サンザシってどんな植物?
日本ではあまり知られていませんが、サンザシは中国では古くから健康に役立つといわれる食材です。中国ではお菓子に加工されることも多く、日常的に食べられています。そんな甘酸っぱい味が人気のフルーツ、サンザシについて詳しく見ていくことにしましょう。
基本情報
園芸部類 | 果樹 |
形態 | 落葉低木 |
樹高・草丈 | 1.5~3m |
花の色 | 白 ピンク |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 庭木 鉢植え 盆栽 果実はお菓子や薬用に用いられる |
栽培の可否 | 可 |
中国からの伝来
サンザシ(山査子)が日本に持ち込まれたのは江戸時代(1734年)です。中国から小石川御薬園(こいしかわおやくえん、現在の小石川植物園)に薬用の樹木として持ち込まれました。
開花時期
サンザシの花が咲く時期は春(4~6月)です。新しい葉がでるとともに枝先に5弁の白い花を数多く咲かせます。サンザシの白い花には、甘くてさわやかな独特の香りをもちます。
収穫時期
サンザシの果実の収穫時期は暑さがやわらいだ10月ごろです。直径1~2cm程度の丸い果実がなり、熟成すると黄色~赤褐色に変化します。枝には棘(トゲ)があるため、収穫時には手を傷つけないよう注意が必要です。
セイヨウサンザシとの違い
セイヨウサンザシは名前の通りサンザシの近縁種です。セイヨウサンザシは英語でメイフラワー(Mayflower)、サンザシはホーソーン(Hawthorn)といいます。セイヨウザンザシもサンザシと同様に薬効をもち生薬として用いられます。セイヨウザンザシは「心臓によいハーブ」として有名です。
アセロラとの違い
サンザシの実はアセロラの実とたいへんよく似ているため間違いやすいのですが、サンザシとは別種の植物です。アセロラはキントラノオ科の常緑低木で、和名ではバルバドスサクラまたはバルバドスチェリーと呼ばれます。アセロラはビタミンC豊富なスーパーフードとして知られています。
サンザシの栄養価と効果・効能
スーパーフードと呼ばれる理由
サンザシの果実はビタミンやミネラルなどの栄養成分が豊富な甘酸っぱい果物です。その栄養価の高さによる美容と健康に有用な多くの効果と効能をもつため、スーパーフードとして注目されています。中国ではサンザシの果実は、ドライフルーツやお菓子にして昔から人気の健康食品です。
効能・効果①消化不良
サンザシにはクラテガル酸という成分を含み消化をうながす働きが認められます。胃液の分泌をうながし、胃の消化を助けるので、肉料理を食べ過ぎたときなどにおすすめです。漢方薬では乾燥したサンザシの果実を山査子(サンザシ)と呼び、健胃、消化をうながす生薬として消化不良などの症状に処方されます。
効能・効果②生理痛・腰痛の改善
民間薬としてサンザシの果実は血液の巡りを改善し、生理痛や腰痛を改善する効果が認められています。サンザシは血流を改善し、体をあたためる作用で冷え性にお悩みの方におすすめの果実です。
効能・効果③胃腸の調子を整える
サンザシの果実には胃腸の調子を整える作用が認められ、食あたりなどの下痢にも用いられる食材です。生薬としても慢性の下痢などにもサンザシの止瀉作用が効果を発揮します。
効能・効果④エイジングケア効果
サンザシにはポリフェノールが豊富に含まれ、抗酸化作用が認められます。ポリフェノールの中でも緑茶にも含まれるカテキンの含有量が多く、老化に深く関係する酸化を防ぎ、エイジングケアをサポートするといわれる果物です。
効能・効果⑤生活習慣病の予防
生活習慣病の予防に役立つといわれる栄養素がサンザシに多くふくまれるケルセチンという栄養素です。サンザシから抽出されるエキスは血圧を下げる、コレステロ―ル、中性脂肪などの低下させるなど、加齢とともに気になる症状の改善への作用が認められます。
効能・効果⑥アレルギー予防
サンザシに含まれるポリフェノールにはアトピーや花粉症などのアレルギーの予防にも有用な効果をもたらすといわれています。アレルギーによる不快な症状が気になるなら、予防策として日常的にサンザシをとりいれてみていはいかがでしょうか。
効能・効果⑦美肌効果
サンザシにはビタミンCやカロテンなどの美肌のための栄養素も豊富です。ビタミンCの美白効果やコラーゲン生成作用、カロテンの皮膚や粘膜を健康に保つ働きに加え、美肌作りに深く関わるクロロゲン酸、ウルソール酸なども含まれます。
副作用
美容や健康にうれしい効果や効能が豊富なサンザシですが、副作用には注意が必要です。サンザシにはこれといって大きな副作用は認めれていませんが、食べすぎは避けましょう。また、胃酸が多い、胃酸の吐き戻し、胃潰瘍などの不調を感じる場合の摂取は慎重にしてください。不安がある場合は事前に専門機関に相談しましょう。