キンモクセイの育て方!花付きがよくなる植え方と剪定方法 | 植物図鑑

キンモクセイ
キンモクセイ・花
キンモクセイ・8月
学名osmanthus fragrans var.aurantiacus
和名キンモクセイ(金木犀)
別名
英名fragrant orange-colored olive
科・属名モクセイ科・モクセイ属
原産地中国
花言葉謙虚、気高い人

キンモクセイの概要

出典:写真AC

キンモクセイは庭の生垣や公園などでよく見かける常緑の小高木です。秋に5mmほどの小さなオレンジ色の花が、葉の付け根に集まって咲きます。木の周囲に漂う、花の強く甘い香りが特徴的です。花は砂糖漬けやお茶に利用されます。

基本情報

園芸部類 花木
形態 常緑、小高木
樹高・草丈 3~6m
花の色 オレンジ
耐寒性 弱い
耐暑性 普通
特性・用途 花に香りがある・庭木、生け垣、鉢植え
栽培難易度 ★★☆☆☆

特徴

キンモクセイは長さ4~10cm、幅2~3cmの長だ円形~広皮針形の固い葉があります。キンモクセイは雄花と雌花が別の株につき、雌株にだ円形の実がなります。日本には花が多い雄株だけが原産国から持ち込まれたために、現在庭などで見られるキンモクセイは実がつきません。

ギンモクセイとの違いは?

ギンモクセイは、キンモクセイと同じモクセイ科モクセイ属の、香りのある白い花が咲く小高木です。キンモクセイはギンモクセイの変種とされています。

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キンモクセイの代表品種・種類

四季咲きキンモクセイ

キンモクセイ(金木犀):四季咲き

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四季咲きキンモクセイは、キンモクセイを春~秋まで断続的に花が咲くように改良された品種です。耐寒性にすぐれているために、雪がちらほらと降る地域でも屋外で冬越しができます。

キンモクセイの育て方①時期

出典:写真AC

植え付けから開花までの時期

植え付け時期 3~4月、10~12月
肥料の時期(鉢植え) 2月下旬、5月、8月
肥料の時期(地植え) 2月下旬
剪定の時期 10~3月、6~7月
花芽がつく時期 7~8月
花が咲く時期/開花時期 9月下旬~10月上旬頃

キンモクセイの植え付け時期は?

キンモクセイの植え付けは冬の寒い時期と夏の暑い時期を避けましょう。

キンモクセイの開花時期は?

キンモクセイの開花時期は9月下旬~10月上旬です。1~2週間ほどの間に開花して散ります。

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栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
植え替え
肥料(鉢植え)
肥料(地植え)
剪定
開花時期

栽培適期は?

夏に花芽がつきます。
出典:筆者撮影

キンモクセイは春に勢いよく新しい枝葉が伸びて、7~8月頃そこに花芽がつきます。春の新しい枝が出る時期から開花するまでの間に枝を切ると、花は咲きません。

キンモクセイの育て方②栽培環境

出典:写真AC

栽培方法

鉢植え・露地

キンモクセイは、鉢植えか地植えで管理します。キンモクセイは植え替え後、数年間花が咲かない場合があります。地植えにするときは、成長後、植え替えをしなくてよい場所を選びましょう。植木鉢はあらかじめ大きく成長すると想定して、8号以上の大型のものを用意します。

育てる場所

室内・屋外

キンモクセイの木は、室内・屋外どちらでも育ちます。北海道や東北など気温が低い地域で育てるときは、鉢植えにして冬は室内で管理します。

置き場所・日当たり

キンモクセイは日向か半日陰の風通しのよい所で育てましょう。寒さに弱いため、冬の冷たい風が当たる所は注意が必要です。キンモクセイは日陰や大気が汚れた所で育てると、枯れはしませんが花つきが悪くなります。極端に交通量の多い道路に面した所は、できるだけ避けましょう。

用土

キンモクセイに適しているのは、水はけのよい肥沃な土です。鉢植えにするキンモクセイは、赤玉土7:腐葉土3で配合して用土とします。市販の花木用の培養土も配合の手間がなくおすすめです。地植えのキンモクセイは、植える場所の土に腐葉土を混ぜて使いましょう。

