水挿しのカビを抑えるポイント
カビは「湿度」「温度」「栄養」の条件がそろうと爆発的に増殖します。水挿しでは、植物が常に水に浸っているので、湿度が高くカビが生えやすい状態にあります。水挿しを管理するときに大切なことは「カビが増えやすい温度にしないこと」と「カビのえさになるものを入れないこと」です。カビを抑えるための具体的なポイントを紹介します。
ポイント①こまめに水を替える
水道水には殺菌成分として塩素が含まれていますが、時間がたつと塩素は自然に抜けていき、カビが生えやすい状態になります。そのため、こまめな水替えが必要になります。2日~3日に1回、暖かい時期には1日に1回をめやすに、容器の中の水をすべて捨て、新しい水道水を入れるようにしましょう。このとき水道水がぬるま湯になっていないことを確認してください。
ポイント②容器を清潔に保つ
水挿しの植物の水を替えるときには容器も洗いましょう。水道水や中性洗剤で、容器のすみずみまでしっかり洗います。容器の内側には目には見えないカビの胞子や、カビのえさとなるごみやほこりが付着していることがあります。また植物の葉もカビの栄養源になります。水挿しにするときには下葉を取り除き、葉が水に浸らないよう注意しましょう。容器の中を清潔な状態に保ち、カビの発生を予防を心がけます。
ポイント③置き場所を選ぶ
水挿しは、直射日光の当たらない風通しのよい場所に置きましょう。カビは20℃~30℃で増えるといわれています。直射日光が当たる場所に水挿しを置くと、容器の中の水温が高くなるおそれがあるため避けましょう。また、カビは空気の流れが悪いところで増えやすく、風通しのよい場所に置くのが理想的です。ただしエアコンの風が直接当たらない場所を選びましょう。
カビを抑えるポイント
- こまめに水を替える。水の温度に注意
- 水を替えるときに容器の中を洗う
- 直射日光を避けて、風通しのよい場所に置く
水挿しにおすすめの観葉植物3選
すべての植物が水挿しで根が出るわけではありませんが、観葉植物の中には繁殖力が高く、水挿しに適しているものが多くあります。発根のしやすさや用途の広さという点から、特に水挿し初心者におすすめです。
おすすめ①ポトス
ポトスは、暑さや乾燥に強く耐陰性があります。夏の直射日光を避ければ置き場所を選ばず、初心者の方でも育てやすい植物です。ポトスの葉はスペードのような形をしていて、つるを伸ばして伸びていきます。葉全体が黄緑色のものや、白い斑入りのものなどもあり種類が豊富です。
気根から発根する
ポトスは水挿しで発根しやすい植物ですが、その秘密は気根にあります。気根とは、茎から空中に伸びている突起状の根のことで、ポトスが他の木に巻きついて成長するときに支えとなるものです。この気根の部分を水に挿すと、そこから新しい根が出てきます。
おすすめ②オリヅルラン
オリヅルランは、明るい日陰を好む植物で、斑入りの細長い葉が特徴です。オリヅルランの葉には、空気中のホルムアルデヒドを吸着する効果があるとされます。オリヅルランは、ランナーという細い茎を伸ばし、その節の部分に白い花を咲かせます。
子株から発根する
オリヅルランはランナーの先に子株を付けます。子株が折り鶴のように見えることがオリヅルランの名前の由来です。オリヅルランの子株は生育旺盛で、ランナーに付いているときから発根しているものもあります。子株を切って水に挿すだけで根はどんどん伸び、株が成長していきます。
おすすめ③アイビー
アイビーはヘデラとも呼ばれ、暑さや乾燥に強く耐陰性もあるうえ、寒さにも強く、屋外で冬越しできるほど丈夫な植物です。アイビーの葉は手を広げたような形をしていて、地をはうようにつるを伸ばして横方向に伸びます。さまざまな品種があり、葉の色や模様、大きさ、形などが異なります。
発根しやすく用途が広い
アイビーにも気根があり発根しやすく、水挿しで増やせます。アイビーは用途が広く、さまざまな場面で活用できます。丈夫で屋外で育てられるうえ、ほかの植物と飾ると周りを引き立たせる効果があります。室内で鑑賞するだけでなく、グランドカバーや、ほかの植物との寄せ植えのアクセントにもできる使い勝手のよい植物です。
カビを防いで水挿しを楽しもう
手軽にできてインテリアにもなる水挿しですが、カビの発生には注意が必要です。白いもやもやしたものが根に付いていたら、根毛なのかカビなのかを見分けましょう。カビであったならば取り除き、もう一度水挿しにして、根が出るか試してください。置き場所に注意し、こまめに水替えと洗浄をすればカビは防げます。水挿しを楽しみながら、お気に入りの植物を増やしていきましょう。
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出典:筆者撮影