ペパーミントとは
さわやかな香りが魅力的なペパーミント。プリンやゼリーの上にちょこんと乗っているだけで、とてもおしゃれですよね。そんなペパーミントは、自宅で誰でも簡単に育てることが可能です。ペパーミントの栽培方法や収穫時期について詳しくご紹介します。
ペパーミントの基本情報
科名 | シソ科 |
属名 | ハッカ属 |
和名 | コショウハッカ、セイヨウハッカ |
原産地 | ヨーロッパ大陸 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 強い |
ペパーミントの特徴
ペパーミントはハーブの仲間で、メントールの香りがする多年草です。生命力がとても強く、雑草のように生え広がります。ハーブティーやガムの香料などにも使われていますが、西洋では病気のときに発汗を促したり、胃を健康に保つ目的で使われたりと、薬として使用されることもありました。
ペパーミントの名前の由来
ペパーミントの和名は「コショウハッカ」といいます。コショウを英語で「ペッパー」ハッカを「ミント」ということから、ペパーミントと呼ばれているのです。メントールのさわやかな香りの印象通り、ぴったりな名前がついています。
ペパーミントの仲間
コショウハッカという和名をもつペパーミントのように、さまざまな食べ物の名前がついている品種がいくつかあります。どれも名前通りの香りがする植物で、魅力的なものばかりです。ペパーミントの仲間をいくつかご紹介します。
アップルミント
名前の通り、アップルやミントのような甘い香りが特徴のアップルミントも、ペパーミントと同じハーブの品種です。アップルミントのハーブティーや、アイスクリームのトッピングに使われています。白やピンクのかわいらしい花を咲かせる品種です。
オレンジミント
オレンジのような柑橘系の香りが楽しめるオレンジミントは、リラックス効果が期待できるといわれています。ポットにお湯を入れて、そこに摘んできたオレンジミントの葉を入れて蒸すだけで、オレンジミントハーブティーが作れるのも魅力です。
バナナミント
バナナミントは、名前の通りバナナのような香りのする品種です。白っぽい、うす紫色の花を咲かせます。他のミントと同じように、主にハーブティーに使われることが多いですが、花や葉をポプリにして楽しむこともできます。
ペパーミントの育て方
ペパーミントは自宅の庭に植えておくだけで、使いたいときに好きな量を収穫することができてとても便利です。収穫したペパーミントは、ハーブティーやいろいろな料理のアクセントに使えます。そんなペパーミントの種まきや間引きの方法など、基本的な育て方をご紹介します。
置き場所
日光を好むペパーミントは、日当たりのいい置き場所が適しています。地植えの場合は、庭の中でもなるべく木の陰にならない場所に植えると、ペパーミントがすくすくと育ちやすいです。植木鉢などの置き場所は、建物の影にならないような、日照時間の長い場所が向いています。
用土
ペパーミントはハーブなので、ハーブ用の土が適しています。ホームセンターなどに売っているハーブ用培養土を使用するか、赤玉土と腐葉土にバーミキュライトを混ぜた土でも可能です。地植えの場合は耕した土に、推肥や腐葉土を混ぜて作ります。
種まき
種まきは風があまり強くないときに行うことが重要です。ペパーミントの種はとても小さいので、風に飛ばされてしまう恐れがあるからです。赤玉土の上に、パラパラと種同士が重ならないように種をまきます。上から薄く土をかぶせれば種まきは完了です。
苗植え
種を植えて芽が出て、ある程度大きく育ってきたら苗植えをします。だいたい茎が5cmほどに伸びたペパーミントが、苗植えに向いています。鉢植えにするときも、地植えにするときも、ペパーミントは根を広くはるということを忘れずに植えることが大切です。
鉢植えやプランターでの育て方
とにかくよく育つのが特徴のペパーミントは、根も広くはります。あまり小さな植木鉢に苗を植えると、すぐに窮屈になってしまうので、大きなサイズの植木鉢が向いています。プランターに植える場合は、株と株の間を15cmほど離して植えることが重要です。置き場所は日当たりのよい場所を選びます。
