ヤマモミジとはイロハモミジの園芸品種で、カエデとも呼ばれる植物です。モミジは切り込みが深いもの、カエデは切り込みが浅いものとして区別されています。秋になると赤や黄色などさまざまな色に染まり「紅葉狩り」としても人気の植物です。
園芸部類 | 庭木 |
形態 | 落葉高木 |
樹高・草丈 | 5~15m |
花の色 | 赤色 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 盆栽、カラーリーフ、初心者向け |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
モミジの原産地は北半球で、その多くは日本や中国に分布しています。品種により違いがありますが、夏は新緑、秋には紅葉とさまざまな姿が楽しめる落葉樹です。花はごく小さいプロペラのような形をしていて、ほのかな赤みを帯びています。
ノムラモミジ
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ノムラモミジはイロハモミジの園芸品種で、江戸時代より庭木として親しまれてきました。春から初夏にかけて葉の色が濃い紫色をしていることから、「濃紫(ノムラ)」と呼ばれています。モミジといえば秋に紅葉しますが、ノムラモミジは紅葉せず、黄色またはやや色あせた褐色に変化します。
ベニシダレ
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ベニシダレは細い葉がいくつかに分かれているのが、特徴的です。春から初夏にかけて赤く、下方向に垂れ下がる姿から名づけられました。ノムラモミジ同様に、秋には黄色または褐色に変化して、やがて落葉します。
植え付け時期 | 12~3月 |
植え替えの時期 | 12~3月 |
肥料を与える時期(庭植え) | 12~1月 |
肥料を与える時期(鉢植え) | 12~2月、6月 |
剪定の時期 | 12~2月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4~5月頃 |
ヤマモミジに限らず、モミジやカエデと呼ばれる植物は夏の暑さが苦手です。夏の間は株が疲れやすいので、手入れは最小限にしましょう。植え付けや剪定など栽培に必要な作業は、落葉した後の休眠期に行ってください。
モミジは庭植えのほかに、鉢植えでの栽培が可能です。また、盆栽に仕立てて風情を楽しむのもよいですね。モミジは経年とともに大きく成長します。庭に植える場合は、栽培場所をよく考えて植えましょう。
鉢植えは、苗よりもふたまわり大きい植木鉢を用意します。植える前に、根が傷んでいないか確認しましょう。傷んでいる場合は、しっかり取り除いてから植え付けてください。また、2年に1回植え替えをしましょう。
盆栽で仕立てる場合は、とくに初心者には気温に左右されにくい室内管理がおすすめです。毎年剪定をして、コンパクトに仕上げましょう。
栽培場所は、日当たりのよいところを選んでください。乾燥していると枯れる可能性があるので、適度に湿っている状態が好ましいです。通気性にも気を配りましょう。
ボタニ子
盆栽を室内で管理するときは、日当たりのよい窓際がおすすめです。エアコンの風が直接当たらないように、気をつけてくださいね。
モミジは水はけがよく、よく肥えた土質を好みます。植え付けの2週間前に赤玉土に腐葉土と黒土を7:1:2で混ぜ合わせて、土作りをしておきましょう。盆栽の場合は、赤玉土と鹿沼土を7:3で配合した用土と苔を用意して、乾燥しにくい環境を作ります。
庭に植えたモミジは降雨のみで大丈夫ですが、鉢植えのモミジは土の表面が乾燥してきたら、水やりをしましょう。とくに夏の間は、水切れを起こしやすいので気をつけてください。朝と夕の2回、水やりをすると効果的です。冬の間は、2~3日に1回を目安に水やりするとよいですよ。
葉が反り返ってしまった、どうして?
モミジは、水分が足りないと葉が反り返ったりしおれたりします。そうならないよう水切れに気をつけて育てましょう。
肥料は、緩効性化成肥料と有機物を混ぜ合わせたものを葉が落ちてきた頃に施します。鉢植えでは、6月頃にも同じものを施してください。モミジは、冬の間も吸水力があるので、忘れずに適切な時期に施しましょう。
モミジは、アブラムシやテッポウムシ、ミノムシなどがつきやすいです。とくにテッポウムシは、幹の内部に住み着き、木を食べ尽くしてしまいます。木の根元に木くずがこぼれているのがサインです。見つけ次第、すぐに退治しましょう。
モミジがかかりやすい病気に、すす病やうどんこ病があります。すす病は、葉が黒ずんできて見た目が悪くなるだけでなく、光合成ができなくなり、枯れてしまう病気です。うどんこ病も全体に広がると、枯れてしまう可能性があります。こまめにチェックして、薬剤などで適切に処置しましょう。
花後の管理は必要ありませんが、落葉後に剪定を行います。
モミジは、夏~秋にかけて「翼果(よくか)」と呼ばれるプロペラのような種子ができます。この種子は紅葉が進むとともに風で飛ばされてしまうので、秋口までに摘み取りましょう。山などで落ちているものを採取するのもよいでしょう。雪が降ると管理が難しくなるので、種まきは春に行ってください。発芽するまで、乾燥させずに管理するのがポイントです。
種まきの方法
収穫した種は乾燥させないように、湿らせたキッチンペーパーなどで包んで紙袋にいれて冷蔵庫で保管してください。種が乾燥すると発芽しない可能性があるためです。
苗は幹にほどよい太さがあり、枝が左右対称に伸びているものを選びます。また、葉の枚数が多くしっかり色づいていて、下枝が充実しているかもチェックしてください。幹や枝に穴が空いているものは、病気や害虫の被害にあっている可能性があるので避けましょう。
モミジを種から育てた場合は、葉が3~4枚に充実してきた頃に鉢上げします。大きめで深さのある鉢がよいです。直射日光に当たると枯れる可能性があるので、日陰で管理してください。
鉢植えのモミジは、2年に1回植え替えをします。植え替えは成長が緩やかになる12月~2月の間に行ってください。植え付けのときと同じ用土に植え付けましょう。
植え替えの手順
剪定は、休眠期にあたる12月以降に行います。葉が落ちて樹形がわかりやすいので、失敗も少ないでしょう。混みあっているもの、徒長しているものをメインに剪定します。夏の剪定は、暑さで株が弱る可能性があるので、よほど通気性が悪いときに限り行ってください。
夏はとにかく、乾燥させないことが重要です。庭植えは降雨のみの管理が基本ですが、何日も日照りが続く場合は、水やりをしてください。鉢植えや盆栽は、土の量が限られているため、保水力も落ちます。こまめに水やりをしましょう。
モミジは夏と比較すると、冬の寒さには強いです。暖地ではとくに心配いりませんが、雪が降り積もると重みで枝が折れる可能性があります。囲いをするなど雪対策をしましょう。鉢植えの場合は、軒下に移動させてください。
モミジは、挿し木で増やせます。初心者には難しいといわれていますが、ぜひ挑戦してみましょう。6月頃に枝を10cmほど切り取ったら、葉を2~3枚残して、切り口を1時間ほど水につけておきます。切り口に促進剤を塗ったら、赤玉土に挿して成長を見守りましょう。
落ちたモミジの葉が、近隣の家に落ちて迷惑をかけてしまうことも考えられます。庭木に用いるときは、大きくなりすぎないように気をつけましょう!