観葉植物や野菜が白絹病にかかってしまったら
白絹病は菌が強く、一度かかると治りません。罹患した植物に限らず周りの植物も白絹病に感染する恐れがあり、見つけ次第処分するのが基本です。ただし、超初期であれば復活する可能性もあります。罹患させないことが第一ですが、感染した場合は早期発見に努めましょう。
超初期であれば復活する可能性も
白い粒を取り除いて消毒を
株元に白い糸やつぶつぶが出始めたばかりであれば、速やかに取り除きましょう。同時に茎や葉など異変が見られる場所も切り取ってください。取り除いたものを地面やほかの植物の近くに置くと感染する恐れがあるため、密閉できるふくろなどに入れてこぼれないよう気をつけましょう。土の中に菌が残っている可能性も考慮し、薬剤散布をして消毒することをおすすめします。
ボタニ子
【住友化学】バリダシン液剤5
バリダシン液剤
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住友化学のバリダシン液剤5は、農業用抗生物質「バリダマイシンA」を有効成分とする殺菌剤です。リゾクトニア菌やその近縁菌、糸状菌などに優れた効果を発揮します。散布後は茎葉に吸収され植物内部にある細菌の増殖を抑制するだけでなく、土の中の菌に対しても長く効果が続きます。液剤タイプで扱いやすい点も魅力です。
有効成分 | バリダマイシン |
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内容量 | 500mL |
適応植物 | 稲、ネギ、タマネギなど |
白絹病にかかった観葉植物や野菜の処分方法
白絹病が進行していたら、罹患した観葉植物や野菜は速やかに処分しましょう。罹患した植物を株ごと引き抜き、密閉できるふくろなどに入れて破棄するか焼却処分にて対応します。患部や白い糸状のもの、白や淡褐色のつぶつぶはいずれも感染力を持っており、土表面に少しでも残しておくと二次被害を起こす危険性が高いです。処分時は十分に注意してください。
ボタ爺
処分時に使ったスコップやハサミなどの器具も、使用後はアルコールや熱湯でしっかりと消毒するんじゃよ!
土を消毒する
観葉植物などプランターや鉢植えの場合は土も一緒に破棄するのが基本です。地植えの場合も可能であれば土を入れ替えることをおすすめしますが、広範囲であり難しい場合には「消毒」や「天地返し」で対応しましょう。
土の消毒の方法
白絹病の病原菌は土の浅い部分に留まる傾向があり、土壌の表面を高温で熱して殺菌すると効果的に消毒できます。簡単なのはたっぷりの熱湯を沸かして土にかける方法です。広範囲であればたくさんの湯が必要ですが、家にあるものだけで対応ができておすすめです。日当たりのよい場所であれば、ビニールシートで覆い太陽光を集め地表の温度を上げて消毒しましょう。
ボタ爺
太陽光で消毒するなら7月中旬~8月が適期じゃ。たっぷり水をかけてビニールで覆い、20日~30日ほど放置するんじゃよ!
天地返しのやり方
白絹病の病原菌は地表から約10cm以上の深さでは生き続けられないことから「天地返し」もおすすめです。天地返しとは深い部分の土を掘り起こして浅い部分の土と入れ替えることをいいます。病原菌を深く埋め込むことで死滅させるというわけです。根よりも深く掘らなければ意味がないため、植物の根の張り具合によって掘り下げる深さを変えましょう。
ボタニ子
家庭菜園レベルであれば20~30cmでも十分な場合が多いけど、1m以上掘り下げるのが基本なんだって。なるべく深く掘ってね!
白絹病にかからないための予防方法
白絹病はかかると治らない病気であり、予防対策をしっかりとっておくことが大切です。予防対策といっても難しい作業はありません。白絹病を発生させないためのポイントを押さえて、不安なく家庭菜園やガーデニングを楽しみましょう。
土壌の酸性度に気をつける
白絹病の病原菌は酸性土壌で発生しやすく、土壌の酸性度には注意が必要です。苦土石灰、炭酸カルシウム、有機石灰などの石灰質肥料を混ぜ込んで土壌を中性~アルカリ性に傾けましょう。ただし、アルカリ性の土壌を好まない植物を植え付ける場合はアルカリ性に傾けすぎないように注意してください。ちなみにpHは0(酸性)~7(中性)~14(アルカリ性)で表記されます。
ボタ爺
石灰は土に馴染むのに時間がかかるから、植え付けの1~2週間前までには作業を終わらせるんじゃぞ!
ボタニ子
栽培過程で木酢液や酸性肥料を使うときは、酸性に傾き過ぎないように注意が必要だよ!白絹病が心配なら避けたほうが無難かも!
水はけのよい土を使う
水はけのよい土を使うのも白絹病予防に効果的です。カビなどの病原菌は湿度の高い環境を好み繁殖します。赤玉土や腐葉土など水はけのよい土を使いましょう。さらにパーライトやバーミキュライト、砂などを混ぜ込むと水はけがよくなるだけでなく土質改善効果も期待できます。鹿沼土やピートモスなどは水はけはよくなりますが、酸性度が高くなる点だけ注意しましょう。
ボタニ子
置き場所を工夫したりこまめに剪定したり、通気性の確保も忘れずにね!地植えの場合は畝を作るのも病気予防になるよ!
白絹病が心配なのですが、黒土を使っても大丈夫でしょうか?
黒土は畑などで好んでよく使われる土ですが、粒子が細かく保水性が高いこともありたくさん使うと水はけが悪くなる場合があります。使用する際は赤玉土や腐葉土に2~3割程度混ぜ込む程度にとどめましょう。
連作せずに輪作する
連作すると土の中の菌の密度が年々高まり病気にかかりやすくなるため、連作は避けたほうが無難です。違う作物を植える「輪作」であれば白絹病の発生リスクは下がります。3~4カ月間湛水(たんすい)すると白絹病の病原菌が死滅することから、可能であれば稲やジュンサイなど水田で栽培できる植物と輪作すると白絹病予防に高い効果が期待できます。
ボタ爺
湛水とは、水田のように水を張ってため続けることをいうんじゃ。
ボタニ子
白絹病が多発する場合は、イネ科作物を輪作してみてね!イネ科作物を3~4年輪作することで病原菌がグンと減るんだって!
連作する場合は土を消毒する
避けたほうが無難な連作ですが、どうしても連作したい場合には土壌消毒で対応しましょう。作物の収穫が終わったら全て引き抜き、「農薬消毒」「太陽光消毒」「天地返し」のいずれかの方法で土壌消毒してください。前年度白絹病にかかっていなくても、もしかしたら土壌に菌が潜んでいる可能性もあります。しっかりと土壌を消毒することで、白絹病に限らずさまざまな病気を予防しましょう。
ボタニ子
培養土の使いまわしは病気発症につながるよ!新しい培養土に変えるのがベストだけど、何度も使う場合はきちんと消毒してね!
観葉植物の土に白い粒を見つけたらすぐに対応しよう!
白絹病はかかると治らないだけでなく、周りの植物が枯れる原因にもなる厄介な病気です。白絹病がどんな病気でどんな症状が現れるのかを知って、予防対策をしっかりとりましょう。超初期であれば復活する可能性もあるため、観葉植物や野菜など育てている植物の土に白いつぶつぶを見つけたらすぐに対応してくださいね。
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病状が進行すると土の中の菌も増えちゃうよ。そうなると農薬を使用しても完全には取り除けないから、初期段階に使用してね!