ノムラモミジ(野村紅葉)とは
自宅の庭のシンボルツリー選びは、実に難しいというのが多くの方のご意見でしょう。お庭の広さはもちろんのこと、雰囲気やご家族の好み、他の植栽との相性、育てやすさなど、考えなければいけないポイントは無限にあります。それら全てをマッチングさせることができる樹木としてノムラモミジ(野村紅葉)は最適です。
モミジとは
そもそも「モミジ」といえば日本の四季の中でも、最も趣のある季節『秋』の風物詩ともいわれている植物ですよね。「モミジ」なくして日本の『秋』は語れないと言っても過言ではないでしょう。いにしえの時代から多くの方々の心を癒し続けている「モミジ」は魅力満載の樹木です。
人気のモミジの種類
- オオモミジ
- コハウチワカエデ
- 旭鶴
- サトウカエデ
- ヤマモミジ
- イタヤカエデ
- イロハモミジ
- サンゴカク
- 鴫立沢
- 青しだれ
- ノムラモミジ
- 出猩々
ノムラモミジ(野村紅葉)とは
種類豊富として知られるモミジのなかでも古い品種として歴史を持つ「ノムラモミジ(野村紅葉)」は、古くは「武蔵野」の名で多くの人々から愛され続けてきたカエデ科カエデ属オオモミジ系に分類される赤系モミジの代表種です。10m以下の落葉中木で、庭木や公園樹に最適な種類となっています。
ノムラモミジ(野村紅葉)の特徴は
新芽から落葉までの時期を、赤い葉色で過ごす種類であることが最大の特徴で、その赤い色が微妙に変化していく様を一年中楽しめるのもこの品種ならではです。また、そのカラーバリエーションの豊富さも他のモミジにはない魅力ですね。
ノムラモミジ(野村紅葉)の魅力は
新芽といえば新緑という常識を覆す赤(濃い紫)が珍しく、かつ、美しいことからノムラモミジ(野村紅葉)の熱狂的なファンもたくさんいらっしゃいます。結実した実で実生することも可能で、その能力を活かして、ミニ盆栽などの育て方で楽しむ方も多いようです。
ノムラモミジ(野村紅葉)の名前の由来は
かつて「武蔵野」と呼ばれてきたモミジが、ノムラカエデ(野村楓)やノムラモミジ(野村紅葉)という名前になったのは、その葉の色が由来です。一般的には「赤」と思われている葉色ですが、実は濃い紫という表現されていて、その「濃紫(のうむら)」が転じて「のむら=野村」になったという説です。
ノムラモミジとイロハモミジとの違いは
一見、とても似ているのに、実は、まったく違う、ノムラモミジとイロハモミジ。とはいっても、もともとはイロハモミジを園芸品種改良したのが武蔵野、つまりノムラモミジですから、似ているのも納得です。ノムラモミジはイロハモミジと比較するとより日照を必要とする品種です。
イロハモミジとは
日本国内で最も目にすることが多いカエデ科カエデ属の仲間「イロハモミジ」。樹高15mの落葉高木で、「紅葉」といえばこの品種を差すというほど、多くの方に知られている代表種です。材の木目の美しさから床材などにも利用され銘木としても評価されています。
イロハモミジの特徴は
イロハモミジは、美しい樹形を楽しむモミジの代表で春4〜5月頃には赤い小さな花が咲き、秋には小さな竹トンボのような実をつける雌雄同株種です。春の爽やかな新緑、夏の涼しげな緑、秋の鮮やかな赤…と葉色がどんどん変化していくのも魅力です。
イロハモミジの名前の由来は
イロハモミジの名前はその葉の形状に由来し、特徴である掌状に深く5〜9裂する葉の裂片を「いろはにほへと…」と数えたことから、そう呼ばれるようになりました。
ノムラモミジとイロハモミジの違い
同じモミジの仲間でも、それぞれの特徴があり、とても魅力的な両者ですが、その両方の良い所を活かして一年中見どころのあるお庭を作るのも楽しいものです。
葉の色