地植えでの育て方
ペパーミントの根はいろいろな方向へ伸びていくので、30cmほどの深さまでブロックなどで仕切りを作る必要があります。地植えでペパーミントの苗を植えるときには、他の植物の栄養を吸い取ってしまわないよう、根の管理が重要です。苗は20cm離して植えるとよく育ちます。
水やり
ペパーミントは乾燥を嫌うのでたっぷりと水をあげることが大切です。鉢植えの場合は、あふれるくらい水やりしても構いません。地植えの場合はよっぽど乾燥していない限り、水やりの必要はありませんが、地面が割れるほど乾いていたら水やりをします。
育て方のコツ
生命力が強く初心者にも育てやすいペパーミントですが、発芽のときや間引きをするときに少しだけコツがあります。どれも簡単で、初心者にもできることばかりです。ペパーミントが発芽しやすくなる育て方や、上手な間引きの方法をご紹介します。
ペパーミントの発芽のコツ
ペパーミントの種は、ある程度の湿度がないと発芽しません。種まきをした後に、土の上へ軽くラップをかけておくと、適度な湿気がキープできるので、発芽しやすくなります。芽が出てきたらラップを取ることを忘れないよう注意が必要です。
ペパーミントの間引きのコツ
ペパーミントは香りが重要です。間引きをするときには、葉の匂いを嗅いでみて、香りのよいものを残すようにします。また、葉と葉が重なっていると日当たりも悪くなり、成長によくないので、葉が茂っている箇所の葉を減らすように間引きをすることがポイントです。
ペパーミントの増やし方
ペパーミントは生命力がとても強いので、放っておいてもどんどんと増えていきます。しかし好きな場所へ植えたい場合や、鉢植えなどに小さな株で育てたいときには、挿し木で増やす方法が最適です。簡単なペパーミントの増やし方をご紹介します。
挿し木での増やし方
挿し木で増やす場合は、まず「挿し穂」を作ります。ペパーミントの茎を5cmほどの長さで切り、下から2節の葉を取ります。これが挿し穂です。挿し穂をコップなどに入れ、水に付けておきます。しばらくして挿し穂の下から新しい根が出てきたら、土に植えます。
放任での増やし方
暑さや寒さにも強く、地植えの場合は放っておいても増えていくペパーミントですが、少し手入れをするだけで、きれいに増やすことができます。ランナーという茎が伸びてきたら、イメージする場所へと誘導し、上に増えるときには支柱を立てると、見た目がすっきりするのでおすすめです。
ペパーミントの収穫
ペパーミントは雑草のように生命力が強く、放っておいても次々と根をはり、株を増やしていきます。葉や茎も日光を浴びてすくすくと育つので、いつでも好きなときに収穫が可能です。そんなペパーミントが一番よく収穫できる時期や、収穫方法をご紹介します。
収穫時期
ペパーミントは5月~9月に大きく成長します。収穫時期は年中可能ですが、この時期が一番たくさん収穫できるので、毎日収穫しても次々と生えてきます。ペパーミントはあまり枯れることがないので、必要なときに好きなだけ収穫しても大丈夫です。
収穫方法
葉が伸びてきた茎の、先の方から20cmほどで切り取ります。茎を切ると、とても爽やかな香りが広がります。収穫した後はいくつか茎を集めて束ね、風通しのいいところに吊るしておくと、ペパーミントを長く保存させることが可能です。
ペパーミントの花言葉
ペパーミントは葉のイメージが強いですが、実は花が咲くのをご存知ですか?ラベンダーに似た薄紫色で、稲穂のような形をしています。そんなペパーミントの花には「心のあたたかさ」「まごころ」という、とても優しくてあたたかい花言葉がついています。
まとめ
ペパーミントの育て方や、増やし方などをご紹介しました。日当たりのよい場所で育てると、手入れも簡単で、初心者でも気軽に育てることができます。爽やかな香りのするペパーミントをぜひ育ててみてはいかがでしょうか?
出典:写真AC