ミントは、料理の香りづけやミントティーなどに利用できる常緑性のハーブです。暑さや寒さに強いだけでなく、耐陰性もあるため、初心者でも気軽に育てられます。挿し木で簡単に増やせるのが特徴で、インテリアグリーンやグランドカバーなどに利用できる植物です。
園芸部類 | ハーブ、草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 2cm~120cm |
花の色 | 白、ピンク、薄紫 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 耐陰性がある、香りがする、グランドカバー、初心者向け |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ミントにはたくさんの種類があり、清涼感を楽しめる品種や、甘くて優しい香りのする品種までさまざまです。地植えでグランドカバーとして育てる場合は、繁殖力が強いので「ミントテロ」を起こさないように注意しましょう。キッチンで育てると、ハーブティーや料理のアクセントなど、気軽に調理に利用できるおすすめの植物です。
ミントは品種によって、効果や効能がそれぞれ違います。スペアミントやペパーミントは、ハーブティーに利用できる品種です。ペニーロイヤルミントは、虫除け効果が期待できるといわれています。また、パイナップルミントやジンジャーミントは、葉の色や形が美しく「カラーリーフ」としても人気の品種です。
スペアミント 【 苗 】 ハーブ 9cm ポット
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スペアミントは、スーッとした清涼感のある香りが特徴で、デザートや料理の飾りつけにおすすめです。摘みたてのスペアミントは、お風呂に入れると「アロマバス」としても利用できます。
花色 | 白、薄ピンク |
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草丈 | 20cm〜80cm |
アップルミント 10ポットセット 苗 多年草 ハーブ マルバハッカ
参考価格: 2,800円
アップルミントは、名前のとおりリンゴのような甘い香りのする品種です。ミントの中でも葉が丸いのが特徴で「丸葉薄荷(マルバハッカ)」とも呼ばれています。
花色 | 白、薄紫 |
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草丈 | 20cm〜50cm |
植え付け時期 | 3月〜7月、9月〜10月 |
植え替え時期 | 3月〜7月、9月〜10月 |
肥料の時期 | 3月〜10月 |
開花の時期 | 7月〜9月 |
収穫時期 | 4月〜10月 |
ミントは、地植えでも鉢植えでも育てられます。プランターや植木鉢を使って鉢植えにすれば、ベランダ栽培も可能です。「ランナー」と呼ばれる地下茎を伸ばして広がっていく性質があるため、増えすぎて困る場合は、ブロックなどで仕切ってから植え付けましょう。株間は、20cm〜30cmほどたっぷりとあけて植え付けてください。
ミントは直射日光に長く当たると、葉焼けを起こして枯れる恐れがあります。屋外で育てる場合は、ほかの植物の影になるような、半日陰で管理するのがポイントです。しかし全く日光の当たらない場所で育てると、葉の香りが薄くなる場合があります。室内での置き場所は、レースのカーテン越しの窓辺など、優しく日光の差し込む場所で育てましょう。
ミントは、水もちのよい用土が適しています。市販されている「ハーブ専用培養土」や「草花用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。
ミントを地植えで育てている場合は、降雨のみで十分です。しかし雨が全く降らない日が続くと、水切れを起こして下葉から枯れ込んできます。そのため、様子を見ながら用土が乾ききらないように管理してください。鉢植えの場合は、土の表面が乾く前に水やりをします。
猛暑日の水やりのコツは?
夏の気温が高い時間帯に水やりをすると、水や土が熱くなりすぎて蒸れてしまい、根腐れを起こす場合があります。猛暑日は朝と夕方の涼しい時間帯に、1日2回水やりをするのがコツです。土の表面がすぐに乾いてしまうようならば、ビニールやバークチップでマルチングをしておきましょう。
ミントは、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし成長が滞っている場合や、葉をたくさん収穫したい場合は、3月〜10月にかけて規定の分量よりも薄めた液体肥料を与えましょう。1カ月に1回〜2回の割合で、水やりの代わりに株元に与えます。肥料の与えすぎは、肥料やけを起こし枯れる原因となるので注意が必要です。
葉が黄色く変色する原因は?
日当たりの悪い場所で育てていると、葉が黄色く変色し、ポロポロと落葉する場合があります。日光不足が原因のため、置き場所を移動させて、日照時間が長くなるように調整してください。
ヨトウムシは、漢字で「夜盗虫」と表記されます。名前のとおり、夜になると活動を始める害虫で、昼間は土の中に潜んでいるのが特徴です。葉が穴だらけに食害されているのに、害虫が見つからない場合はヨトウムシを疑います。株元の土に殺虫剤を散布するか、夜に見回りをして、箸などで直接引き剥がして駆除してください。
さび病は、カビの菌糸が原因で発生する病気です。感染した部分が、茶色や褐色の楕円形状に変色するのが特徴で、放っておくと腐敗が始まり悪臭を放つようになります。さび病に感染した部分は、薬剤を散布しても治せないため、ほかの部分への感染を防ぐためにも早めに切り取って処分しましょう。
ミントは7月〜9月に、白色やピンク色の小さな花を咲かせるのが特徴です。花後に花がらを放置するとカビが発生しやすくなり、灰色かび病に感染して枯れる恐れがあります。花後はこまめに花がら摘みをして、株を清潔に保ちましょう。
葉の収穫を優先する場合は?
ミントの花をたくさん開花させると、葉に栄養分がいかなくなり、収穫量が少なくなります。葉の収穫が目的の場合は、花後ではなく、花芽がついた時点で花茎から摘み取ってください。
ミントをポット苗の状態で購入する場合は、下葉までしっかりとついており、茎の太い苗がおすすめです。葉の裏側までチェックして、病害虫被害を受けていない苗を購入しましょう。葉の先端が黒色や黄色に変色している苗は、弱っている可能性があるので避けてください。
ミントは成長が早く、鉢の裏側から根が飛び出してしまう場合もあります。鉢植えの場合は、余裕をもって大きな鉢を選んでおくと安心です。多少ならば根を切っても枯れる心配は少ないので、根についた古い用土や、根が傷んでいる部分を取り除いてから、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。
植え替えは必要?
地植えの場合は植え替えの必要はありません。鉢植えの場合は、地下茎を伸ばして増えていくため、鉢の中で根詰まりを起こしやすくなります。そのため、基本的には毎年植え替えが必要です。
ミントは放任で育てると、茎がどんどんと伸びて、1mを超えるまで大きく成長する植物です。葉が込み入ってくると病気にかかりやすくなるため、4月〜6月に切り戻し剪定をします。茎が伸びすぎている部分や、葉が茂りすぎている部分を剪定し、草姿を整えていきましょう。
ミントは耐暑性は強いですが蒸れに弱いので、梅雨がくる前にしっかりと剪定をしておきます。風通しのよい環境で夏越しさせ、病害虫被害の発生を予防しましょう。
ミントは丈夫な植物のため、冬越しに必要な作業はとくにありません。地上部が枯れてしまっても、地下茎が残っていれば、春に新芽が出てきます。
ミントは、春〜秋にかけて挿し木で増やしていきましょう。剪定で切り落とした健康な茎を使用しても構いません。先端から15cmほどの長さで切り取り、赤玉土などの用土に挿していきます。発根するまでは、水切れを起こさないように、風通しのよい日陰で管理してください。
水耕栽培は可能?
挿し木をする際に、土を使用せず「水挿し」でも増やせます。下に葉がついているままでは葉が腐ってしまうので、しっかりと取り除いてから水に挿してください。