タマスダレとはどんな植物?
タマスダレは南米原産の多年生球根植物で、ヒガンバナ科ゼフィランサス属に属します。夏の終わりから秋にかけて真っ白な花を咲かせ、耐寒性もあり冬は霜にあたっても枯れません。常緑で自然分球し、丈夫で育てやすい植物です。タマスダレは1輪でもきれいですが、群植すると一面に花が咲き乱れて見ごたえがあるため、かためて植えられることが多いです。
基本情報
学名 | Zephyranthes candida |
科名 | ヒガンバナ科 |
属名 | ゼフィランサス属(タマスダレ属) |
原産地 | 南米 |
形態 | 多年生植物 |
花 | 白色、1本の花茎に対し1つ |
開花時期 | 8月終わり~10月頃 |
耐寒性 | 強い |
生態 | 葉、鱗茎(球根)部分は有毒 |
毒に注意
ゼフィランサス属に属しているタマスダレの仲間もたくさんあり、花の色も白以外に黄色やピンクなどさまざまです。そのなかでも流通量が多いタマスダレは、日本の気候に適しており、半野生化した群植もよく見られます。耐寒性だけでなく耐暑性も高く、水やりも降雨でまかなえるほど丈夫な植物です。しかし、全草が有毒で特に葉と鱗茎部分の毒性が強いため、外部形態が似ている植物(にら、ノビル)の近くに植えないよう注意が必要です。
名前の由来
学名はゼフィランサスカンディダ
学名でのタマスダレは「Zephyranthes candida(ゼフィランサス)」です。ギリシア語の「zephyros(西風の神)」「anthos(花)」を用いた合成語で、これに「candida(純白、輝きのある)」をつけています。花が自生している地域が、ヨーロッパから見て西側に多いことから名付けられました。
和名はタマスダレ(玉簾)
白い花を玉(タマ)に、その周りの並んだ細長い葉を簾(スダレ)に見立ててつけられました。原産地は主に南米のペルーですが、和名に変えるだけで親しみやすい名前になったといえるでしょう。
育てやすさ
植える場所 | 鉢植え、地植えどちらでもOK |
日光 | 日当たりいいほうが育つ |
水やり | 植えたときにたっぷり、その後乾けば与える |
肥料 | 追肥しなくてもOK |
冬越し | 耐寒性に強いため外でOK |
作業 | 枯れた花がら取り、枯葉取り(見栄え気になれば) |
植え替え | 4~5年に1度株間を広げる |
弱点 | 極度の乾燥(枯れないが花付きが悪くなる) |
初心者でも育てやすい
タマスダレはゼフィランサスのなかでも丈夫な種類で、半野生化しても生育します。日当たりさえよければ開花時期は次々花が咲き、日陰は花の付きが悪くなるものの、枯れてしまうことはありません。また、土が湿っていれば毎日水やりする必要もないです。有毒成分があるため、害虫がつく心配もほとんどありません。放置状態でも枯れずに育つ、初心者でも育てやすい植物です。
タマスダレの花言葉
真っ白な花から想像できるように、タマスダレの花言葉は「汚れなき愛」「純白の愛」などプロポーズで贈れそうな真っすぐものです。また「期待」「便りがある」という花言葉もあります。ゼフィランサスのzephyros(西風の神)が由来です。ヨーロッパで西風といえば「春の訪れを告げる豊穣の風」で、そこから連想されたのでしょう。