉を雌花の真ん中にある雌しべにこすりつけます。
ボタ爺
花を確認して、雄花と雌花が同時に咲くタイミングを逃さないようにしましょう。
結実したら追肥をする
実が大きくなり始めたら追肥します。目安は子どものこぶし大の大きさです。化成肥料を施して軽く土に混ぜて追肥しましょう。また一つの実に栄養がいくように、奇形など不要な実は摘果します。
実への日のあたり方を変える
ミニカボチャは場所によっては日があたらない部分が出てきます。逆に日があたりすぎて日焼けしてしまうとその部分から腐りやすいです。実の向きを変えて日の当たらない部分や日焼けがないようにしましょう。ただし、ヘタがとれないように実を動かすのは90°までです。
植え付けから収穫まで⑤収穫まで
収穫は人工授粉から40日後が目安です。実の表面が硬くなり、ヘタにコルク状のひびが入り、白っぽく変化したらハサミで切り取りましょう。
収穫後は切り口を乾燥させる
ミニカボチャは収穫後に甘くなります。収穫した実はすぐに食べず、涼しく直射日光のあたらない場所で切り口が乾燥するまで管理しましょう。収穫後の切り口を乾燥させると、切り口から腐ることを防ぎ、実を甘く追熟させられます。収穫後は10℃前後で管理するのが望ましいです。
ボタ爺
品種によって収穫後においておく期間が異なるので確認しましょう。
植え付けから収穫までのポイント
- 種まきは一か所に2~5粒播いて温度管理する
- 植え付け後はトンネルと敷きわらで病害虫対策をする
- 親つる1本を伸ばして不要なつるは摘心する
- 人工授粉をして結実したら追肥する
- 収穫後は切り口を乾燥させて涼しい場所で保管する
ボタニ子
次は収穫したミニカボチャの食べ方についてです。
出典:写真AC