ミントテロとは?
ミントテロとは、庭に植えたミントが大増殖してしまい、ほかの植物が駆逐されてしまった状態、またはミントの圧倒的繁殖力を悪用した嫌がらせ行為を指します。ミントは爽やかな香りとみずみずしい緑色が魅力的なハーブですが、生命力と繁殖力が恐ろしく強い植物です。庭に植えると、あっという間に増殖してミント一色の庭に変えてしまいます。このことから「ミントテロ」と呼ばれるようになりました。
だからミントが繁殖すると、ほかの植物が全滅してしまうんだよ。これが「ミントテロがやばい」と危険視される理由でもあるんだ。
ミントを植えるとミントテロになる理由
①ゴキブリ以上の繁殖力
ミントの生命力と繁殖力の強さは「やばい」「危険」「ゴキブリ以上」と評されるほどです。危険視されるほどの繁殖力の秘密は、ミントの増殖方法にあります。ミントには「種」と「地下茎」の2種類の増殖方法があります。このため放置していると、勝手にどんどん増えていきます。しかも生命力が強く、ちぎれた葉っぱや1cmほどの根からでも繁殖が可能です。
もともとハーブ類は生命力や繁殖力が強い植物が多いのですが、そのなかでもミントの繁殖力の強さは飛びぬけています。
本当に、ミントの生命力と繁殖力の強さは「やばい」「ゴキブリ以上」と評されるのにふさわしいよね。
②近所迷惑になる危険植物
ミントは栽培が容易で料理やお茶にできることから、自宅で栽培する方も多い植物です。しかし、庭に植えると種と地下茎の2種類の増殖法で増えに増えて、たちまち庭を占拠してしまいます。恐ろしいのは、大量繁殖したミントを取り除くのも大変ですが、場合によっては隣近所の庭にも広がっているというケースもあることです。ミントの扱いにはくれぐれも注意しましょう。
ミントの繁殖力は、へたな雑草よりも強力です。ミントテロが起きないように、庭の管理はしっかりと行いましょう。
③嫌がらせに利用される?ミントテロ
元来ミントテロとは、嫌がらせの手段として、相手の庭にわざとミントを繁殖・増殖させる行為を指す言葉でした。ミントは、わざわざ種を庭に植えなくても、少しの根っこや葉っぱでも増えてしまう植物です。さらに、ほかの植物を駆逐して庭の景観を損なうばかりか、ミント特有の香りが強くなり過ぎて、健康被害を起こす恐れもあります。
ミントの大量増殖は、単なる嫌がらせにとどまらない迷惑行為なんだ。被害の大きさによっては、犯罪とみなされることもあるんだよ。
ミントテロに匹敵する危険植物14選
ミントテロと同じ意味で使われる言葉に、「ハーブテロ」「ドクダミテロ」という言葉があります。強い繁殖力を持ち、扱いをあやまると大量増殖する恐れのある植物は、ミントだけではありません。また、ハーブや雑草だけではなく、鑑賞用として栽培される美しい植物にも「植物テロ」と呼ばれる危険性を持つものがあります。庭に植える植物を選ぶ際には、植物の性質をしっかり把握しておきましょう。
危険植物①竹・笹
科名・属名 | イネ科タケ亜科 |
草丈・樹高 | 5m~10m |
開花時期 | 不定期 |
竹(タケ)や笹(ササ)は、イネ科イネ亜科に属する植物の総称です。日本においては、縄文時代から自生していたという古い歴史を持ち、加工しやすい性質から、日用品、建築資材、細工物、武具、楽器と、さまざまな場面で活躍してきました。その一方で、とてつもなく強い成長力と繁殖力を持つ植物として、危険視もされています。
驚異的成長力を持つ地下茎
竹は「1日で1m伸びる」といわれているほど、強い成長力がある植物です。しかし、竹の恐ろしさは地下茎の強靭さにあります。その強靭さは1年間で約8cm伸び、コンクリートをも突き破るほどです。そのため竹が一度繁殖すると、専門家の手が必要になります。竹を駆除するためには地上に生えている竹だけではなく、恐ろしく強い地下茎にも対処しなければならないからです。
竹の完全駆除は専門家でも、数年かけてようやく完遂できるというほど、難しい作業です。
地下茎でつながった竹や笹が、隣近所に影響をおよぼすこともあるんだ。竹や笹を庭に植える場合は、事前に専門家に相談しようね。
危険植物②ノウゼンカズラ
科名・属名 | ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属 |
草丈・樹高 | 3m~9m |
開花時期 | 7月~8月 |
ノウゼンカズラ(凌霄花)は、中国原産のつる性植物で、日本へは平安時代に渡来しました。夏に咲かせる鮮やかな花と、丈夫な性質から、古くから庭木として親しまれている植物です。しかし、つる性植物なので、きちんと管理しないとほかの樹木や壁に絡みついてしまいます。地下茎で増殖するため、除去するのも難しいです。植える場所はよく考えておきましょう。
開花時期はハチに注意
ノウゼンカズラの花は赤やオレンジなど、花色が鮮やかでとても美しく、満開時は見応えがあります。しかし、甘い蜜があるためハチなどの害虫がよってきてしまいます。ノウゼンカズラの開花期間中は、ハチに刺されないように注意が必要です。
危険植物③ワルナスビ
科名・属名 | ナス科ナス属 |
草丈・樹高 | 30cm~1m |
開花時期 | 6月~9月 |
ワルナスビ(悪茄子)は北米原産の草花で、日本では雑草として扱われています。「ワル(悪)」という名前が示すように、非常にたちが悪い雑草です。茎や葉に鋭いトゲがあるうえに、ミントと同じく種と地下茎でどんどん増殖します。厄介な性質とすさまじい繁殖力から、環境省によって「要注意外来生物」に指定されています。
地植え厳禁の有毒植物
ワルナスビは、ミント以上のテロ植物として危険視されている雑草です。ワルナスビは開花後、プチトマトに似たかわいい実をつけます。しかしソラニンという有毒成分を持っているため、食用できません。また、ワルナスビは種と地下茎で増殖するうえに、除草剤が効きにくいという厄介な性質を持っています。庭に植えるのは避けましょう。
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雑草以上に繁殖力が強いミントは、増殖する過程で、ほかの植物の養分まで奪ってしまうのです。