ノムラモミジ(野村紅葉)とイロハモミジの特徴の違いは何といっても葉の色。2本植えれば春から夏にかけては赤や紫、緑といった色のコントラスト、秋には微妙にトーンの違うさまざまな赤のグラデーション。一年中、色で私達を楽しませてくれるというわけですね。
生育
イロハモミジは、一般的なモミジのなかでも、やや小ぶりで細い葉をもつ見た目繊細ではあるけれど、あっという間に大き育ちコンパクトな状態を保つのは難しいタイプ。一方、ノムラモミジ(野村紅葉)は、比較的成長がゆっくりで強剪定に弱いデリケートタイプです。
ノムラモミジ(野村紅葉)の育て方
かつては武蔵野という名でも知られ、江戸時代の世から人々に愛されてきたノムラモミジ(野村紅葉)。その葉は「赤」と一言で表現するには、もの足りないくらい深い色合いが魅力です。いわゆる「濃紫」といわれるその色に魅了された方々が、こぞってその育て方を研究し身近で楽しみたいと思ったことでしょう。
ノムラモミジ(野村紅葉)の植え付け
ノムラモミジ(野村紅葉)は日当たりの良い場所を好む種類なので、最高の紅葉を楽しみたいなら明るく水はけが良い、肥沃な土壌を選びましょう。株元には低木や下草など植えて直射日光が当たるのを避ける工夫をします。植え付けの最適期は12月から3月、植え替えするなら秋です。
ノムラモミジ(野村紅葉)の害虫への注意点
葉を食害する「イラガ」、根ぎわを食害する「カミキリ虫(鉄砲虫)」には要注意。また、新芽の時期の「アブラムシ」にも対策は必須です。いずれにしても薬害に弱いモミジへの農薬散布は望ましくありませんので、一年中の予防措置がなにより大事であることは覚えておきましょう。
ノムラモミジ(野村紅葉)の剪定の仕方
モミジやカエデを育てるうえで、愛好家のなかで行われている楽しみ方のひとつに樹形を整えることが挙げられます。つまり、モミジを語る上で「剪定」というのは欠かせないワードです。ミニ盆栽など仕立ててインテリアとして風情を味わっている方もいらっしゃるでしょう。
剪定のポイント
モミジは枝に動きがある自然樹形を大事にしたい樹木であるため、枝の流れを邪魔しない仕上がりをイメージしながら剪定を行います。枝はY字に伸びる特徴がありますので、Y字の中央にある強く太い枝を切り戻すのが基本で、幹内部に向かって伸びていく枝についてもお手入れします。
本剪定に適した時期
ノムラモミジ(野村紅葉)の剪定の時期に関しては、その適期がやや短いという特徴があります。落葉後~2月の休眠期、この時期に不要な枝を間引く程度の剪定をしましょう。もし、いわゆる切り戻しなど太い枝を切るような強剪定が必要な場合には、12月中に行うのが理想的です。
生育期の剪定
そもそも樹木の剪定は、陽の光を樹木の幹内部当てることと、風通しを良くすることを目的として行います。樹形を整えたり、徒長してしまった枝を取り除く程度の軽い剪定なら生育が盛んな時期、7月上旬頃に行うことも可能です。太い枝から出ている細かな枝を手で取り除き整理しましょう。
剪定の必要性
とはいえ、ノムラモミジ(野村紅葉)の場合、比較的自然に樹形が整うタイプですから、そのありのままの本来の姿を楽しむというスタイルも一般的です。つまり、強剪定する必要性はあまりなく、軽く形を整えるだけで、その色や形が和風にも洋風にもマッチするシンボルツリーとしても存在感ある樹木です。
ノムラモミジ(野村紅葉)の仕立て方のポイント
一度、気にいった形に剪定し、姿良く仕立ててしまえば、あとは伸びた部分を切るだけというシンプルな育て方で、その美しい樹形を常に保ってくれるのもノムラモミジ(野村紅葉) 別名:武蔵野、野村楓の優れた点です。
仕立て方のキーワード
- 中透かし
- 小透かし
- 玉仕立て
- 盆栽仕立て
まとめ
庭木のシンボルツリーとしても人気のノムラモミジ。お子さんやお孫さんの記念樹にでも植えてみてはいかがでしょうか?芝桜なんかと共に植えるとより味がでるかも知れませんよ?