スペアミントとは
スペアミントは、ハーブに分類される植物の中でも清涼感のある香りが魅力で、料理の香りづけやハーブティーなどに使われています。耐暑性や耐寒性が強いため家庭菜園にも人気で、地下茎を伸ばしてどんどん大きく成長していくのが特徴です。育て方も簡単で、鉢植えにしてベランダ栽培や、庭のグランドカバーとしても利用できます。
基本情報
園芸部類 | ハーブ |
形態 | 多年草 |
樹高 | 10cm〜80cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
特徴
スペアミントはハーブに分類される植物の中でも、香りがきつすぎないのが特徴です。常緑性のため、いつでも清涼感のある香りを楽しめるのが魅力で、開花時期の7月〜9月にかけて白色の小さな花を咲かせます。生命力や繁殖力が強く、育て方も簡単でガーデニング初心者にもおすすめの植物です。
スペアミントの仲間・種類
スペアミントと同じ「シソ科」や「ハッカ属」に分類されるハーブは、種類が豊富で特徴もさまざまです。そんなスペアミントの仲間を2種類ご紹介します。
①ペパーミント
ペパーミントは、ヨーロッパに広く自生しているため「西洋薄荷(セイヨウハッカ)」とも呼ばれています。メントールやタンニンを含んでおり、胃腸の調子を整えてくれる効果や、リラックス効果が期待できるハーブです。
②アップルミント・パイナップルミント
アップルミントは、葉が丸みを帯びてるのが特徴で「丸葉薄荷(マルバハッカ)」とも呼ばれている品種です。葉をこすると、青リンゴのような香りがするため、アップルミントと名付けられました。また、アップルミントの葉に斑模様の入った品種が「班入りアップルミント」で、別名は「パイナップルミント」です。以下の記事もぜひ参考にしてくださいね。
スペアミントの育て方①時期
スペアミントは比較的丈夫な植物ですが、霜が降りたり雪が降ったりする季節は根付きにくいのが特徴です。しかし、一度根付いてしまえば放任でも育てられ、一年中いつでも収穫できます。そんなスペアミントに適した植え付け時期や、剪定時期などを見ていきましょう。
植え付けから収穫・開花までの時期
植え付け時期 | 4月〜6月 |
花が咲く時期/開花時期 | 7月〜9月 |
剪定時期 | 5月〜9月 |
収穫時期 | 1年中 |
おすすめの栽培時期と理由
スペアミントの育成に適した温度は15℃〜20℃とされており、雪が降るような寒い季節に植え付けや剪定をすると枯れる恐れがあります。植え付けは4月〜6月、剪定は5月〜9月に行うのがおすすめです。
スペアミントの育て方②準備
スペアミントは地植えでも鉢植えでも栽培可能で、屋外でも室内でも育てられるのが魅力です。プランターに植えてベランダ栽培として育てるのも人気があります。自分好みの場所や方法で、スペアミントを育てていきましょう。
プランター
プランターで育てる場合は、日当たりと風通しのよい場所を選びましょう。水はけをよくするために、鉢底ネットと鉢底石を使用するのもおすすめです。繁殖力が強く、横に大きく広がる性質があります。そのため、株間は15cm〜20cmほど余裕をもって植え付けてください。
用土選び
スペアミントは、水もちと水はけのよさを兼ね備えた用土を使用して育てます。市販されている「ハーブ専用培養土」や「野菜用培養土」を使用してもかまいません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んでから、少量のピートモスを加えた用土を使用してください。
苗選び
苗の状態で購入する場合は、病気や害虫被害を受けていない健康な株を選びましょう。葉の色が黄色く変色していたり、茎が茶色く乾燥していたりする株は避けてください。茎が太くしっかりしたものを選ぶと、大きくて立派な株に育ちます。
スペアミントの育て方③植え方
スペアミントは種と苗の2つの状態から育てられます。比較的丈夫な植物で発芽率も高いため、どちらでも簡単に植えられるのが魅力です。種まきと苗植えに適した時期や方法を紹介します。
種の場合
スペアミントの種まきに適した時期は4月〜6月です。スペアミントの種はとても小さいので、種まきをする前にあらかじめ用土を濡らしておくと、種まき後の水やりで種が流れるのを防げます。深植えにすると発芽率が悪くなるため、上からばらまくように種まきするのがポイントです。
苗の場合
苗植えをする時期も、種まきと同じ4月〜6月が適期です。地植えにする場合は、地下茎でどんどんと広がっていく性質があるため、ほかの植物の妨げにならないようにスペースをたっぷりとあけて植え付けましょう。鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐために大きめの鉢を使用して、毎年植え替えてください。
スペアミントの育て方④環境
スペアミントは庭のグランドカバーにしたり、室内で鉢植えにしたり、さまざまな環境で育てられます。スペアミントを室内や屋外で育てる環境について見ていきましょう。
室内で育てる場合
スペアミントを室内で育てる場合は、窓辺の日当たりのよい場所が適しています。日光が強く当たりすぎると葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越しなどがおすすめです。日光がまったく当たらないと茎だけが徒長してしまいます。葉つきが悪くなるので注意しましょう。
屋外で育てる場合
屋外で育てる場合は、日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。直射日光に長く当てると、葉が乾燥してパラパラと葉落ちしてしまったり、葉色が悪くなったりして枯れてしまう恐れがあります。木の陰や半日陰で育てると安心です。また、冬場に霜に当たると枯れてしまうため、鉢植えの場合は軒下や室内へ移動させましょう。
スペアミントの管理
スペアミントの水やりや剪定方法、挿し木や株分けでの増やし方など、詳しい育て方をご説明します。
水やり
地植えの場合は雨水のみで十分なため、水やりの必要はありません。しかし、雨がまったく降らずに地面が乾燥しすぎているようならば、様子を見ながら水を与えてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥し始めたら、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水やりをしましょう。多湿が苦手なため、水の与えすぎは根腐れの原因になります。
剪定
スペアミントは放任で育てると縦にも横にも大きくなるため、剪定を行いながら育てる必要があります。剪定は5月〜9月に行いましょう。伸びすぎた茎や込み入っている部分を切り戻し剪定して、樹形を整えてください。剪定した部分は、ハーブティーにして楽しんだり、挿し木にして増やしたりできます。ハーブティーについては、以下の記事も参考してみてくださいね。
増やし方
スペアミントは「挿し木」と「株分け」の2つの増やし方ができます。どちらの方法も成功率が高く、初心者でも気軽に増やせるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。それぞれの増やし方に適した時期や方法を紹介します。
挿し木
挿し木に適した時期は4月〜6月のため、剪定で切り落とした茎を使用してもかまいません。先端から15cmほどの長さでカットして、下のほうについている余分な葉を取り除きます。赤玉土などの挿し木用の用土に挿し、たっぷりと水を与えて発根を待ちましょう。植え付け前に、コップに水を入れて切り口を浸し、水を吸わせておくのがポイントです。
株分け
まずは、大きく育ったスペアミントの株を選び、根を傷つけないように土から掘り起こします。手でほぐして簡単に分かれる部分で株分けしていきましょう。株分けしたらそれぞれを新しい用土に植え付け、水切れに注意しながら根付くまで日陰で管理してください。
まとめ
スペアミントの栽培方法や剪定の仕方、挿し木や株分けでの増やし方などを紹介しました。耐暑性や耐寒性が強く、放任で育ててもどんどんと増えていくので、定期的に剪定や収穫をして育てるのがポイントです。常緑性でいつでも爽やかな香りが楽しめる魅力的なスペアミントを、ぜひ育ててみてくださいね。