園芸部類 | 果樹・庭木 |
形態 | 落葉低木 |
樹高・草丈 | 50cm~2m |
花の色 | 白・ピンク |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 観賞用・食用・生薬 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
サンザシとは、春にピンクや白の小さな花を咲かせ、秋には直径1cm~1.5cmの真っ赤な実を付ける、バラ科の落葉低木です。実は酸味が強いため生食には向きませんが、ジャムやドライフルーツに加工するとおいしく食べられます。品種が多く花色や咲き方はさまざまで、食用としてだけでなく観賞用としても人気です。
ルビーさんざし
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ルビーサンザシは、光沢をもったやや大きめの実を付けるのが特徴の品種です。花は一重咲きの白色で実付きもよく、盆栽としても人気があります。
八重紅サンザシ苗アカバナヤエサンザシシ苗
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八重紅サンザシは、名前のとおり八重咲の紅色の花を咲かせる品種です。八重咲の品種は結実しないため、食用として楽しみたい人は注意してください。小さな花がいくつも重なって咲く姿は花火のようにきれいで、盆栽やシンボルツリーとしても人気があります。
植え付け(植え替え)時期 | 10月~11月・2月~3月 |
種まき時期 | 10月~11月 |
収穫時期 | 9月~10月 |
剪定時期 | 6月・11月~12月 |
開花時期 | 5月~6月 |
サンザシの植え付けは、苗の成長が落ち着く10月~11月か、春の成長期を迎える前の2月~3月にしましょう。寒さに強い性質を持つため、寒い時期に植え付けても問題ありません。休眠期が短く、5月に花を、9月に実をつけるため追肥をしっかり施しましょう。
サンザシは、地植えでも鉢植えでもよく育ちます。寒さに強いため、根がしっかりと張れば、鉢植えでも屋外で管理して問題ありません。
サンザシは日光が大好きですが、西日や真夏の直射日光は苦手です。地植えの場合は、午前中のみ日がよく当たる場所か、西日の当たらない風通しのよい場所で育てましょう。鉢植えの場合は、夏は半日陰の場所に、それ以外は西日の当たらない日当たりのよい場所で管理してください。
サンザシは土質を選びませんが、水はけと水持ちのよい用土を好みます。市販の園芸用用土を使用するか、赤玉土1:鹿沼土1:腐葉土1の割合で混ぜたものを準備しましょう。
地植えの場合は、降雨のみで特に問題ありません。夏の乾燥がひどいときのみ水やりしてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、たっぷり水をあげましょう。落葉中の冬はあまり水を必要としません。根腐れ防止のために乾燥気味に管理してください。
水やりする時間帯はいつでもいいですか?
春、秋、冬は特に水やりする時間帯を気にする必要はありません。夏は高温多湿状態を防ぐために、午前中か夕方以降の涼しい時間帯に水やりしましょう。
サンザシは肥料を好みます。植え付け時の2月~3月に油粕や緩効性肥料を元肥として与えましょう。窒素が多すぎると葉や茎ばかり大きくなります。実付きや花付きをよくするために、初めからリン酸やカリウムを多く含む肥料を与えることをおすすめします。実の成長期である8月には追肥が必要です。有機化成肥料などを施しましょう。
サンザシにつく代表的な害虫は、アブラムシ、カイガラムシ、テッポウムシ、ケムシです。株が弱り枯れる原因になるため、見つけ次第すぐに取り除きましょう。テッポウムシは幹の中に入り込んで中から食害します。幹に穴や木くずのような跡が見られたらテッポウムシがいる可能性が高いです。よく観察し、見つけ次第捕殺しましょう。
サンザシがかかりやすい代表的な病気は、うどん粉病、ゴマ色斑点病、黒星病です。いずれも実付きや花付きを悪くし、最悪の場合全体的に枯れてしまうため、見つけ次第患部を取り除きましょう。多湿が原因になる場合が多いため、常に通気性をよくするように心がけてください。
実がなるタイプの品種は花後そのまま実になるため、花後の管理は特にありません。結実しないタイプの品種は、枯れた花をそのままにしておくと蒸れやカビの原因になります。花後は枯れたらすぐに取り除きましょう。
サンザシの苗を選ぶ際は、枝が伸びすぎておらず、葉が青々と茂っているものを選びましょう。
サンザシはどの品種でも実がなりますか?
サンザシは品種がとても多く、「実がなる」ものと「実がならない」ものがあります。また、八重咲品種のものは実がなりません。苗を選ぶ際は、目的や用途に合わせて選ぶようにしましょう。
サンザシは1年~3年に1回、植え替えが必要です。根詰まり具合を確認し、根が鉢底からはみ出るようであれば植え替えましょう。植え替えの適期は10月~11月か2月~3月です。根鉢を1/3ほど崩し、一回り大きい鉢に移しましょう。
夏の剪定の適期は、花が咲き終わった後の6月頃です。夏は高温多湿になりやすいため、風通しをよくするためにも、混みあった葉や枝は剪定しておきましょう。全体的な形を整えたい場合も、この時期に剪定してください。
冬の剪定の適期は、実の収穫が終わった後の11月~12月頃です。大きな枝の途中から伸びる小枝の先に花芽がつくため、大きな枝の先の伸びた部分を軽く切り落とす程度に留めましょう。サンザシは成長がゆっくりな植物なので、特に枝がかさばりあっていなければ、剪定しなくても問題ありません。
サンザシは暑さに強く、特に夏越し対策は必要ありません。ただし、乾燥と高温多湿を嫌うため水やりのタイミングに気をつけ、剪定や置き場所を変えるなど通気性確保に努めましょう。
サンザシは-10℃まで耐えられる、寒さに強い植物です。特に冬越し対策は必要ありませんが、霜が多い地域で管理する場合は、株元を藁などでマルチングしてください。
サンザシは接ぎ木か種まきで増やせます。接ぎ木の台木を探すのが難しいため、家庭での増やし方は種まきが主流です。挿し木は根が出にくく、種まきのほうが成功率は高いでしょう。
サンザシの種まき時期は10月~11月です。熟した実から種だけを取り出し、水で果肉を洗い流しましょう。種を乾燥させると発芽率が低下するため、種を採ったらすぐにまいてください。赤玉土を入れた箱やプランターに種をまき、1cmほど覆土します。乾燥に注意し外で管理しましょう。春になるころに発芽します。