かぼちゃの茎を食べる前に
かぼちゃの茎は、苦みがなくあっさりとしていて、シャキシャキとした歯ごたえが楽しめます。食糧難だった戦時中には、大切な栄養源として食べられていた食材です。セロリやクウシンサイ、ふきなどによく似た食感で、さまざまな料理に利用できます。薄皮や筋があるので、きちんと下処理をしてから調理しましょう。
下処理
かぼちゃの茎を調理する前に、まず「板ずり」をします。板ずりとは、まな板の上にかぼちゃの茎を置いて、軽く塩をふりかけてからゴロゴロ転がすという作業です。産毛をとる役目や、表面の色を鮮やかにする効果だけでなく、味が染み込みやすくなる利点もあります。板ずりをすると、薄皮や筋が剥がれてくるので、手やキッチンペーパーを使って取り除いてください。
薄皮が気になる場合は?
かぼちゃの茎には薄皮がついており、食べにくいと感じられる場合もあります。薄皮が気になるときは、剥いてから調理に使いましょう。板ずりをしても薄皮が残っている場合は、軽く茹でると薄皮がさらに剥きやすくなります。途中で破れないように、縦向きに優しく引っ張るように剥くのがポイントです。
かぼちゃの茎のおすすめの食べ方
かぼちゃはつる性の植物のため、茎(つる)をぐんぐんと伸ばして成長していきます。かぼちゃの実を収穫したあとは、茎を切って捨ててしまう場合がほとんどです。しかし、かぼちゃの茎もいろいろな料理にアレンジできるので、実と同時にかぼちゃの茎も収穫しましょう。
かぼちゃの茎レシピ➀おひたし
かぼちゃの茎のおひたしは、もう一品おかずが欲しいときに、さっと作れるレシピです。茎の部分だけでなく、かぼちゃの葉っぱも利用できます
材料
- かぼちゃの茎:20本〜30本
- しょうゆ:大さじ2
- 砂糖:大さじ1
- いりごま:適量
- かつおぶし:適量
作り方
- 鍋に湯を沸かして、かぼちゃの茎を茹でる
- 薄皮を取り除き、食べやすいサイズに切る
- ボウルにしょうゆと砂糖を入れてから、キッチンペーパーで水気をとった「2」を入れる
- 味が染み込むまでよく混ぜ合わせる
- お好みでいりごまやかつおぶしをかけて完成
かぼちゃの茎レシピ➁塩炒め
かぼちゃの茎を、オリーブオイルと塩で炒めるだけの簡単メニューです。ベーコンやウインナー、コーンなどと一緒に炒めると子どもでも食べやすくなります。最後に溶き卵を加えて、卵とじにするのもおすすめです。黒胡椒をたっぷりかけると、大人向けの味になります。
材料
- かぼちゃの茎:30本程度
- オリーブオイル:大さじ1
- 塩:適量
作り方
- かぼちゃの茎を下処理して、薄皮を取り除く
- フライパンにオリーブオイルを入れて熱し「1」を入れる
- かぼちゃの茎がしんなりして、濃い緑色になったら塩をかけて味をなじませる
かぼちゃの茎レシピ③ぬた
材料(2人分)
- かぼちゃの茎:20本
- 油あげ:2枚〜3枚
- 味噌:大さじ2
- 酢:大さじ2
- 砂糖:大さじ2
作り方
- かぼちゃの茎をさっと茹でて水気をとる
- 油揚げを食べやすい大きさに切る
- 大きめのボールに「2」と味噌、酢、砂糖を加えてよく混ぜる
- 皿に5cmほどの長さで切った「1」を盛り付ける
- 「3」で混ぜ合わせた調味料をかけて完成
かぼちゃの葉っぱや茎の栄養素
かぼちゃは、栄養満点の緑黄色野菜としても有名です。実の部分だけでなく、葉っぱや茎にも栄養素がたっぷりと含まれています。
栄養素
成分 | かぼちゃ100gあたり |
エネルギー | 49kcal |
タンパク質 | 1.6g |
ビタミンC | 16mg |
葉酸 | 80μg |
βカロテン | 700μg |
食物繊維 | 2.8g |
カリウム | 400mg |
効果・効能
かぼちゃには、美容に欠かせないビタミンCやビタミンE、βカロテンが豊富に含まれています。これらは「抗酸化ビタミン」とも呼ばれ、アンチエイジングに効果的といわれている栄養素です。そのほかにも、葉酸や食物繊維がたくさん含まれており、便秘解消や妊婦の栄養補給に役立ちます。
葉っぱの部分は「ポリフェノール」が豊富
かぼちゃの葉っぱには、抗酸化作用があるとされるポリフェノールが豊富に含まれています。光合成によって作り出される栄養素で、少し苦味を感じる場合があるのが特徴です。ポリフェノールには、血液をさらさらにする効果があるといわれています。
かぼちゃの葉っぱや茎を食べてみよう
かぼちゃは実の部分だけでなく、葉っぱや茎、花やつぼみまで余すところなく食べられる魅力的な野菜です。かぼちゃを栽培している場合は、葉っぱや茎を捨ててしまわず、ぜひたくさんのアレンジレシピを試してみてください。
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出典:写真AC