ピンクアナベルは、6月〜7月にかけて、鮮やかなピンク色の花を次々と咲かせるアジサイです。梅雨を代表する植物としても人気があり、花壇の寄せ植えや鉢植えなどで育てられています。
園芸部類 | 庭木、花木 |
形態 | 低木 |
樹高・草丈 | 1m〜2m |
花の色 | ピンク |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 落葉性、耐陰性がある、初心者向け、寄せ植え |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ピンクアナベルは、北アメリカが原産のため「アメリカアジサイ」とも呼ばれています。ピンク色の花弁がとてもかわいらしく、花壇に明るい印象を与えてくれる植物です。花の美しさを長く楽しむために、ドライフラワーやスワッグにもアレンジされています。
ピンクアナベルの花言葉は?
ピンクアナベルには「ひたむきな愛」「寛容な女性」という花言葉がついています。大切な人や、思いを伝えたい人への贈り物におすすめです。
ピンクアナベル2 [ピンクアナベルの第2世代改良品種]
参考価格: 4,840円
ピンクアナベル2は、ピンクアナベルを品種改良して作られた「第2世代改良品種」です。一般的なピンクアナベルに比べて、花色が濃くはっきりとしているのが特徴で、花後は花弁が淡い緑色に変化します。
花色 | 濃ピンク |
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樹高 | 90cm~120cm |
ピンクアナベルジャンボ インクレディボールブラッシュ
参考価格: 2,849円
インクレディボールブラッシュは、花房が30cmほどまで成長する大型の品種です。茎が太くて水もちがよいため、切り花やフラワーアレンジメントに向いています。
花色 | 薄ピンク |
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樹高 | 50cm〜150cm |
植え付け時期 | 3月〜4月、10月〜11月 |
植え替え時期 | 3月〜4月 |
肥料の時期 | 1月〜2月、7月〜8月 |
剪定の時期 | 7月〜2月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6月〜7月 |
ピンクアナベルは、地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えにする場合は、ドーム状に大きく成長するため、十分なスペースを確保してから植え付けてください。鉢植えにする場合は、1つの鉢に1株ずつ植え付けましょう。
ピンクアナベルは、日当たりと風通しのよい場所で管理します。耐陰性があるため、ほかの植物が育ちにくいような半日陰でも育てられますが、日光が全く当たらないと、下葉から枯れ込んでくるので注意しましょう。小さく剪定して鉢植えにすれば、室内でも栽培が可能です。ピンクアナベルを室内で育てる場合は、適度に日光が当たる窓辺で管理しましょう。
ピンクアナベルは、水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土で育てます。市販されている「花木用培養土」や「草花用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、黒土と腐葉土をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。
地植えにする場合の土作りは?
ピンクアナベルを地植えにする場所が粘土質の場合は、腐葉土や川砂をよくすき込んでから植え付けます。肥沃な土壌を好むため、堆肥を混ぜ込んでおくのもおすすめです。
ピンクアナベルを地植えで育てている場合は、完全に根付いてしまえば降雨のみで十分です。鉢植えの場合は、水切れを起こすと枯れる恐れがあるため、土の表面が乾ききる前に水やりをします。夏は土が乾燥しやすくなるので、朝と夕方の2回にわけて水やりをしても構いません。
肥料は1月〜2月に寒肥として、油かすや鶏糞などの有機質肥料を適量施します。7月〜8月は追肥として緩効性の化成肥料を置き肥してください。肥料の与えすぎは、肥料やけを起こす原因となるため注意しましょう。
アブラムシは年間を通して発生しやすい害虫です。集団で寄生し、ピンクアナベルの成長に必要な栄養分を吸汁します。発見が遅れるとピンクアナベルが枯れる恐れがあるため、殺虫剤を散布して早めに駆除しましょう。
うどんこ病は、湿度の高い時期に、カビの菌糸が原因で発生する病気です。感染した部分が、白色の粉をふいたようになるのが特徴で、光合成が妨げられます。放っておくと腐敗が始まり、悪臭を放つようになるので、ほかの部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分しましょう。
花後に花がらを放置すると、カビが発生しやすくなります。カビが原因の「灰色カビ病」に感染しないように注意が必要です。ピンクアナベルは花房が大きく、たくさんの花を咲かせるため、こまめに花がら摘みを行い、株を清潔に保ちましょう。
ピンクアナベルを苗木の状態で購入する場合は、葉につやがあり、病害虫被害を受けていない苗を選びましょう。葉が黄色く変色していたり、下葉が枯れていたりする苗木は、植え付けてもすぐに枯れてしまう場合があります。
ピンクアナベルの植え替えは3月〜4月に行います。根についている古い用土を払い落としてから、新しい用土に植え替えてください。
植え替えは必要?
地植えでピンクアナベルを育てている場合は、植え替えの必要はありません。鉢植えの場合は、数年で鉢が根でいっぱいになり、花付きが極端に少なくなるため、なるべく2年〜3年に1回は植え替えが必要です。
ピンクアナベルは、花が咲き終わった部分から切り戻し剪定をしていきます。休眠期は、強剪定に適した時期のため、株の半分程度まで思い切って剪定しても、枯れる心配はありません。葉が込み入っている部分や、枝が伸び過ぎている部分を剪定し、樹形を整えていきましょう。
剪定の注意点は?
3月を過ぎてから剪定すると、花芽を切ってしまう恐れがあるので避けてください。
ピンクアナベルは耐暑性が強く、気温の高くなる真夏日でも、屋外で夏越しが可能です。しかし、直射日光による葉焼けや、水切れによる乾燥で枯らしてしまわないように注意しましょう。ビニールやバークチップを利用して、マルチングをしてから夏越しさせると安心です。
ピンクアナベルは、12月〜2月にかけて休眠期に入ります。落葉性のため、枝だけの状態で冬越しするのが特徴です。耐寒性が強いので、冬越しに必要な作業はとくにありません。
ピンクアナベルの挿し木は、6月〜7月に行います。健康に育っている枝を、先端から2節〜3節ほど残して切り取ってください。切り口を水につけ、たっぷりと水を吸わせておきます。赤玉土などの挿し木用の用土を準備し、挿し穂を挿していきましょう。発根するまでは、水切れを起こさないようにたっぷりと水やりをしながら、風通しのよい日陰で管理します。
出典:写真AC