アジサイ「アナベル」とはどんな植物?
2,000もの種類があるといわれているアジサイ(紫陽花)に、モコモコした丸い愛らしい形をしたアジサイがあります。名前を「アナベル」といい、ボリュームのある手毬の形がかわいらしく人気のある種類です。アジサイ「アナベル」とはどんな植物なのか?家庭での育て方や剪定方法、挿し木での増やし方など詳しく解説します。
アナベルの特徴
アジサイ「アナベル」は、元々は園芸用ではなくイリノイ州のアンナ市の野原に咲いていたアジサイでした。通常のアメリカノリノキは装飾花を花序の周りに額のようにつけますが、このアジサイは、装飾花を手毬のように丸く咲かせている違いがありました。その後、このアジサイが改良され、品種化されたものがアナベルになります。
アナベルの基本情報
学名 | Hydrangea arborescens'Annabelle' |
科名 | アジサイ科 |
属名 | アジサイ属(ハイドランジア属) |
和名 | アメリカノリノキ |
原産国 | 北アメリカ東部 |
花色 | 白・ピンク |
花期 | 6月~7月 |
樹高 | 1m~1.5m |
日照 | 半日陰・日なた |
アナベルの花
花弁が無い
6月~7月の花期になると、分枝した茎の先に半球状の花序が出て、小花をたくさん咲かせます。額が大きく発達した「装飾花」が花のように見え、雄しべと雌しべを持つ「両性花」は装飾花の内側に咲き、花弁を持たないことが特徴です。花序は直径20cm前後となり、中には30cmと大きく育つものもあります。
花の色が変わる
アナベルの魅力は、つぼみから咲き進むにつれて花の色が変わることです。つぼみの頃は淡い緑色をしていますが、花が咲くと白色になり、秋には黄緑色から茶色になります。基本の色は白ですが、淡いピンクの花もあり優しい雰囲気が人気です。
ボタニ子
ピンクのアナベルもとても可愛いですね!
ボタ爺
白色と同じように、緑→ピンク→黄緑→茶色と色が変化するぞ!
アナベルの葉
尖った楕円形
アナベルの葉は、縁がギザギザしていて先の尖った楕円形をしています。茎は細いですが、大きな花序をしっかり支える力があります。濃い緑色の葉は白い花やピンクの花によく映え、豪華な印象をもたせてくれます。アナベルは日陰でも育つ強い性質を持ち、夏の暑さにも冬の寒さにも耐える力があるため、北海道のような寒い地域の屋外でも冬を越すことができます。
アナベルの名前の由来
モコモコした花の形が愛らしいアナベルですが、「アナベル」という名前はどこから付けられたのでしょうか?調べてみるといくつか説があることがわかりました。アナベルの名前の由来と花言葉についても解説します。
名前の由来① アンナの美人
アナベルの原種が発見されたアメリカ東部イリノイ州アンナ市にちなんだ名前とする説です。「Annabelle」とは「アンナの美人」という意味になるため、アンナ市の美しい花として名付けられたといわれています。
名前の由来② エドガー・アラン・ポーの詩
エドガー・アラン・ポーが最後に残した詩に由来するとする説です。この詩は、アメリカの地方に残されている船乗りと娘の悲恋の物語を元に書かれた詩で「アナベル・リー」といいます。エドガー・アラン・ポーは亡くなった妻への想いをこの詩の中に綴っており、アナベルの白く美しい花姿が詩の中の若い妻と重なります。
名前の由来③ 古代ローマ時代の男性名に由来
古代ローマ時代の男性名であるアマビリス(Amabilis)に由来する説です。アマビリス(Amabilis)を女性化するとアナベル(Amabel)となります。アマビリスは「愛すべき」という意味があり、西洋の愛すべき女性として名付けられたといわれています。
ボタニ子
どの由来もアナベルの美しい花を愛でている気がするね!
アナベルの花言葉
ひたむきな愛
アジサイは花の色が変わることから、一般的に「移り気・浮気・高慢」といった花言葉があります。あまりよい花言葉をもちませんが、アナベルはその純白の美しい花姿から「ひたむきな愛」「辛抱強い愛情」といった純粋な花言葉をもっています。
アジサイ「アナベル」の育て方
アナベルは園芸用に品種改良されたアジサイです。夏の暑さ冬の寒さに強く、日陰でも育つ性質をもっているため初心者でも育てやすい種類になります。地植えにして花壇の彩りにしてもよいですし、鉢植えにして場所を移動しながら楽しむこともできます。アナベルの植え付け方の他、水やりや剪定など基本的な育て方と注意する点について説明します。
育て方①土作り
水はけのよい土
アナベルは土の酸性度合いを気にする必要がありません。水はけのよい土であれば大きく育ちます。地植えの場合は、植え穴を掘った土に2~3割ほどの腐葉土を混ぜておくと水はけがよくなります。鉢植えの場合は、小粒の赤玉土7に対し、腐葉土3ほどの割合が丁度よいです。牛糞堆肥などの肥料を混ぜることを忘れないようにしましょう。
育て方②植え付け
日の当たる場所
アナベルの植え付けは、まだ葉が出る前の3~4月か、成長が止まっている10~11月に行います。地植えの場合は、午前中に日が当たり西日の当らない場所がよく育ちます。鉢植えの場合は、苗よりも二回りほど大きな鉢に植え、日当たりのよい場所で管理するとよいでしょう。
育て方③水やり
葉に元気がないとき
地植えの場合は、水やりの必要がありませんが、日照りが続いて水不足になったときは水をたっぷりあげてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水やりをします。どちらも葉に元気がないときが水やりのサインです。特に冬の乾燥に気をつける必要があります。
育て方④肥料
肥料は年2回
アナベルは苗を植え付けるときに、牛糞堆肥か緩効性の肥料を土に混ぜておく必要があります。植え付け後の1~2月と、花が咲き終わった後の7~8月頃に1回ずつ「油カス」か緩効性の肥料を与えるとよいでしょう。
育て方⑤剪定
剪定は冬に行う
西洋アジサイは7月頃に剪定をする必要がありますが、アナベルはその年に新しく出てきた枝に花を咲かせる種類のため、冬に剪定しても初夏には花を咲かせてくれます。このためアナベルの剪定は、春を避けた11~12月か2~3月の冬に行うとよいです。寒冷地でも冬の間、枝を短くしておけるため雪によって折れることを防げます。
アナベルの育て方のポイント!
- 日当たりがよい場所に植えること
- 土を乾燥させないこと
- 肥料は年2回与えること
- 剪定は冬に行うこと
次のページでは、アジサイ「アナベル」の増やし方や似た花、楽しみ方をご紹介します。
出典:写真AC