ヒイラギは、東アジアが原産の常緑性高木です。真っ赤な実をつけたヒイラギは、クリスマスリースや正月飾りとしても利用されています。ヒイラギは「魔除け効果がある植物」としても親しまれており、庭のシンボルツリーや生垣としても人気の植物です。
園芸部類 | 庭木、花木 |
形態 | 常緑性高木 |
樹高・草丈 | 1m〜10m |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 花に香りがある、初心者向け、生垣、庭木 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ヒイラギの葉は楕円形をしており、葉の縁に「鋭鋸歯(するどきょし)」と呼ばれる小さなトゲがたくさんついているのが特徴です。開花時期は10月〜12月で、白色の小さな花からは、キンモクセイに似た優しい香りが漂います。
ヒイラギの花言葉は?
ヒイラギの花言葉は「保護」「用心深さ」「先見の明」です。ヒイラギは古くから「邪気を払う力がある」とされ、魔除けに利用されてきたという歴史から「保護」や「用心深さ」という花言葉がつけられました。
ヒイラギの名前の由来は?
ヒイラギは「柊」や「疼木」という別名でも流通しています。「疼木」に使われている「疼ぐ(ひひらぐ)」とはチクチクと痛む様子を意味する言葉です。葉のトゲに触れるとチクッと痛む様子が名前の由来になっています。
姫ヒイラギ 観葉植物
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姫ヒイラギは、ヒイラギの中でも小ぶりの品種です。葉のサイズは2cmほどで、鉢植えにして、室内で観葉植物やインテリアグリーンとしても育てられています。
樹高 | 10cm〜40cm |
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葉色 | 緑色、黄緑色 |
五色ヒイラギ 美しくてトゲがある
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五色(ごしき)ヒイラギは、緑色やクリーム色など、さまざまな色の葉をつけるのが特徴です。新芽の時期には、かわいらしいピンク色の葉も混ざります。
樹高 | 1m〜3m |
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葉色 | 緑色、クリーム色、ピンク色 |
植え付け時期 | 4月〜5月 |
植え替え時期 | 4月〜5月、8月〜10月 |
肥料の時期 | 2月、8月 |
剪定の時期 | 5月〜7月、10月〜11月 |
花が咲く時期/開花時期 | 10月〜12月 |
ヒイラギの栽培適期は?
ヒイラギは、花芽のついている苗木を4月〜5月に植え付けると、10月〜12月に花を咲かせます。開花した部分に実をつけるため、翌春の5月〜6月が実の観賞期です。常緑性のため、いつでも美しい葉をつけており、時期によって花や実も楽しめるので人気があります。
ヒイラギは、地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えで育てる場合は、樹高が10mほどまで大きく成長するため、広いスペースを確保してから植え付けましょう。鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐために、深さのある鉢を使用してください。基本的には1つの植木鉢に1株のみ植え付けます。
ヒイラギは、日当たりと風通しのよい場所で管理してください。耐陰性があるため、半日陰でも育てられますが、日照時間が短いと花付きが悪くなります。葉が密に茂るので、風通しのよい場所で管理して、病害虫被害を予防しましょう。
葉が黄色く変色する理由は?
日当たりの悪い場所で育てると、葉が黄色く変色したり、ポロポロと落葉したりします。ほかの植物や建物の陰になっている場合は、場所を移動させましょう。
ヒイラギは、水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土で育てましょう。市販されている「草花用培養土」や「花木用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、黒土と腐葉土をよく混ぜ込んでから、少量のピートモスを加えた用土を使用してください。
地植えにする場合の用土は?
ヒイラギを地植えにする場所が粘土質の場合は、腐葉土や川砂をよくすき込んでから植え付けます。肥沃な用土を好むため、堆肥やバーミュキュライトを加えても構いません。
地植えでヒイラギを育てている場合は、完全に根付いてしまえば降雨のみで十分なため、水やりの必要はありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾ききる前に水やりをします。水切れを起こすと下葉から枯れ込んでくるので、乾燥しやすい夏場は、朝と夕方の2回にわけて水やりをするのがおすすめです。
室内で育てる場合の水やりのコツは?
室内でヒイラギを育てている場合は、エアコンの風によって水分が蒸発しやすくなります。葉の水分が奪われるのを防ぐために、霧吹きなどを使用して定期的に葉水を行い、葉をみずみずしく保ちましょう。
肥料は、2月に寒肥として油かすや鶏糞などの有機肥料を施します。8月に、追肥として緩効性の化成肥料を株元に適量施してください。肥料の与えすぎは、肥料やけを起こして枯れる原因となるため注意しましょう。
カイガラムシは、名前のとおり貝殻のように硬い甲羅に守られており、殺虫剤が効きにくいのが特徴です。発見したら歯ブラシなどを使用して、株から直接払い落として駆除しましょう。
ハダニは、やや乾燥している時期に発生しやすい害虫です。葉の裏側などの見つけにくい部分に発生し、ヒイラギの汁を吸って成長します。発見が遅れると、ヒイラギが弱ったり枯れたりするため、こまめに観察しながら育てましょう。
すす病は「糸状菌」というカビの菌糸が原因で発生する病気です。感染した部分は、すすがついたように黒く変色するのが特徴で、葉の光合成が妨げられます。薬剤を散布しても、感染した部分は治せないため、早めに切り取って処分しましょう。
花後の花がらを放置すると、カビが発生して「灰色かび病」に感染する恐れがあります。ヒイラギは小さな花をたくさん咲かせるため、花後はこまめに花がら摘みをして、株を清潔に保ちましょう。
ヒイラギを苗木の状態で購入する場合は、葉につやがあり、茎が太くてしっかりしている苗木を選びます。花や実の観賞が目的の場合は、花芽のたくさんついている苗を選ぶのがおすすめです。
ヒイラギは耐寒性が強く、寒さで枯れる心配はありません。日本の気候ならば、寒冷地でも地植えでの冬越しが可能です。
3月〜5月にかけて、ヒイラギを挿し木で増やしていきましょう。剪定で切り落とした、健康な枝を使用しても構いません。先端から15cm〜20cmほどの長さで切り取り、切り口を水に挿しておきます。しっかりと水揚げしたら、赤玉土などの挿し木用の用土に挿してください。発根するまでは、風通しのよい日陰で管理します。
出典:写真AC