キンモクセイの育て方③管理のポイント

Photo by zunsanzunsan

水やり

鉢植えで育てるキンモクセイは、土の表面が乾きはじめたらたっぷり水を与えましょう。地植えのキンモクセイは降雨があれば育つため、基本的に水やりの必要はありません。水切れをおこして花つきが悪くならないように、極端に降雨の少ない時期だけ水を与えましょう。

肥料

鉢植え

鉢植えで育てるキンモクセイは、2月下旬に寒肥、5月頃に追肥、8月頃に花肥(はなごえ)と年に3回肥料を施します。寒肥にはたい肥などの緩効性有機肥料を、追肥と花肥は緩効性有機肥料か化成肥料を、鉢全体に均一になるように与えましょう。

地植え

地植えにしたキンモクセイは、2月下旬に緩効性有機肥料を寒肥として施します。枝先直下の地面に、幹を軸にして輪を描くように深さ10cm程度の穴を掘り、肥料を埋めると効果的とされています。穴が掘れない場所も多く、手間がかかるため、ばらまき用の肥料もよく使われます。

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害虫対策

キンモクセイにはカイガラムシやハダニ、ハマキムシなどの害虫がつきます。カイガラムシやハダニは葉や茎の汁を吸い、葉が枯れたり新しい葉が出なくなったりします。ハマキムシは葉を巻いて巣をつくる蛾の幼虫です。風通しをよくして予防をして、見つけたら薬剤などを使い早めに駆除しましょう。

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病気対策

キンモクセイにはすす病やうどん粉病などが発生します。すす病はアブラムシなど害虫の排泄物が原因で発生し、葉が黒くなる病気です。うどん粉病にかかると、カビが生えて葉がうどん粉をまぶしたように白くなります。風通しのよい場所で管理して、薬剤などを使い対策をしましょう。

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キンモクセイの育て方④詳しい栽培方法

s出典:写真AC

苗の選び方

キンモクセイの苗は、葉に病害虫が見当たらない、幹の直径が株元で1.5~2cm以上ある成木を選びます。幹が細くて1cm程度の若い苗は、その年花が咲きません。鉢植えにするなら50~120cmまでの高さの苗を、庭植えにするなら、自分で植えられる高さの苗がおすすめです。

植え替え

鉢に植えたキンモクセイは、大きく成長してきたら1~2年に1回程度、3~4月にひとまわり大きい植木鉢に植え替えましょう。キンモクセイの成木は植え替えると弱るので、根が傷まないように注意が必要です。庭植えのキンモクセイは植え替えをする必要はありません。

剪定

キンモクセイは外側を1年に1回、内側を3年に1回剪定しましょう。しばらく開花をあきらめるならば、真冬の寒い時期を除いていつでも剪定できますが、1回に極端な剪定をすると枯れる原因になります。キンモクセイは、放置すると樹形が崩れて花つきが悪くなるので注意しましょう。

毎年の剪定

キンモクセイは基本的に、毎年花後すぐ~翌年新しい枝が出る前、3月頃に剪定を行いましょう。花が咲いた枝を2~3節程度残して、ひとまわり小さくなるように樹形を整えます。真冬は葉が少なくなり木が弱るため秋の剪定は軽く行い、3月に樹形を整えるのがおすすめです。

3年に1回の剪定

キンモクセイは3年に1回程度、花後に軽く剪定します。その後、3月頃に内側の不要な枝や枯れた枝など枝を選んで剪定しましょう。不要な枝は根元からきれいに切り落とします。葉のついていない枝は枯れてしまうため、残したい枝には葉を残しましょう。

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増やし方

実がつかないキンモクセイの増やし方は?

キンモクセイの増やし方は挿し木と取り木です。

挿し木は春に新しく出た枝を15cmほど切って用土に挿し、新しく根を出す方法で、一度にたくさん増やせます。取り木は枝や茎の高い所で樹皮を取り除いてビニールなどを巻き、上下を縛って発根させる方法です。どちらも増やしたキンモクセイは発根してから5~7年で花が咲きます。

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キンモクセイの購入先

送料無料 庭木・植木:キンモクセイ(金木犀)

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庭植えや生垣にピッタリのしっかりとしたキンモクセイです。ポットではなく根巻きの状態で販売され、簡単に植え付けができます。鉢植えにするときは、12号サイズ以上の鉢を使用しましょう。

樹高120cm

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