冬至の風習
冬至の風習といえば、ゆず風呂とかぼちゃ。これらの風習は江戸時代頃から始まり、現在も受け継がれています。どのような意味があるのか、由来を解説します。
ゆず風呂の由来
由来は言葉遊び
ゆず風呂の由来は言葉遊びです。江戸時代には大衆浴場が流行りましたが、「湯治(冬至)をして融通(ゆず)の利く健康体に」という意味で、冬至にゆずを湯船に入れるサービスがありました。それがゆず風呂の由来とされています。
ボタ爺
冬至と湯治、ゆずと融通をかけたんじゃな。
かぼちゃを食べる由来
実は冬至に食べるとよいとされる食材はかぼちゃだけではありません。「うどん、かぼちゃ、かんてん、きんかん、ぎんなん、にんじん、れんこん」の7つの食材が冬至の食べ物として挙げられます。いずれも保存性の高い食材であり、農作業ができない冬場の食糧として重宝されたのが由来です。さらに食材名に「ん」がつくことから、「運をつける」という縁起担ぎとして好まれました。
冬至に向けてかぼちゃを育てる
かぼちゃは朝早くに受粉させたり、果実に均等に日光を当てたりと手間がかかりますが、冬至に食べるという目標を設定すれば育てるのが楽しくなるのではないでしょうか。かぼちゃは夏に収穫できるので、冬至まで保存するにはなるべく暗く涼しい場所に保管してください。
冬至かぼちゃに年越させるな
ただし、かぼちゃも冬至を過ぎると徐々に劣化します。そのため「冬至かぼちゃに年越させるな」ということわざがあるほどです。冬至にかぼちゃを食べる風習には、「使えるうちに使い切ろう」という意味もあるのかもしれません。
まとめ
1年でもっとも太陽の南中高度が低く、日照時間が短くなるのが冬至。言い換えれば、冬至を乗り切れば再び日照時間が長くなり暖かな春に向かってゆくということです。それまで健康に過ごせるよう、かぼちゃを食べたりゆず風呂に入ったりする風習が現在にも受け継がれています。
ボタ爺
冬至に向けて、かぼちゃを栽培してみるのもいいな。
さらに冬至は二十四節気のひとつであり、昔の人々が暦を作ったときの重要な節目でした。いつでも日付と時刻を調べられる現代ですが、たまに気分転換を兼ねて空を見上げ、太陽と地球の位置関係が刻む時間に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
出典:筆者作成