レインリリーは中南米原産の球根植物です。日本へは江戸時代に渡来したと伝わっています。熱帯地域を原産とする植物ですが、耐寒性がある種類が多く、暖地なら地植え栽培も可能です。霜や寒風除けなどの簡単な防寒対策をすれば、冬越しできます。シンプルで可憐な花姿と、放っておいても増える丈夫さから、群生向きの植物といえるでしょう。
園芸部類 | 草花、球根植物 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 10cm~30cm |
花の色 | 白、ピンク、黄、オレンジ、赤、アプリコット |
耐寒性 | 強い~やや弱い(品種による) |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
レインリリーは花自体の寿命が短く、開花後2~3日で枯れてしまいます。しかし、新しい花が次々と咲くため、開花期間は長いです。レインリリーのおもな花色は白、ピンク、黄色でしたが、品種改良技術の発展にともない、クリーム色やアプリコット色、赤色と色数が増えています。
レインリリーは降雨で球根がうるおうと、花茎が伸びていっせいに開花する性質を持っています。このことから「レインリリー(雨のユリ)」と名づけられました。学名のゼフィランサスは、ギリシャ神話の西風の神ゼピュロス(Zephyros)と、ギリシャ語で「花」を意味する言葉「anthos」が由来です。
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タマスダレはペルーを原産とするレインリリーの品種です。白いつぼみが玉のように見えることと、細い茎がたくさん並ぶ姿が簾(すだれ)を連想させることから「タマスダレ(玉簾)」と名づけられました。レインリリーのなかで、特に流通している品種であることから、名前が和名として扱われることもあります。清楚な花姿と育てやすさから、人気の高い品種です。
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サフランモドキは、ジャマイカ、キューバ、メキシコ、グアテマラを原産とする品種です。花姿がサフランに似ていることから「サフランモドキ(サフランもどき)」という名前になりました。「カリナタ」という別名を持っており、こちらの名前で流通していることがあります。耐寒性が少し弱いため、寒冷地で栽培する場合は冬越し対策が必要です。
植え付け時期 | 3月中旬~4月下旬 |
肥料の時期 | 3月中旬~4月下旬、10月上旬 |
花が咲く時期/開花時期 | 5月下旬~10月頃 |
レインリリーの植え付けの適期は3月中旬~4月下旬です。レインリリーは熱帯原産種なので、暖かい気候を好みます。植え付けの適期のなかでも、寒さが完全に去る4月中旬頃が最適でしょう。地植えの場合、レインリリーは草丈が低いので、背の高い植物の近くは避けて植え付けます。
レインリリーは群生した姿が映える植物です。このため鉢植え栽培も、1つの鉢に球根苗を複数植え付けて管理する方法が基本です。球根苗を植え付ける数は、5号鉢に7球を目安にします。球根の上部が隠れる程度の深さで植え付けましょう。
レインリリーを地植えにする場合は、群生させるために複数の球根苗を植え付けるのが基本です。苗同士の間隔を3cm~5cmほど空けて、球根を植える深さは5cmほど土をかぶせる程度にして植え付けていきます。レインリリーは草丈が低いので、植え付け場所は花壇の前方や通路わきがおすすめです。
レインリリーが好むのは、日当たりと水はけがよい場所です。水はけが悪いと、根腐れを起こして枯れる恐れがあるので注意しましょう。日当たりがよい場所が理想ですが、明るめの半日陰でも育ちます。鉢植えであれば寒くなってきたら温室や暖かい屋内に移して管理すると、晩秋まで咲き続けることも可能です。
レインリリーにとって理想的な用土は、有機質をたっぷりと含んだ、水はけと通気性がよい土です。鉢植え栽培の場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:軽石1の割合で用土を作りましょう。作るのが面倒な場合は、市販品の草花用培養土でも大丈夫です。地植え栽培の場合は植え付ける前に、庭土に堆肥やパーラントを混ぜ込んで、レインリリーが好む土壌に改良しましょう。
レインリリーは、乾きとうるおいの繰り返しを好みます。レインリリーには降雨時に水分を大量に吸収して、花芽を伸ばして開花させるという特徴があるからです。鉢植えの場合は土の表面が乾いたところで、たっぷりと水を与えます。地植えの場合は、夏の乾燥がひどい時期には水やりをしましょう。レインリリーは乾燥が苦手です。特に生育期は水切れに注意しましょう。
レインリリーは、あまり肥料が必要な植物ではありません。元肥として、植え付け時に緩効性肥料を用土に混ぜ込んだら、あとは秋に追肥すれば十分です。秋の追肥は10月頃、緩効性化成肥料を株元に置き肥します。
レインリリーは丈夫な植物なので、特に警戒すべき病気や害虫はありません。ただし、ナメクジや蛾(が)の幼虫が花を食い荒らすことがあります。ナメクジや蛾の幼虫は通気性が悪く、雑草が多い環境で発生しやすい害虫です。雑草は早急に除去し、風通しのよい環境を維持できるように管理しましょう。
レインリリーは常緑性の球根植物であるため、放っておくと葉が茂り過ぎて通気性が悪くなってしまいます。傷んだり枯れたりしている古い葉を、冬の間に除去しましょう。
レインリリーは丈夫なので、数年植えっぱなしでも大丈夫です。古い根が活動しているそばから、新しい根が活動する植物なので、植えっぱなしのほうがよく育ちます。しかし、放置し過ぎても株が混みあってしまうので、地植えは4年~5年に1回、鉢植えは2年~3年に1回のペースで植え替えましょう。なお、レインリリーの植え替えは3月~4月が適期です。
レインリリーの剪定作業は、枯れたり傷んだりした古い葉を除去する「古葉摘み」と、開花後の花を除去する「花がら摘み」の2種類です。古葉摘みは冬の間、花がら摘みは開花時期に行います。レインリリーは開花期間は長いですが、花自体は短命です。咲き終わって枯れてきたら、早急に取り除きましょう。
球根植物のレインリリーの増やし方は、成長した球根を切り分けて増やす「株分け」が一般的です。レインリリーの株分けは、3月中旬~4月が適期とされています。植え替えの時期と同じなので、同時に行うと効率的ですよ。
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レインリリーは球根苗の購入が一般的です。品種によって耐寒性が異なるので、事前に品種や性質を確認しておきましょう。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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ポットサイズ | 10.5cm |
出典:写真AC