皇帝ダリアの育て方<病気・害虫対策>
害虫
気をつけたい害虫はヨトウムシです。ヨトウムシ(夜盗虫)は昼間は土に潜って姿を消し、夜にあらわれて新芽を食い荒らします。被害にあう前に葉の裏をチェックして、ヨトウムシの卵が産みつけられていたら取り除いてください。また、ヨトウムシはコーヒーの匂いを嫌うのでコーヒー殻を土に混ぜてみましょう。
病気
皇帝ダリアは病気には強く、ほとんど心配ありませんが、ごくたまにうどん粉病を発症することがあります。ダリア属に見られる病気です。雨が続いたときに、葉が白い粉をふいたようになります。早めに見つけて摘み取り、予防として米糠を溶いた水か米のとぎ汁をスプレーしておきましょう。
皇帝ダリアの増やし方
増やし方①茎の挿し木
皇帝ダリアのもっとも簡単な増やし方は、茎の挿し木です。球根の株分けは根塊がある程度太ってからでないとできませんが、茎の挿し木は最初の年からできます。花が咲き終わったら茎を株もとから剪定して保存し、暖かくなったら挿し木をしましょう。
挿し穂の作り方
切り離した茎は、節が必ず1つ以上入るように10cmくらいにカットしてください。節から芽がでます。摘心あとから伸びた枝も使えます。太い茎は剪定ばさみよりノコギリを使った方が作業しやすいです。
茎の保存方法
カットした挿し穂は、挿し木の適期まで寒さにあてないように保存しましょう。暖地では、地中に横置きに埋めて保管できます。挿し木時期が来て掘り上げると、芽が出はじめていることもあります。中間地や寒い地域ではバケツなどの容器に入れ、赤玉土やパーライトなど清潔な用土に埋めて室内で保管しましょう。
挿し木の手順
茎の挿し木は、3月頃が適しています。地にじかに挿すか、小粒赤玉土などの用土を入れたポットに挿しましょう。
- 先に土を湿らておく
- 茎は縦に挿しても横に置いてもかまわない
- 横に置く場合は10cm程度の深さに埋める
- 発芽したら肥料を与える
増やし方②新芽の挿し芽
皇帝ダリアは、5月~6月頃に新芽を挿し穂にすることもできます。節のついた新芽を10cmほどの長さに切り取って土に挿します。直に地に挿すより、育苗ポットに挿した方が発根しやすいです。用土は小粒赤玉土か種まき・挿し木用土を使いましょう。根づくまで肥料は不要です。
増やし方③根塊の株分け
根塊(球根)が太ってきたら、株分けができます。芽があるのを確認し、根と茎の境目を切り離さないように気をつけて株分けしてください。堅ければノコギリを使いましょう。切り分けたら、植え付け時と同じ手順で用土と肥料を準備し、10cmの深さに植えつけて水やりして下さい。
増やし方④種まき
皇帝ダリアを種まきで増やすのは、少し難しいです。日本の多くの地域では、種まき用の種の採取に至るまでに霜や寒さで落果したり枯れたりしがちなのです。暖地や、鉢植えで霜が降りる前に室内に取り込めば、種がとれる可能性はやや高くなります。
種まきの時期
皇帝ダリアの種は採取できたらラッキーなので、種まきから育ててみてくださいね。種まき時期は4月頃です。直播きよりは育苗ポットで管理する方が発芽率が高くなります。用土は小粒赤玉土、または種まき用培養土が適しています。発芽するまで水やりして下さい。
まとめ
皇帝ダリアは低く育てることも、鉢植え栽培もできます。草丈に関係なく、色彩の乏しくなる季節を彩ってくれる美しい花です。周りの環境が許せば、ぐんぐん高く育ててみたいですね。秋の空を背景に眺めるのは爽快です。遠くからも、楽しんで見てもらえることでしょう。
出典:筆者撮影